【2023年度最新版】住宅のリノベーションに活用できる補助金制度まとめ
大掛かりなリノベーションになると、費用が数百〜数千万円ほどになってしまうことも珍しくありません。
実際、「リノベーションの必要性を感じてはいるものの、費用がネックになってリノベーションをおこなえずにいる」という方も多いのではないでしょうか?
そういった方にぜひ活用してほしいのが、住宅のリノベーションに関する補助金制度です。
住宅のリノベーションに関する補助金制度の概要や利用できる制度の具体的な内容、利用する上での注意点などについて詳しく紹介します。
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目次
- 補助金を活用できるリノベーションの種類
- 住宅のリノベーションに活用できる補助金の例
- 補助金とあわせて押さえておきたいリノベーションの時に活用できる減税制度
- リノベーションに補助金を活用するときの注意点
- リノベーションに利用できる補助金に関するよくある疑問・質問
- 補助金を活用したリノベーションは補助金制度に詳しい業者に相談しよう
- まとめ
補助金を活用できるリノベーションの種類
補助金を活用してリノベーションをおこなう上でまず把握しておきたいのが、補助金の対象となるリノベーションの種類についてです。補助金の対象となるリノベーションは種類が限られており、対象外のリノベーションに対して補助金が付与されることはないため注意しなくてはいけません。
補助金の対象となる主なリノベーションの種類としては、
● 耐震
● エコ・省エネ
● 介護・バリアフリー
の、3つがあげられます。
それぞれ詳しく解説していきます。
耐震
参照元:耐震金物取り付け
各自治体が積極的におこなっているのが、耐震に関するリノベーションに対しての補助金制度です。大きな地震が発生した場合、耐震補強がおこなわれていない住宅が多いと、建物の倒壊などで被害が拡大する可能性があります。被害が拡大すると、その対応に多額の費用がかかることになるので、各自治体は地震によって生じる被害を最小限に留めたいと考えています。
そのために用意されているのが、耐震に関するリノベーションに対しての補助金制度です。古くて耐震性能が十分でない住宅に対して耐震補強をおこない、大きな地震にも耐えられるようにするなど、住宅の耐震性能を高めるリノベーションに対して付与されます。
補助金を受け取るための条件は自治体や補助金制度によって異なりますが、耐震診断を受けてから着工するという流れが一般的です。
エコ・省エネ
国や各自治体が特に力を入れているのが、エコや省エネに関するリノベーションに対する補助金制度です。住宅の断熱性能を向上させたりエコキュートなどの高効率でエコな設備に変更するなど、省エネにつながるリノベーションをおこなう際の費用の一部が補助されます。
国がおこなっているエコや省エネに関連する代表的な補助金制度としては「こどもみらい住宅支援事業」があげられますが、「こどもみらい住宅支援事業」は予算が上限に達したことで申請の受付を終了してしまいました。
2023年度は、「こどもみらい住宅支援事業」の後継にあたる事業として「こどもエコすまい支援事業」が始まります。また、既存住宅の断熱性能向上に活用できる、窓改修工事の補助が手厚い「先進的窓リノベ事業」(環境省)も創設されています。
これらの制度を活用するためにも、機能や意匠のリノベーションだけでなく、断熱性能向上についても検討してみて下さい。
▼もっと詳しく知りたい!▼
こどもみらい住宅支援事業補助金を使った事例その1:simple cozy life
こどもみらい住宅支援事業補助金を使った事例その2:これからをもっと心地よく
こどもみらい住宅支援事業補助金を使った事例その 3:思い出をつなぎ余白のある暮らしを
介護・バリアフリー
日本は世界でも類を見ないほど高齢化が進んでいる国です。
歳を重ねると、体が思うように動かなくなり、これまで長年過ごしてきた住宅での生活が負担に感じられるようになります。その問題を解消するには住宅をバリアフリー化しなくてはいけませんが、その負担を軽減する目的で設けられているのが、介護やバリアフリーに関するリノベーションへの補助金制度です。
代表的なものとしては、
●手すりの設置
●段差の解消
●車椅子でスムーズに移動できる導線の確保
などがあげられます。
介護やバリアフリーに関するリノベーションは、国や自治体の補助金制度を利用しておこなうこともできますし、介護保険制度を活用することも可能です。要支援や要介護の認定を受けた方が住む住宅で介護やバリアフリーに関するリノベーションをおこなった場合、リフォーム費用の9割を介護保険制度によってまかなえるようになっています。
住宅のリノベーションに活用できる補助金の例
画像参照元:リフォーム・リノベーション工事でもらえる補助金のおはなし
補助金は「耐震」「エコ・省エネ」「介護・バリアフリー」などを目的としたリノベーションに対して付与されると紹介してきましたが、実際、どのような補助金制度が用意されているのでしょうか?
ここからは、国が実施している代表的な補助金制度と、各自治体が実施している代表的な補助金制度をいくつかピックアップして解説していきます。
国の補助金や助成金
リノベーションをおこなう際に活用できる国の主な補助金制度や助成金制度としては、
●こどもエコすまい支援事業
●断熱リフォーム支援事業
●先進的窓リノベ事業(新2023年度より開始)
●次世代省エネ建材の実証支援事業
などがあげられます。
それぞれの補助金制度の概要について詳しく解説していきます。
こどもエコすまい支援事業
こどもエコすまい支援事業は、国土交通省が主導している住宅向けの補助金制度の一つです。子育て世帯や若者夫婦世帯の省エネ投資の下支えを目的としたもので、
●開口部の断熱改修
●外壁、屋根・天井・床の断熱改修
●エコ住宅設備の設置
●子育て対応改修
●防犯性の向上に資する開口部の改修
●生活騒音への配慮に資する開口部の改修
●キッチンセットの交換を伴う対面化改修
●防災性向上改修
●バリアフリー改修
●空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
●リフォーム瑕疵保険等への加入
などが補助の対象となります。
補助金の額は子育て世帯・若者夫婦世帯であるかどうかで異なり、子育て世帯や若者夫婦世帯が既存の戸建住宅を購入してリノベーションする場合であれば一戸あたり60万円まで、それ以外の場合は一戸あたり45万円を上限に補助金を受け取ることが可能です。
子育て世帯・若者夫婦世帯以外であっても補助を受けることはできますが、その場合、一戸あたりの補助金の上限が30〜45万円と少なくなります。
子育て支援事業の補助金を活用された事例です。
▼もっと詳しく知りたい!▼
子育てリノベ事例1:「おうちカフェでゆったりと」
子育てリノベ事例2:「光あふれる暮しに Switch」
断熱リフォーム支援事業
断熱リフォーム支援事業は、環境省がおこなっている住宅向けの補助金制度の一つです。
15%の省エネ効果が見込まれる窓や断熱材、ガラスなどを用いた断熱リフォームを支援する補助金制度で、断熱リフォームにかかった費用の3分の1を補助してもらうことができます。断熱リフォームと同時に家庭用蓄電池システムや熱交換型換気システムを導入する際の費用も補助の対象となり、一戸あたり15〜120万円を上限に補助を受けることができます。
断熱工事については以下のページでも紹介しています。
▼もっと詳しく知りたい!▼
断熱工事レポートはこちら:工事部ブログ
また、以下断熱工事を行った一部の施工事例です。
▼もっと詳しく知りたい!▼
断熱工事を行った施工事例1:「ぽかぽかキッチンで料理を楽しむ」
断熱工事を行った施工事例2:「人が集い、自然の循環の一部として暮らす “創エネルギー”の家」
次世代省エネ建材の実証支援事業
次世代省エネ建材の実証支援事業は、高性能断熱材や蓄熱・調湿材などの次世代省エネ建材の効果実証を支援する目的で経済産業省主導でおこなわれている補助金制度です。
●住宅の外壁全体を外張り断熱工法で改修する外張り断熱
●断熱パネルや潜熱蓄熱建材を導入して内側から改修する内張り断熱
●すべての窓を外窓にて改修する窓断熱
などが補助の対象となり、一戸あたり125〜400万円を上限に補助金を受け取れるようになっています。
▼もっと詳しく知りたい!▼
省エネ建材の実証支援事業補助金を使った事例:「地球に優しく 暮らしに優しく」
自治体の補助金や助成金
自治体の補助金制度は国がおこなっている補助金制度よりも種類が多いので、ここでは、いくつかの自治体で用意されている補助金をいくつかピックアップして紹介していきます。
環境配慮型住宅リノベーション推進事業補助金(東京都世田谷区)
環境配慮型住宅リノベーション推進事業補助金は世田谷区がおこなっているリノベーション向けの補助金制度です。
世田谷区内に住宅を保有している世田谷区民が対象となっており、
●外壁の断熱改修
●太陽光発電システムの導入
●エネファームの設置
などに対する補助を受けることができます。
上限金額は実施する工事によって異なりますが、20〜40万円で設定されています。
住まいのエコリノベーション(省エネ改修)補助制度(神奈川県横浜市)
住まいのエコリノベーション(省エネ改修)補助制度は横浜市がおこなっているリノベーション向けの補助金制度です。
これは、既存住宅の省エネルギー化をサポートする目的で設立された補助金制度です。
●外窓の交換
●ガラスの交換
●玄関ドアの交換
●外壁・天井・床の断熱改修
などの工事に対し、一戸あたり200万円を上限に補助してもらえる制度となっています。
補助金とあわせて押さえておきたいリノベーションの時に活用できる減税制度
住宅のリノベーションをお得に実施する方法としては、補助金制度だけでなく減税制度も用意されています。リノベーションにかかる費用を少しでも抑えたいと考えているのであれば、減税制度も積極的に活用するべきです。住宅をリノベーションする際に利用できる主な減税制度としては、以下のようなものがあげられます。
減税制度 | 概要 |
---|---|
住宅ローン減税制度 | 償還期間が10年以上で設定されている住宅ローンを利用してリノベーションをおこなう場合に活用できる減税制度 年末時点でのローン残高の0.7%が所得税から控除される |
省エネリフォーム減税 | 省エネリフォーム工事をおこなうときに適用される減税制度 かかる費用の10%相当額が所得税から控除される また、翌年分の固定資産税が3分の1減額される |
バリアフリーリフォーム減税 | 住宅の居住者が50歳以上である場合や65歳以上の家族と同居する場合、要支援者や要介護者と同居する場合におこなうバリアフリーリフォームに対して適用される減税制度 かかる費用の10%相当額が所得税から控除される また、翌年分の固定資産税が3分の1減額される |
耐震リフォーム減税 | 住宅の耐震リフォームをおこなうときに適用される減税制度 かかる費用の10%相当額が所得税から控除される また、翌年分の固定資産税が2分の1減額される |
三世代同居リフォーム減税 | 所定の三世帯リフォームをおこなうときに適用される減税制度 かかる費用の10%相当額が所得税から控除される |
長期優良住宅化リフォーム減税 | 省エネリフォームや耐震リフォームをおこない、長期優良住宅の認定を受けるための要件を満たしたときに適用される減税制度 かかる費用の10%相当額が所得税から控除される また、翌年分の固定資産税が3分の2減額される |
補助金と減税制度は併用できるので、利用できそうなものは補助金制度とあわせて活用するようにしてください。
リノベーションに補助金を活用するときの注意点
実際に補助金制度を活用してリノベーションをおこなう場合、いくつか注意するべきポイントがあります。リノベーションをおこなった後で後悔しないためにも、それらの注意点についても事前にしっかりと把握しておくべきです。主な注意点としては、
●事前に申請しておく必要がある
●予算が上限に達すると期限前でも終了することがある
の、2点があげられます。
それぞれ詳しく解説していきます。
補助金によっては事前に申請しておく必要がある
住宅のリノベーションをおこなう際に補助金を受け取るには申請が必要になりますが、申請のタイミングはそれぞれの補助金制度によって異なります。主に工事が着工した後や完了後に申請できるタイプのものと着工前の申請が必要になるタイプのものがありますが、着工前の申請が必要な補助金制度を利用する場合は特に注意が必要です。
このタイプの補助金制度の場合、補助金の申請と審査が完了し、許可が降りた後でしか工事を始めることができません。申請の順番やタイミングを誤ってしまうと、申請を受理してもらえず、条件を満たしていたとしても補助金を受け取ることができなくなってしまうので注意しましょう。
補助金制度を利用する際は、申請のタイミングを忘れずにチェックしておくようにしましょう。
予算が上限に達すると期限前でも終了することがある
補助金制度を利用する際は予算の上限についても注意しなくてはいけません。各補助金制度には予算が割り振られており、その予算の上限に達してしまった場合、申請期限前でも終了となってしまうことがあります。
そのため、補助金制度を活用してリノベーションをおこないたいと考えているのであれば、期限に関わらず、なるべく早めに申請して工事を進めるべきです。予算に達しない場合は追加で公募がおこなわれたりもしますが、人気が高く申し込みが殺到するような補助金制度だと、かなり早い段階で受付が終了してしまうこともあるので注意してください。
ただ、いくら早めに申請することが大切とは言え、申請期限前に前倒しで申請することはできません。
補助金制度を活用したリノベーションは計画的に進めることが大切です。
リノベーションに利用できる補助金に関するよくある疑問・質問
最後に、リノベーションに利用できる補助金に関するよくある疑問・質問をいくつかピックアップして、Q&Aの形式で紹介していきます。複数の補助金を利用することもできますか?
出来る場合もあります。
例えば、東京で窓の改修を含む工事を行う場合であれば、東京都の事業である「クールネット東京」と国の事業である「先進的窓リノベ事業」、あるいは「こどもエコ住宅支援事業」など、自治体の助成事業とこれらの補助金制度を併用できるケースもあります。国の補助金・助成金制度を活用する場合、原則として財源が同じ省庁同士の併用は不可です。
また、自治体によっては国の制度と併用できないこともあるので、事前に調べておく必要があります。
ちなみに、補助金制度と減税制度を併用することは可能です。
補助金の申請が通らないこともありますか?
補助金を申請すると審査がおこなわれますが、その審査のタイミングで「補助金を受け取るための条件を満たせていない」と判断されてしまった場合は、申請が通らずに落ちてしまうこともあります。詳しくはリノベーションを依頼する業者に確認するようにしましょう。
補助金を受け取れるまでの期間はどれくらいですか?
補助金を受け取れるまでにかかる期間は申請するタイミングや制度によって異なるため一概に言い切ることはできませんが、工事が完了してから1ヶ月半〜2ヶ月ほどで受け取れるケースが多いようです。補助金を受け取れるまでの期間についても、リノベーションを依頼する業者に確認しておくことをおすすめします。
補助金を活用したリノベーションは補助金制度に詳しい業者に相談しよう
参照元:店舗紹介
補助金を最大限活用してリノベーションをおこないたいと考えているのであれば、補助金制度に詳しい業者や実績のある業者にサポートしてもらうことが重要になります。
補助金制度に詳しい業者は、さまざまな補助金の中からより最適な制度を提案してくれます。また、補助金によっては申請できる業者が限定されてしまっていることもあるので、選択肢を増やすためにも実績のある業者に依頼するべきです。
まずはいくつかめぼしい業者をピックアップして、補助金の活用について相談してみましょう。
実際に相談してみると、より良い提案をしてくれる業者と提案の内容がイマイチな業者がハッキリしてくるので、より良い提案をしてくれる業者にサポートを依頼するようにしましょう。
弊社、株式会社スタイル工房も、補助金を活用したリノベーションの実績が豊富な業者の一社です。
補助金を活用してお得にリノベーションされた方の事例を2つほどご紹介いたします。
▼もっと詳しく知りたい!▼
補助金を活用したリノベ事例:ひろびろのびのび育つ家
補助金を活用したリノベ事例:幼き日の原風景を切り取って…
まとめ
補助金制度を利用できるリノベーションの種類は限られていますが、対象となる、
●耐震
●エコ・省エネ
●介護・バリアフリー
などのリノベーションを検討しているのであれば、補助金を活用しない手はありません。
減税制度とあわせて活用することができれば結構な節約になるので、手間はかかりますが、申請できそうなものがあれば申請するようにしましょう。
ただ、申請は業者を通しておこなう必要があるので、まずはリノベーション業者に相談するところから始めてみてはいかがでしょうか?