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カーテンには出せない雰囲気と柔らかな光。障子のある家

2021年4月18日(日)
和室はもちろん、ほどよく和モダンを取り入れた空間に似合う建具といえば「障子」。縦横に走る格子のリズムや紙を通した柔らかい光など、カーテンやブラインドとはまた違った和のニュアンスを醸し出せるため、根強い人気があります。木と紙でできているため、意外と自然素材リノベーションとも相性が良いのもポイント。
今回はそんな「障子」を取り入れたリノベ例を集めてみました。

 

和室の入り口に。和と洋の境界としての役割


最初は、王道ともいうべき、和室とリビングを仕切る障子です。

リノベのネタ帳|障子
趣味の茶道のための部屋として、また、ごろりと横になって読書が楽しめる場所としてリビングの隣に設けた和室。
フローリングと畳敷きを隔てる境界に、障子の敷居を設けました。

リノベのネタ帳|障子
障子をすべて閉めてしまうと、和モダンのテイストを取り入れたリビングの風景に。

リノベのネタ帳|障子
開け放つと、畳コーナーのある広々としたLDK空間としても使えます。

リノベのネタ帳|障子
和室からの眺めはこんな感じ。
障子をすべて閉めて、和室を独立した空間として使っても、リビング側から障子越しの優しい光が届きます。

リノベのネタ帳|障子
和室には床の間も設けました。
季節ごとに掛け軸や花瓶などの設えを変えるのも、床の間の楽しみ方のひとつですね。
マンションとは思えない、ぜいたくな空間です。

上記事例詳細はこちらから
No.720 暮らしのこれから

 

タイルと組み合わせてレトロモダンに


つづいては、築45年の二世帯住宅リノベです。

リノベのネタ帳|障子
細かく仕切られた和室が並ぶ昔ながらの間取りを、和室2室+キッチン間の壁を取り払って大きなLDKに。
取り除けない柱などは、塗装してアクセントとしていかしました。
どこか和の趣が残る空間全体を、障子でまとめています。
この障子も、元からあったものを貼り直して再利用したもの。

リノベのネタ帳|障子
キッチンカウンターに立ち上げたタイルは、横組障子に合わせて横長のものを選びました。

リノベのネタ帳|障子
障子とタイルが日本家屋のイメージと馴染みつつも、絶妙なモダニズムを醸し出します。
アンティーク建具のような雰囲気と、光を通すことで空間を軽やかにしてくれる障子の魅力を引き出していますね。

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No.280 三世代に渡って受け継がれるおもてなしリビングの家

 

窓につければ、室内が柔らかい光で満たされる


前2例は部屋間の仕切りとしての使用例でしたが、ここからはカーテンの代わりに障子を使った例をご紹介します。

リノベのネタ帳|障子
カーテンやブラインドよりもフラットなので、より空間が引き締まるのがわかりますね。

リノベのネタ帳|障子
なによりも、このなんともいえない優しい明るさは、障子紙越しの光ならでは。

リノベのネタ帳|障子
明るすぎず、視線はさえぎってくれるので大開口にも採用しやすいのがポイント。
こちらのおうちは窓に合わせて、オリジナルの障子を造作しています。
板張り天井とのバランスも美しい、大人の和モダン空間をつくり上げています。

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No.506 柔らかな陽光でくつろぐ住まい

 

光と風を自在に操る猫間障子



窓に付けた場合、全開にできないことが(カーテンなどに比べると)障子の弱点とされていました。
しかし、窓に引き込むかたちで造作すればそれも解消します。

リノベのネタ帳|障子
こちらは猫間障子で、下半分を上にスライドして開けることもできます。
現代ではガラス窓が入っていますが、もともとは猫が出入りするためにこの構造だったそうです。

リノベのネタ帳|障子
下半分だけ開ければ視線が通って開放感がアップ。
雪見障子としての使い方ができます。

リノベのネタ帳|障子
全開にすればウッドデッキとリビングが一体となり、愛犬たちの遊び場に。
まさに、光と風を自由にコントロールできる障子です。

上記事例詳細はこちらから
No.552 二世帯でくつろぐ上質な時間 ~ご両親世帯編~

 

日本家屋の美しい意匠を残してリノベーション


最後に、障子でしか実現できなかったリノベーションをご紹介します。
築47年のご実家で、現地調査の結果、良い材を使ったしっかりとした建物であることが判明。

リノベのネタ帳|障子
縁側の立派な木製サッシも残し、もとの家のイメージをなるべく損なわずにリノベしています。
和室と廊下を隔てるのはやはりこの場合、障子しかありえないでしょう。

リノベのネタ帳|障子
障子の向こうに廊下があり、お庭を望む…この複層的な光と空間の切り取り方は日本の昔のおうちならではです。

リノベのネタ帳|障子
日本家屋の趣を残しつつも、廊下にはコルクタイルを敷いて足に優しく、バリアフリーにも配慮。
もちろん、耐震補強工事と断熱工事も施し、安全性と暮らし心地も格段にアップしています。

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No.723 47 年の歴史の面影を感じながら2 世帯で暮らす

 

まとめ


谷崎潤一郎の随筆「陰影礼賛」でも触れられている、障子越しの光の美しさ。障子にはなんともいえない魅力があることが分かっていただけたのではないでしょうか。
反面、お掃除や貼り替えの手間がネックとなりますが、破れにくいレーヨン繊維入りの障子紙なども出回っています。また、UVカット効果のある障子紙やアイロン、両面テープで張れる障子紙もあり、より手軽に障子のある生活を楽しめるようになりました。
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