リノベのコトバ(ルーバー)
2021年11月30日(火)
いくつもの細長い板を並べた「ルーバー」は、有名な建築デザインでもよく目にするモチーフです。最近では新国立競技場の軒庇や、同じ隈研吾氏の設計で六本木のサントリー美術館、長崎県美術館も、ルーバーを印象的に用いた作品となっています。リノベーションではどのように使われるのでしょうか。
・ほどよく視線をさえぎり、空気を通す
ルーバーの最大の特長は、羽板の角度や重なり具合によって視線や光・風の通り方を自由に操れることです。
視線はさえぎりつつ、通気性は確保できるため、収納の扉をルーバーにするとメリットを生かすことができます。
たとえばキッチンや洗面室の収納、シュークロークなど、見せたくないけど密閉したくない場所に最適。
うまく隠しつつ、カビや湿気を防いでくれます。
また、バルコニーの庇や建具に用いることで、光や風の入り具合を調節することもできます。
・立体感が生まれ、デザイン次第で和にも洋にも
板を重ね合わせているため、それぞれに影が生まれたり、隙間から光が通ることで空間を立体的に見せるルーバー。
素材やデザインによって和風にも、洗練されたシンプルモダンにも見せられるのがもうひとつの特長です。
木や金属といった素材、板の幅、縦や横などの向きが違うだけでも、まったく印象が変わります。
デザインによって如何様にも…その懐の広さが、著名な建築家にも愛される理由なのかもしれません。