【プランナー監修】クローゼットもリフォームして片付け上手に!取り出しやすくしまいやすいつくり方のコツ
2024年4月16日(火)
リノベーションの理由に「収納不足」を挙げる人は多いもの。だからといって、リフォームで収納場所を増やせばスッキリ!という問題でもなく、間取りのどこにつくるか、どうつくるかがポイントになってきます。片付けがニガテな人にも使いやすく、キレイな状態を維持できるクローゼットのポイントをプランナーにお聞きしました。
お話を伺ったのは・・・
チーフプランナー 於保 誠之
一級建築士、スタイル工房チーフプランナー。マンション・戸建て共に数多くのリノベーションに携わってきた。機能美、住まう人の日々の暮らしやすさ、そして将来も踏まえた心地よさを追求。
「片付けやすさという点では、洗濯動線の上につくるのがオススメです。洗濯機から干す場所、たたむ場所、しまう場所を結ぶ動線ですね。
最近は部屋干しや乾燥機を使う方も増えているので、その場合は洗濯乾燥機のある洗面脱衣室のなるべく近くにクローゼットをつくって『洗う&乾かす→しまう』の動線が最短で結べるようにします」。
洗濯機のすぐ隣にウォークインクローゼットへの引き戸が。クローゼットは寝室と廊下側にもつながっています。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_y59.html
換気の面でも、風が通りやすいウォークスルーは優れています。特にマンション一階のお部屋は湿気がこもりやすいため、ウォークスルーをご提案することが多いですね」。
ウォークスルーだと壁が少ない分、三方壁のウォークインクローゼットよりも収納量が減ってしまうような気がするのですが、どうでしょうか?
「三方が壁でも突き当たりの角の部分は重なっているため、収納量という点ではほとんど変わりません。マンションの部屋の内側、窓のないスペースに水まわりと収納を配置することで、合理的で使いやすい間取りになりますよ」。
リビングから、白い引き戸のクローゼットを抜けて寝室へ。玄関からの廊下と並行した2WAY動線です。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_i42.html
あえて扉を設けず、隠したいときはカーテンやロールスクリーンを利用するのも、換気・コストの両面でオススメだそうです。
リノベーションでいったん持ち物を把握し、余裕をもたせたうえで「増やす時は、何か手放す」を続けることが肝心。打合せではお客様が立って手を伸ばした高さをはかり、届きやすい高さにハンガーパイプを設置。その上部は普段使わないモノを置ける棚を設けたり、立体的に空間を使い切るように心がけているそうです。
「片付けがニガテな方は、クローゼットをつくるときにおさえておきたいポイントがあります。それは『片付けるためのアクションをなるべく減らすこと』!モノが見える所の収納は扉があった方が良いですが、納戸などみえない場所の棚に扉を付けると「扉を開ける」というアクションが面倒に感じてしまうこともあるので、扉をつけない、というのもアイディアのひとつ。
また、床にモノを置きはじめるとどんどん片付けにくくなるので、必ず棚板設けます。あらかじめモノのアドレス(置き場所)を決めることを徹底しましょう」。
とにかく、モノをしまうときに何も考えなくてもいいようにするのが大事。「コレどこに置こう?とりあえずココでいっか」の積み重ねが、家が片付かない原因になりがちだから、ということでした。
丸い壁がフォーカルポイントになり、奥まで視線が届きにくいことがポイントです。ちなみに、入り口をアールにすることでかかる費用は、一ヶ所あたり2.5万円程度が目安だそう。
寝室のクローゼットと廊下の収納の入り口をアールにした例。アクセントクロスとの相性も◎です。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_t109.html
「クローゼットの入り口付近など、奥行きのとれない壁面をムダなく使うことができます。自分でフックを付ける場所をカスタマイズできるのもいいですね」。
収納ケース、ハンガー、棚板と、空間を余すところなく使った収納。ガムテープもかけられる!
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_o47.html
お客様のライフスタイルや荷物の量に合わせて、10年後もすっきり片付く住まいを目指してプランニングするので、一緒に収納計画を考えましょう!と心強い言葉。収納不足に悩んでいる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
お話を伺ったのは・・・
チーフプランナー 於保 誠之
一級建築士、スタイル工房チーフプランナー。マンション・戸建て共に数多くのリノベーションに携わってきた。機能美、住まう人の日々の暮らしやすさ、そして将来も踏まえた心地よさを追求。
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目次
- 間取りのどこにつくるのが正解?リフォームのヒントは洗濯動線
- ウォークインとウォークスルーはどちらがいいの?
- 湿気対策や換気はマスト!つくる時のポイントや注意点など
- 「片付かない私」には、こんなクローゼットはNG!
- 収納なのにこんなにおしゃれ!クローゼットリフォームアイデア
- まとめ
間取りのどこにつくるのが正解?リフォームのヒントは洗濯動線
家族のものを集約してしまえるファミリークローゼットが人気ですが、スペースの限られたマンションではどこにつくるかが悩みどころ。片付けがしやすいクローゼットの場所ってどこなのでしょうか?「片付けやすさという点では、洗濯動線の上につくるのがオススメです。洗濯機から干す場所、たたむ場所、しまう場所を結ぶ動線ですね。
最近は部屋干しや乾燥機を使う方も増えているので、その場合は洗濯乾燥機のある洗面脱衣室のなるべく近くにクローゼットをつくって『洗う&乾かす→しまう』の動線が最短で結べるようにします」。
洗濯機のすぐ隣にウォークインクローゼットへの引き戸が。クローゼットは寝室と廊下側にもつながっています。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_y59.html
ウォークインとウォークスルーはどちらがいいの?
「ファミリークローゼットは家族みんなが使いやすいリビングの近くにつくることが多いため、リビングから寝室、子ども部屋に抜けられるようにするなど、可能であればウォークスルーが便利です。換気の面でも、風が通りやすいウォークスルーは優れています。特にマンション一階のお部屋は湿気がこもりやすいため、ウォークスルーをご提案することが多いですね」。
ウォークスルーだと壁が少ない分、三方壁のウォークインクローゼットよりも収納量が減ってしまうような気がするのですが、どうでしょうか?
「三方が壁でも突き当たりの角の部分は重なっているため、収納量という点ではほとんど変わりません。マンションの部屋の内側、窓のないスペースに水まわりと収納を配置することで、合理的で使いやすい間取りになりますよ」。
リビングから、白い引き戸のクローゼットを抜けて寝室へ。玄関からの廊下と並行した2WAY動線です。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_i42.html
湿気対策や換気はマスト!つくる時のポイントや注意点など
ウォークスルークローゼットをつくる時は、どんな点に気をつけるべきなのでしょうか?その1. 風が通る工夫をする
「ウォークインもウォークスルーも、湿気対策として換気・通風を確保するのはマストです。マンションの場合は、窓のない場所につくることが多いので、室内窓を設ける、小型の換気扇を取り付けるなど、換気計画は必ず同時に行います」。あえて扉を設けず、隠したいときはカーテンやロールスクリーンを利用するのも、換気・コストの両面でオススメだそうです。
その2. 少し余裕を残しておく
「今ある荷物がそのまま入る大きさでつくるのではなく、断捨離も含めた収納計画を行った上で『まだ少し余裕がある』くらいの容量をキープするようにします。お子さまが成長することで服の容量も変わりますし、荷物は基本、増えるもの。ライフスタイルに合わせて対応できるように、ある程度の余白は残しておきましょう」。リノベーションでいったん持ち物を把握し、余裕をもたせたうえで「増やす時は、何か手放す」を続けることが肝心。打合せではお客様が立って手を伸ばした高さをはかり、届きやすい高さにハンガーパイプを設置。その上部は普段使わないモノを置ける棚を設けたり、立体的に空間を使い切るように心がけているそうです。
「片付かない私」には、こんなクローゼットはNG!
片付けが得意ではない場合、大容量のクローゼットを作っても家がごちゃごちゃになってしまいそうで心配なのですが・・・!?「片付けがニガテな方は、クローゼットをつくるときにおさえておきたいポイントがあります。それは『片付けるためのアクションをなるべく減らすこと』!モノが見える所の収納は扉があった方が良いですが、納戸などみえない場所の棚に扉を付けると「扉を開ける」というアクションが面倒に感じてしまうこともあるので、扉をつけない、というのもアイディアのひとつ。
また、床にモノを置きはじめるとどんどん片付けにくくなるので、必ず棚板設けます。あらかじめモノのアドレス(置き場所)を決めることを徹底しましょう」。
とにかく、モノをしまうときに何も考えなくてもいいようにするのが大事。「コレどこに置こう?とりあえずココでいっか」の積み重ねが、家が片付かない原因になりがちだから、ということでした。
収納なのにこんなにおしゃれ!クローゼットリフォームアイデア
扉がなくてもカワイイ!入り口をアール壁に
「扉を設けないことは、ワンアクションで片付けやすく、通気やコストの面でもメリットが多いことをお伝えしました。とはいえ収納の内部は見せたくない!という方もいらっしゃいます。そこで、入り口にアール垂れ壁をつくることが多いですね」。丸い壁がフォーカルポイントになり、奥まで視線が届きにくいことがポイントです。ちなみに、入り口をアールにすることでかかる費用は、一ヶ所あたり2.5万円程度が目安だそう。
寝室のクローゼットと廊下の収納の入り口をアールにした例。アクセントクロスとの相性も◎です。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_t109.html
有孔ボードで、壁面収納をもっと楽しく
帽子やバッグなど、小物をたくさんお持ちの場合は、一部の壁を有孔ボードにするのもオススメ。「クローゼットの入り口付近など、奥行きのとれない壁面をムダなく使うことができます。自分でフックを付ける場所をカスタマイズできるのもいいですね」。
収納ケース、ハンガー、棚板と、空間を余すところなく使った収納。ガムテープもかけられる!
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_o47.html
まとめ
「収納にはいくつかセオリーがあるものの、その人に合わせてカスタマイズできるのがリフォームのメリット」と於保プランナー。いま持っている荷物をしっかり把握し、不要な物は手放す・・・リフォームは断捨離のチャンスでもあります。お客様のライフスタイルや荷物の量に合わせて、10年後もすっきり片付く住まいを目指してプランニングするので、一緒に収納計画を考えましょう!と心強い言葉。収納不足に悩んでいる方は、ぜひお気軽にご相談ください。