Vol.3 (後編) スタイル工房スタッフに聞く、大工さんの家づくり
2019年7月23日(火)
住まいのプロ集団ならではの新築物件を紹介する「新築密着レポ」。今回は大工さんご自身の家づくり。奥さまのご実家を二世帯住宅に建て替えた実例です。Vol.3後編は前編に引き続き、スタイル工房のスタッフに現場でのエピソードなどを尋ねてみました。
設計:植田
台風に見舞われた地鎮祭など、実は波乱のスタートだった
——設計担当としては、大工さんの家づくりについてどんな感想を持っていますか?
植田●お互いに信頼関係が築けている仲間ですから、仕事はしやすかったです。もちろん、それは他の現場でも同じ。プランナーや設計、現場監督、大工さん、職人さんがお互いの立場を理解して、尊重しあっていい方向に向いている。それが、スタイル工房の強みですから。ただ、今回はなかなか手強い現場でした。
◆現場での打合せの様子
——たとえばどんなところが?
植田●まず、地鎮祭が台風に見舞われ、思い出深いスタートになりました(笑)。地盤調査では大掛かりな地盤改良の必要性が指摘されましたので、30本もの杭打ちを行いました。
◆地鎮祭の祭壇や雨よけなどの準備も大工のKさんがしっかり行った
◆地盤改良の様子
植田●建て方では、奥行きの深い敷地での建て方作業が大変でしたね。
◆大工仲間とともに 近隣への配慮と安全第一で行った建て方作業
◆雪の日は工事に支障がないかチェック
植田●また、今回のように凝った設計の家は、施工図に描ききれない部分や、現場でどう作り込んだらベストかを決めた方がいいところも出てきます。それを、一緒に考えたり、試行錯誤して形にしていきました。たとえば、中央に壁を設けず引っ越しを楽にする広々とした廻り階段の造作など。
大工さんの力量は、施工図に描ききれないところにこそ現れる
——大工さんならではの、木に対するこだわりもありましたか。
植田●Kさんは、床材に木目がキレイで足触りのいい杉の無垢材を選ばれました。一枚一枚、色や木目が微妙に異なる杉材を上手に組み合わせ、全体として表情豊かな床に仕上げる。この辺りは施工図で描ききれないので、大工さんのセンス。納まりがキレイなんですよね、Kさんは。
植田●大変だと言っていた、勾配天井のシナベニア貼りも、構造材とシナベニアが斜めに接触する部分の納まりが実に見事。それから、スキップフロアの踏み板も毎日踏みしめる所なので、集成材ではなく木目の美しい一枚板にこだわって造作しています。外壁材も無垢材で、一枚一枚丁寧に貼って仕上げています。外観デザインも素材も周囲にない個性を生み出しているので、完成が近づくにつれてご近所からも注目されていました。
——昔ながらの上棟式が盛況だったそうですね。
植田●ご近所の方々がたくさん集まって賑やかでした。お餅やお菓子を撒いて、子どもから大人まで大喜び。Kさんにとって自分の家であり、大工としての作品であるわけです。ですから、伝統的な上棟式でお披露目をして、工事の無事を願ったんだと思います。
次回は、ご家族に住み心地などをインタビューします。ご期待ください。
設計:植田
台風に見舞われた地鎮祭など、実は波乱のスタートだった
——設計担当としては、大工さんの家づくりについてどんな感想を持っていますか?
植田●お互いに信頼関係が築けている仲間ですから、仕事はしやすかったです。もちろん、それは他の現場でも同じ。プランナーや設計、現場監督、大工さん、職人さんがお互いの立場を理解して、尊重しあっていい方向に向いている。それが、スタイル工房の強みですから。ただ、今回はなかなか手強い現場でした。
◆現場での打合せの様子
——たとえばどんなところが?
植田●まず、地鎮祭が台風に見舞われ、思い出深いスタートになりました(笑)。地盤調査では大掛かりな地盤改良の必要性が指摘されましたので、30本もの杭打ちを行いました。
◆地鎮祭の祭壇や雨よけなどの準備も大工のKさんがしっかり行った
◆地盤改良の様子
植田●建て方では、奥行きの深い敷地での建て方作業が大変でしたね。
◆大工仲間とともに 近隣への配慮と安全第一で行った建て方作業
◆雪の日は工事に支障がないかチェック
植田●また、今回のように凝った設計の家は、施工図に描ききれない部分や、現場でどう作り込んだらベストかを決めた方がいいところも出てきます。それを、一緒に考えたり、試行錯誤して形にしていきました。たとえば、中央に壁を設けず引っ越しを楽にする広々とした廻り階段の造作など。
大工さんの力量は、施工図に描ききれないところにこそ現れる
——大工さんならではの、木に対するこだわりもありましたか。
植田●Kさんは、床材に木目がキレイで足触りのいい杉の無垢材を選ばれました。一枚一枚、色や木目が微妙に異なる杉材を上手に組み合わせ、全体として表情豊かな床に仕上げる。この辺りは施工図で描ききれないので、大工さんのセンス。納まりがキレイなんですよね、Kさんは。
植田●大変だと言っていた、勾配天井のシナベニア貼りも、構造材とシナベニアが斜めに接触する部分の納まりが実に見事。それから、スキップフロアの踏み板も毎日踏みしめる所なので、集成材ではなく木目の美しい一枚板にこだわって造作しています。外壁材も無垢材で、一枚一枚丁寧に貼って仕上げています。外観デザインも素材も周囲にない個性を生み出しているので、完成が近づくにつれてご近所からも注目されていました。
——昔ながらの上棟式が盛況だったそうですね。
植田●ご近所の方々がたくさん集まって賑やかでした。お餅やお菓子を撒いて、子どもから大人まで大喜び。Kさんにとって自分の家であり、大工としての作品であるわけです。ですから、伝統的な上棟式でお披露目をして、工事の無事を願ったんだと思います。
次回は、ご家族に住み心地などをインタビューします。ご期待ください。