中古戸建てを買う時の注意点!リフォームのポイントや住んでからの落とし穴は?
2025年2月4日(火)
実家が戸建てだったり、お子さまをのびのび育てたいという理由で「マイホームはやっぱり戸建てがいいな」という方も多いのではないでしょうか。しかし土地から探すのはなかなかハードルが高いなか「中古戸建てを購入」は有効な選択肢といえます。そこで今回は、不動産のプロに聞いた『中古戸建てを探すときにおさえておきたいポイント』をまとめました。
お話を伺ったのは・・・
株式会社サムタイムズ 代表取締役 足立 淳
スタイル工房 ワンストップリノベーション物件探しのパートナー
「中古を買ってリノベ」最初に知っておきたい基礎知識講座/講師
人々がもっと自由に、自分のライフスタイルに合った住まいを選択し、実現できる世界をつくる。
自身でも築35年のヴィンテージマンションの購入とリノベーションを経験。
具体的には、白アリの食害や雨漏り、木部の腐食などが挙げられます。表面はキレイに見えても、リフォームの際に解体して初めて判明するというケースも。状態によっては、元に戻すだけで数百万円の費用がかかってしまうなどという事態もあり得ます。
ホームインスペクション済の物件であれば、リフォーム費用の目安もたてやすく、安心して購入ができます。もし実施されていない場合は、買主が費用を負担してホームインスペクションを行うことも可能です。
もし大規模なリフォームをする場合は、大きな不具合が無いかどうかをリフォーム会社に事前に確認してもらうと安心です。気になる方は相談してみましょう。
具体的には、土地ごとに建築可能な建物の大きさを定めた「建蔽(けんぺい)率」や「容積率」をオーバーして建てられている物件や、敷地が道路に十分に接していない「再建築不可物件」などです。
昔は今ほど建物に関する罰則が厳しくなく、違反建築物を建てたり、建築後に違法の増改築をおこなうケースが多くありました。これらの物件を買って住むだけで罰せられることはありませんが、購入時は住宅ローンの審査がほぼ通らず、将来売却する際もなかなか売れません。
もし周辺相場に比べて価格が安い物件は、これら違反建築物件の可能性があります。内見の申し込みをする前に不動産会社に安さの理由を聞いてみましょう。法令にのっとった建物であることを検査機関が証明する「検査済証」が取得されている物件であれば安心です。
考えられるのは建蔽率や容積率、高さ制限に変更があったり、接する道路の幅員が4m未満であるケース。また、耐震基準も大きな地震の後で何度か改正が繰り返され、どんどん厳しくなっています。1981年以前の耐震基準で建てられた建物は「旧耐震」と呼ばれ敬遠される傾向にはあるものの、そのまま利用し続けることに法的問題はありません。
ただし、増改築などに制限があったり、金融機関によっては住宅ローンが通りにくいというデメリットがあります。
戸建には外壁や屋根のメンテナンス、耐震補強工事やシロアリ対策など、マンションでは不要な工事も必要ですし、駐車スペースや外構工事などにも費用がかかります。
一般的な戸建物件を内装も含めて全面リフォームした場合、少なくとも1,000〜1,500万円程度は必要です。床面積が大きい家やデザイン・素材などにこだわれば2,000万円を超えることも十分に考えられます。
もし気に入った物件が見つかったら、売買契約を交わす前にリフォーム会社に相談するのがオススメです。その物件で希望のリフォームを行うのにどれくらいの費用がかかるのかを確認し、物件価格とトータルで予算内に納まるようにしましょう。
時間を過ぎると収集してもらえず、ゴミ捨て場に放置すると近隣の迷惑になるため持ち帰るしかありません。また、ゴミ捨て場の掃除やカラス除けネットの設置などがご近所の当番制で回ってくることもあります。住む前にゴミ捨てルールを確認するようにしましょう。
また、首都圏では多くありませんが、大雪が降った時には庭や屋根の雪落とし、ときには前面道路の雪かきも自分でする必要があります。
修繕のタイミングを決めるのも自分、修繕業者を探すのも自分で、これをメリットととるかデメリットととるかは人によるでしょう。しかし、適切なメンテナンスをしないままでは建物はどんどん劣化し、資産価値が下がっていきます。
市区町村が公開しているハザードマップを確認したり、過去に大きな地震や台風があった時に具体的にどのような被害があったかなどを売主にヒアリングしましょう。
もし火災が起きた時、消防車が家の前までスムーズに入って来ることができるか、大きな地震が起きた時に土砂災害の影響がなさそうかなど、内見の時には家の中だけではなく、周辺環境も合わせて確認するとよいでしょう。
しかし、マンションよりも確認するべき点も多く、購入時の注意点もたくさん!購入後に「こんなはずじゃなかった・・・」と後悔することのないよう、戸建て物件の特徴をしっかり理解したうえで物件を選ぶようにしましょう。
お話を伺ったのは・・・
株式会社サムタイムズ 代表取締役 足立 淳
スタイル工房 ワンストップリノベーション物件探しのパートナー
「中古を買ってリノベ」最初に知っておきたい基礎知識講座/講師
人々がもっと自由に、自分のライフスタイルに合った住まいを選択し、実現できる世界をつくる。
自身でも築35年のヴィンテージマンションの購入とリノベーションを経験。
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目次
- 戸建てならではの注意点!築古物件にありがちなリスク
- 違法建築に注意!相場より安い中古物件には理由がある
- 戸建てリフォームは高くなるってホント?費用の目安は?
- 中古戸建て、住んだ後の注意点やマンションと違う点は?
- まとめ
戸建てならではの注意点!築古物件にありがちなリスク
白アリや雨漏りなど、建物の不具合に注意!
鉄筋コンクリート(RC)造が主流のマンションと違い、圧倒的に木造が多い日本の戸建て住宅。世界最古の木造建築物である法隆寺は約1,500年前に建てられたものですが、それも国を挙げてのメンテナンスを定期的に施してきたからこそ。ほとんどの木造建築は、築20年、30年と経過すると、何らかの不具合が出てきます。具体的には、白アリの食害や雨漏り、木部の腐食などが挙げられます。表面はキレイに見えても、リフォームの際に解体して初めて判明するというケースも。状態によっては、元に戻すだけで数百万円の費用がかかってしまうなどという事態もあり得ます。
ホームインスペクションされている物件なら安心
しかしなかには、売主がすでにホームインスペクション(住宅診断)をしている物件もあります。ホームインスペクションとは、建築士などの専門家や第三者機関が住宅のコンディションについて調査を行うこと。これによって劣化状態や補修すべき箇所などが客観的に診断されます。ホームインスペクション済の物件であれば、リフォーム費用の目安もたてやすく、安心して購入ができます。もし実施されていない場合は、買主が費用を負担してホームインスペクションを行うことも可能です。
もし大規模なリフォームをする場合は、大きな不具合が無いかどうかをリフォーム会社に事前に確認してもらうと安心です。気になる方は相談してみましょう。
違法建築に注意!相場より安い中古物件には理由がある
意外と多い、中古戸建ての「違反建築物」
築年数の浅い中古物件は、ほとんどが建築基準法などの法律にのっとって建てられています。しかし、築年数が古い物件には法律を守って建てられていない「違反建築物(違法建築ともいいます)」が多く存在しているのです。そんなのあるの!?と驚くかもしれませんが、大手ポータルサイト等にもたくさん掲載されているのが現状です。具体的には、土地ごとに建築可能な建物の大きさを定めた「建蔽(けんぺい)率」や「容積率」をオーバーして建てられている物件や、敷地が道路に十分に接していない「再建築不可物件」などです。
昔は今ほど建物に関する罰則が厳しくなく、違反建築物を建てたり、建築後に違法の増改築をおこなうケースが多くありました。これらの物件を買って住むだけで罰せられることはありませんが、購入時は住宅ローンの審査がほぼ通らず、将来売却する際もなかなか売れません。
もし周辺相場に比べて価格が安い物件は、これら違反建築物件の可能性があります。内見の申し込みをする前に不動産会社に安さの理由を聞いてみましょう。法令にのっとった建物であることを検査機関が証明する「検査済証」が取得されている物件であれば安心です。
「既存不適格建築物」って?違法建築との違いは?
違反建築物と混同されやすい物件に「既存不適格建築物」があります。既存不適格建築物とは、建築時点の法律では合法だったものの、その後に法改正などがあって現状の法には適合しなくなってしまった物件を指します。考えられるのは建蔽率や容積率、高さ制限に変更があったり、接する道路の幅員が4m未満であるケース。また、耐震基準も大きな地震の後で何度か改正が繰り返され、どんどん厳しくなっています。1981年以前の耐震基準で建てられた建物は「旧耐震」と呼ばれ敬遠される傾向にはあるものの、そのまま利用し続けることに法的問題はありません。
ただし、増改築などに制限があったり、金融機関によっては住宅ローンが通りにくいというデメリットがあります。
戸建てリフォームは高くなるってホント?費用の目安は?
外壁や耐震補強などで、マンションより高額になりがち
中古戸建てを購入して、住みやすくキレイに大規模リフォーム(リノベーション)したい、と考える方は多いでしょう。しかし同じ床面積であっても、戸建て物件はマンションよりも費用が高額になりがちです。戸建には外壁や屋根のメンテナンス、耐震補強工事やシロアリ対策など、マンションでは不要な工事も必要ですし、駐車スペースや外構工事などにも費用がかかります。
一般的な戸建物件を内装も含めて全面リフォームした場合、少なくとも1,000〜1,500万円程度は必要です。床面積が大きい家やデザイン・素材などにこだわれば2,000万円を超えることも十分に考えられます。
もし気に入った物件が見つかったら、売買契約を交わす前にリフォーム会社に相談するのがオススメです。その物件で希望のリフォームを行うのにどれくらいの費用がかかるのかを確認し、物件価格とトータルで予算内に納まるようにしましょう。
中古戸建て、住んだ後の注意点やマンションと違う点は?
戸建て物件には、自分で所有し住んでみて初めて分かるデメリットがいくつかあります。以下のようなポイントを見落としがちなので注意しましょう。ゴミ捨てルールは厳守!掃除当番がまわってくる場合も
マンションの場合、ゴミは24時間いつでも出せる物件が多いですが、戸建ては基本的に収集日の朝、決められた時間までに出さなければなりません。時間を過ぎると収集してもらえず、ゴミ捨て場に放置すると近隣の迷惑になるため持ち帰るしかありません。また、ゴミ捨て場の掃除やカラス除けネットの設置などがご近所の当番制で回ってくることもあります。住む前にゴミ捨てルールを確認するようにしましょう。
お庭の手入れが大変!雑草駆除や樹木の剪定なども自分で
お庭があるのは戸建て物件ならではの魅力。しかし、雑草駆除や道路に落ちた落ち葉の掃除に思わぬ手間がかかります。庭木がある場合は剪定も必要ですし、蚊やアリなどの害虫に悩まされるリスクもマンションよりも高いでしょう。また、首都圏では多くありませんが、大雪が降った時には庭や屋根の雪落とし、ときには前面道路の雪かきも自分でする必要があります。
修繕費用は将来に備えて自分で積み立てておく必要が
戸建てではマンションのように毎月、管理費や修繕積立金を強制的に徴収されることはありません。しかし戸建ても外壁や屋根など、十数年ごとにメンテナンスが必要です。そのための修繕費用は自分で計画して積み立てておかなければいけません。修繕のタイミングを決めるのも自分、修繕業者を探すのも自分で、これをメリットととるかデメリットととるかは人によるでしょう。しかし、適切なメンテナンスをしないままでは建物はどんどん劣化し、資産価値が下がっていきます。
火災や水害などのリスクは高め。ハザードマップの確認を
最後に、災害のリスクについてです。戸建て物件は一般的に、マンションよりも火災や水害のリスクが高いといわれます。市区町村が公開しているハザードマップを確認したり、過去に大きな地震や台風があった時に具体的にどのような被害があったかなどを売主にヒアリングしましょう。
もし火災が起きた時、消防車が家の前までスムーズに入って来ることができるか、大きな地震が起きた時に土砂災害の影響がなさそうかなど、内見の時には家の中だけではなく、周辺環境も合わせて確認するとよいでしょう。
まとめ
駐車場が無料だったり、お庭でガーデニングや家庭菜園を楽しめたりといったマンションにはない魅力がたくさんある戸建て物件。「わが家」「自分の城」という感覚もマンションより強く、将来、土地という資産がのこせるという大きな利点もあります。しかし、マンションよりも確認するべき点も多く、購入時の注意点もたくさん!購入後に「こんなはずじゃなかった・・・」と後悔することのないよう、戸建て物件の特徴をしっかり理解したうえで物件を選ぶようにしましょう。