一度で決める。手を掛けるほど汚くなる
2019年6月7日(金)
「大工歴は、25年」とおっしゃるMさん。元々は設計士を目指していたそうですが、「現場の方が性に合っているな、と。」スタイル工房とのお付き合いは4年くらいになる大工さんです。
大工は、解体後の柱組み立て、床・壁・天井の下地作り、造作等多岐にわたります。図面の寸法に合わせて木材を切り、削る…その加工の工程の中でMさんが大事にしているのは「一度でぴたっとあわせる事。」「何度も木を削ったり、手を加えてしまうと、仕上がりが汚くなることが多い。図面を確認し現場で測量、既存のものとの取り合いも見越して合わせていきます」。
「大工の作業は、仕上げの段階で見えなくなるところが多い。でも見えなくなるところだからこそ綺麗に仕上げる。家づくりは大工から、次の職人さんへとバトンが渡されるようにすすんでいくので、その現場に携わる職人同士で完成のイメージを共有することが大事だと思います。」
「綺麗に納まると、お客さんにも喜んでもらえるし、自分が見ても気持ちがいいですよね。」
「Mさんの仕事には気遣いがある。」現場をお願いする事の多い施工管理の保壽はそう話します。
「例えばこんなところ」
「このスキップフロアは、フローリング材を使っています。上・側面・横部分それぞれ、フローリング材の厚みがあるので、こんな風に表面を合わせる為には内側を削る必要がある。
そうしないとフローリングの側面が出てきちゃうんです。でもそんなのかっこ悪い。
もしかしたら誰も気づかないかもしれない細かな部分。そんな箇所でも「面倒だな」では絶対に終わらせない人ですね。」施工管理との現場打合せでは、どう作るか、どう納めるのかを提案をしてくださったりもあるそうです。
◆印象に残っている現場
そんなMさんの印象に残っているのはこちらのマンションリノベーション工事。
→事例No.610 時の流れを感じ、これからを楽しむ
「タイルも数種類使用して、それぞれに合わせた下地が必要だった。ミリ単位ともいえる細かな仕上げが必要だったんです」。
「スタイル工房さんは、みんな仲が良いですよね。変にべたべたした感じではなくて、チームワークがいいっていうのかな。それぞれが助け合いながらやっている感じがする。あと、オーダーでそのお家に合わせて棚や家具を作ったりもするので、大変でもあるし楽しくもあります」とお話くださったMさん。職人さんらしく寡黙な方でしたが、当たり前に、黙々と作業をされていらっしゃる姿が印象的でした。