【お気に入りの逸品】H様邸 No.865 ~ルイスポールセンのPH4/3~
2023年5月23日(火)
リノベーションの先輩に、おうちのお気に入りアイテムを紹介していただく「逸品」コラム。今回は、4年前に中古で購入したマンションをリノベーションしたご夫婦。
注文住宅づくりも経験したことのあるおふたりが以前から愛用していて、新生活でも活躍しているものやリノベーションで手に入れたものたちについてお話を伺いました。
Vol.1:ルイスポールセンのPH4/3
Vol.2:80年前のデッドストックのトライバルラグ
Vol.3:リノベで造作したキャットウォーク
リノベしたダイニングに映えるふたごライト
シンプルなインテリアのなかに、肌触りがよく物語を感じさせるものが選び抜かれ、随所に配されたH様邸。ダイニングの主役はふたつ並んだ名作照明、ルイスポールセンPH4/3のホワイトです。「近代照明の父」と言われるポール・ヘニングセンによるPHシリーズは、これまでも何度かこの逸品コラムでご紹介いただくことがありました。計算され尽くした機能美でそれぞれの暮らしを照らすさまは、50年以上にわたり世界でロングセラーなのもうなずけます。H様邸では、PH5よりもシンプルなPH4/3を並べて配当。本場デンマークの住宅でよく見られるという、贅沢な複数づかいをしています。
「買ったのはもう、20年以上前。そのころ住んでいた戸建て住宅は天井が高すぎて、存在感がなくて。同じ空間にふたつあっても誰も気付かないくらいでしたが、このおうちではしっかり映えるので嬉しいですね」とH様。いかにも!という感じのPH5よりも、PH4/3の方がさりげなくて好みに合った、と購入当時を振り返ります。
確かに、存在感が大きくシンボリックなPH5ではなく、3枚シェードのPH4/3がH様邸の空間、それもふたつ使いにしっくりと馴染む気がします。他の照明は埋め込みのダウンライトにして、ペンダントライトが引き立つようリノベーションしたのもポイントです。せっかくふたつあるので、お客様が来てダイニングテーブルを拡張したときはふたつの距離を離してみるなどして、並べて使う醍醐味をもっと楽しみたい、とのこと。
20年以上H家で愛されつづけてきて、それでも全く古びることのない普遍的な灯り。一生もののペンダントライトは、ふたつ並んで、少し嬉しげな表情にも見えました。
繰り返すことで、かたちの美しさが際立つ。
ダイニングチェアも北欧プロダクトであるハンス・J・ウェグナーのもの。