中古マンションの相場はこれからどうなる?後悔しない購入のポイントをプロに聞いた!
2024年6月11日(火)
首都圏を中心に上がり続けている住宅価格。10年前には、東京23区で60㎡の新築マンションが5,000万円以内で買えたのに、今では同じ広さの築10年のマンションが7,000万近くに!10年で中古になったのに、価格は約1.5倍に上がっている状況に「今は買い時じゃないかな?」と思ってしまうのももっともです。でも、そもそも『買い時』ってあるのでしょうか?不動産のプロに、相場の考え方や探し方のポイントを聞いてきました。
お話を伺ったのは・・・
株式会社サムタイムズ 代表取締役 足立 淳
人々がもっと自由に、自分のライフスタイルに合った住まいを選択し、実現できる世界をつくる。
自身でも築35年のヴィンテージマンションの購入とリノベーションを経験。
※東京23区、60m2平均価格
【10年前新築マンション】4,558万円 【築10年中古マンション】6,794万円 【価格変動率】146.8%
https://www.homes.co.jp/cont/press/report/report_00329/
「確かに、中古マンションもずっと上がっており、『今がピーク』と5~6年言われ続けていますね。コロナもあまり影響がありませんでした。でもようやくそろそろ、これ以上の上昇はムリなのでは?というところに来ているのではないでしょうか。今からさらに1.2倍に上がる、というようなことは起きないと思います」
――物件価格の上昇は、これからゆるやかになっていくのでしょうか?
「都心部は不動産投資の需要もあり上がり続けていますが、郊外は落ち着いてきた印象があります。チラホラお手頃な価格でも条件のいい物件が見つかることも増えてきましたよ!」
――郊外とは、どのあたりでしょうか?
「たとえば中央線だったら、国分寺あたりから西ですね。とはいえ中央線自体が人気路線なのですが、並行して走る西武線などの沿線の物件もやや価格が下がってきている気がします。小田急線や京王線など人気の高い路線は、郊外でも売主さんの言い値ですぐに売れてしまうことも多いですが。」
「予算が低い場合、その予算内で探して見つかるのは相場より安い物件、ということになりますよね。相場より安い物件には何かしらの理由があります。その理由が自分にとってそこまで気にならないものであれば、その物件はその人にとっての掘り出し物といえるのではないでしょうか」
――安い理由には、たとえばどんなことがありますか?
「駅から徒歩20分以上離れていることや、築年数が古い、エレベーターがない、内装がボロボロでリフォームしないと住めない、などがあります。最近では、これらの条件全てにあてはまるファミリータイプで、2,000万円台前半の中古マンションをお客様にご購入いただきました。
しかし、築40年近いとはいえ新耐震で、すぐそばにスーパーがあって生活利便性が高い。中がボロボロなのもリノベーションを楽しみたいからOK、駅の利用も少なく、階段の上り下りや徒歩分数も気にならない。……ということで、そのお客様にとっては本当に掘り出し物だったと思います」
――つまり『値段の割にはいい』の、いいポイントは自分次第、ということですね。
「必ずチェックしているのは、新耐震※かどうかと、ある程度の戸数規模があること。あとは管理状態と周辺環境ですね。できれば住人の新陳代謝が適度にあることが望ましいです。
というのは、戸数規模や住人の年齢は、今後の修繕計画に関わってくるからです。戸数が少ないと一戸当たりの負担が増えるし、住人がお年寄りばかりの物件は、管理組合が建物を永く保つことに消極的なケースが多いんです」
※新耐震:「新耐震基準」を満たす物件。1981年6月1日以降に建築確認申請が受理された物件が該当する
――管理状態などは、現地に行かないと分かりませんよね。
「そうですね、実際に行ってみて、ゴミ捨て場が清潔に保たれているか、駐輪場が整理整頓されているかなどをチェックして、管理状態の良し悪しを判断しています。」
「戸建てと違って新耐震基準以降に建てられたRC、SRCのマンションであれば、地震で全倒壊する可能性は低いと考えています。浸水については、ここ最近で最も大きかった2019年の台風でどんな影響があったかを売主さんや管理人さんに確認していますね。
もちろん、これからどんな規模の災害が起きるかは分からないため『必ず大丈夫です』とは言い切れません。でも、これまでの災害については住んでいる人に聞くのがいちばん確実です」
――その物件がどうなのかを確認するべき、ということですね。
「ハザードマップもそうですが、『築30年なので、あと30年くらいで住めなくなりますよね?』など、先入観で決めつけてしまうのはもったいないと思います。見た目のデータに振り回されず、修繕や管理が適切になされているかを確認するようにしましょう。
また、安いからといって細かい部分を見ずに決めてしまうのは後悔のもとです。繰り返しになりますが、必ず安さの理由が自分にとって、今後も納得いくものかを見極めるようにしましょう」
「不動産業者が買い取って、リノベーションしてから売却する物件ですよね。このごろは大手ディベロッパーも手がけることが多くなりました。以前は内装をキレイするだけというイメージでしたが、柄クロスを採用するなどデザインクオリティも上がってきています。
リノベ費用がかからず、すぐにお引越しができるので、『ただキレイならOK』『早く引越したい』という人には良い選択かもしれませんね。
ただし、もし間取り変更も含めてフルリノベーションして自分仕様の住まいをつくり上げたい、そしてその過程も楽しみたいという人には少しもったいないかもしれません」
――フルリノベを楽しむなら、リノベーション費用はどれくらいになるでしょうか。
「ケースバイケースですが、一般的には1,500万円程度をみておくといいと思います。ただし、築年数が古いマンションで、断熱や配管まわりの工事も必要であれば2,000万円近くになることも。
当然ですが築年数が古いと物件価格は安い代わりに、リノベ費用は高くなります。逆に比較的新しい物件は設備が再利用できたりしてリノベ費用を抑えられることもあるので、全体のバランスを見て判断しましょう」
――リノベーション前提で中古マンションを探すときに見るべきポイントはありますか?
「マンションの場合、内壁を動かして間取り変更はできますが、構造壁やパイプスペース(PS)は動かせないため、間取り変更に制約が出ると思ってください。
築年数の古いマンションの場合だと、配管がスラブ(構造床)の中にコンクリートで埋め込まれているものもあります。その場合はキッチンなど水まわりの移動が難しくなるため、やはりリノベーションの自由度が下がってしまいます」
たくさん見た人が『1軒目に見た物件がいちばんよかった』と後悔したり、良くない物件を先走って買ってしまうことも。タイミングが来た時に逃さないためにも、客観的に判断してくれる不動産会社をパートナーに選びましょう」と足立さん。
リノベーション前提の物件探しであれば、不動産会社とリノベーション会社がひとつの窓口になった『ワンストップリノベーションサービス』がオススメです。リノベーションのプロが物件探しから並走してくれるため、叶えたい暮らしが実現可能かどうかの判断がしやすく、予算も全体で考えることができます。
厳しい状況ではありますが、価格を下がるのを待つだけでは叶えたい暮らしはいつまでも実現しません。物件やリノベーションの基礎知識が学べるセミナーもありますので、まずはここから参加してみてはいかがでしょうか。
2024年06月15日(土)
「中古を買ってリノベ」最初に知っておきたい基礎知識講座
https://www.stylekoubou.com/event/?seminarCode=218
お話を伺ったのは・・・
株式会社サムタイムズ 代表取締役 足立 淳
人々がもっと自由に、自分のライフスタイルに合った住まいを選択し、実現できる世界をつくる。
自身でも築35年のヴィンテージマンションの購入とリノベーションを経験。
※東京23区、60m2平均価格
【10年前新築マンション】4,558万円 【築10年中古マンション】6,794万円 【価格変動率】146.8%
https://www.homes.co.jp/cont/press/report/report_00329/
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目次
- 高騰中の物件価格。これからの相場はどうなるの?
- 相場より安い掘り出し物の中古マンションってあるの?どんな物件?
- 中古マンション探しのポイントや、コツってある?
- リスクに対してはどれくらい気にするべき?
- 中古マンション+リノベの予算配分や成功する秘訣は?
- まとめ
高騰中の物件価格。これからの相場はどうなるの?
都心は今も上昇中だが、郊外はやや落ち着いてきた印象
――ここ数年、東京の住宅価格が上がり続けていて、家を持つのはムリかも……とあきらめかけている人も増えてきている気がします。コロナでテレワークが定着し、東京の中古価格は下がると思ったのですが。「確かに、中古マンションもずっと上がっており、『今がピーク』と5~6年言われ続けていますね。コロナもあまり影響がありませんでした。でもようやくそろそろ、これ以上の上昇はムリなのでは?というところに来ているのではないでしょうか。今からさらに1.2倍に上がる、というようなことは起きないと思います」
――物件価格の上昇は、これからゆるやかになっていくのでしょうか?
「都心部は不動産投資の需要もあり上がり続けていますが、郊外は落ち着いてきた印象があります。チラホラお手頃な価格でも条件のいい物件が見つかることも増えてきましたよ!」
――郊外とは、どのあたりでしょうか?
「たとえば中央線だったら、国分寺あたりから西ですね。とはいえ中央線自体が人気路線なのですが、並行して走る西武線などの沿線の物件もやや価格が下がってきている気がします。小田急線や京王線など人気の高い路線は、郊外でも売主さんの言い値ですぐに売れてしまうことも多いですが。」
相場より安い掘り出し物の中古マンションってあるの?どんな物件?
『安い理由が気にならない物件』が掘り出し物といえる
――郊外でチラホラいい物件が見つかるようになったとのことですが、予算が低くても見つかりますか?「予算が低い場合、その予算内で探して見つかるのは相場より安い物件、ということになりますよね。相場より安い物件には何かしらの理由があります。その理由が自分にとってそこまで気にならないものであれば、その物件はその人にとっての掘り出し物といえるのではないでしょうか」
――安い理由には、たとえばどんなことがありますか?
「駅から徒歩20分以上離れていることや、築年数が古い、エレベーターがない、内装がボロボロでリフォームしないと住めない、などがあります。最近では、これらの条件全てにあてはまるファミリータイプで、2,000万円台前半の中古マンションをお客様にご購入いただきました。
しかし、築40年近いとはいえ新耐震で、すぐそばにスーパーがあって生活利便性が高い。中がボロボロなのもリノベーションを楽しみたいからOK、駅の利用も少なく、階段の上り下りや徒歩分数も気にならない。……ということで、そのお客様にとっては本当に掘り出し物だったと思います」
――つまり『値段の割にはいい』の、いいポイントは自分次第、ということですね。
中古マンション探しのポイントや、コツってある?
実際に現地に行ってみないと分からないこともある
――『いい物件』とはそもそもどんな物件でしょうか。最低限クリアすべきポイントなどはありますか?「必ずチェックしているのは、新耐震※かどうかと、ある程度の戸数規模があること。あとは管理状態と周辺環境ですね。できれば住人の新陳代謝が適度にあることが望ましいです。
というのは、戸数規模や住人の年齢は、今後の修繕計画に関わってくるからです。戸数が少ないと一戸当たりの負担が増えるし、住人がお年寄りばかりの物件は、管理組合が建物を永く保つことに消極的なケースが多いんです」
※新耐震:「新耐震基準」を満たす物件。1981年6月1日以降に建築確認申請が受理された物件が該当する
――管理状態などは、現地に行かないと分かりませんよね。
「そうですね、実際に行ってみて、ゴミ捨て場が清潔に保たれているか、駐輪場が整理整頓されているかなどをチェックして、管理状態の良し悪しを判断しています。」
リスクに対してはどれくらい気にするべき?
先入観や思い込みにとらわれ過ぎると、出会いを逃すかも
――ハザードマップは気にしたほうがいいですよね?でも、安全なエリアって相場も高めですよね。「戸建てと違って新耐震基準以降に建てられたRC、SRCのマンションであれば、地震で全倒壊する可能性は低いと考えています。浸水については、ここ最近で最も大きかった2019年の台風でどんな影響があったかを売主さんや管理人さんに確認していますね。
もちろん、これからどんな規模の災害が起きるかは分からないため『必ず大丈夫です』とは言い切れません。でも、これまでの災害については住んでいる人に聞くのがいちばん確実です」
――その物件がどうなのかを確認するべき、ということですね。
「ハザードマップもそうですが、『築30年なので、あと30年くらいで住めなくなりますよね?』など、先入観で決めつけてしまうのはもったいないと思います。見た目のデータに振り回されず、修繕や管理が適切になされているかを確認するようにしましょう。
また、安いからといって細かい部分を見ずに決めてしまうのは後悔のもとです。繰り返しになりますが、必ず安さの理由が自分にとって、今後も納得いくものかを見極めるようにしましょう」
中古マンション+リノベの予算配分や成功する秘訣は?
物件とやりたいリノベによるので、早めにプロに相談を
――『リノベーション済み中古物件』ってどうなのでしょうか。最近増えてきた気がします。「不動産業者が買い取って、リノベーションしてから売却する物件ですよね。このごろは大手ディベロッパーも手がけることが多くなりました。以前は内装をキレイするだけというイメージでしたが、柄クロスを採用するなどデザインクオリティも上がってきています。
リノベ費用がかからず、すぐにお引越しができるので、『ただキレイならOK』『早く引越したい』という人には良い選択かもしれませんね。
ただし、もし間取り変更も含めてフルリノベーションして自分仕様の住まいをつくり上げたい、そしてその過程も楽しみたいという人には少しもったいないかもしれません」
――フルリノベを楽しむなら、リノベーション費用はどれくらいになるでしょうか。
「ケースバイケースですが、一般的には1,500万円程度をみておくといいと思います。ただし、築年数が古いマンションで、断熱や配管まわりの工事も必要であれば2,000万円近くになることも。
当然ですが築年数が古いと物件価格は安い代わりに、リノベ費用は高くなります。逆に比較的新しい物件は設備が再利用できたりしてリノベ費用を抑えられることもあるので、全体のバランスを見て判断しましょう」
――リノベーション前提で中古マンションを探すときに見るべきポイントはありますか?
「マンションの場合、内壁を動かして間取り変更はできますが、構造壁やパイプスペース(PS)は動かせないため、間取り変更に制約が出ると思ってください。
築年数の古いマンションの場合だと、配管がスラブ(構造床)の中にコンクリートで埋め込まれているものもあります。その場合はキッチンなど水まわりの移動が難しくなるため、やはりリノベーションの自由度が下がってしまいます」
まとめ
「中古物件探しは一期一会。物件をたくさん見て、時間をかければ成功するわけではありません。しかし一方で、内見回数を重ねることで自分の優先順位が整理できていくというメリットもあります。たくさん見た人が『1軒目に見た物件がいちばんよかった』と後悔したり、良くない物件を先走って買ってしまうことも。タイミングが来た時に逃さないためにも、客観的に判断してくれる不動産会社をパートナーに選びましょう」と足立さん。
リノベーション前提の物件探しであれば、不動産会社とリノベーション会社がひとつの窓口になった『ワンストップリノベーションサービス』がオススメです。リノベーションのプロが物件探しから並走してくれるため、叶えたい暮らしが実現可能かどうかの判断がしやすく、予算も全体で考えることができます。
厳しい状況ではありますが、価格を下がるのを待つだけでは叶えたい暮らしはいつまでも実現しません。物件やリノベーションの基礎知識が学べるセミナーもありますので、まずはここから参加してみてはいかがでしょうか。
2024年06月15日(土)
「中古を買ってリノベ」最初に知っておきたい基礎知識講座
https://www.stylekoubou.com/event/?seminarCode=218