【プランナー監修】マンションリノベでも防音室はつくれる?自宅で演奏を楽しむためのポイント
2024年6月24日(月)
楽器の演奏や音楽鑑賞を思いきり楽しめる防音室。戸建てではたまに見かけますが、マンションにつくることは可能なのでしょうか。今回はプランナーに、マンションリノベーションで防音室をつくるときのポイントやつくり方、注意すべき点などを聞いてきました。
お話を伺ったのは・・・
チーフプランナー 於保 誠之
一級建築士、スタイル工房チーフプランナー。
マンション・戸建て共に数多くのリノベーションに携わってきた。機能美、住まう人の日々の暮らしやすさ、そして将来も踏まえた心地よさを追求。
「セオリーとしては、玄関側につくることが多いですね。LDKが家族が集まって生活する場所だとしたら、そこからは少し離して独立している方が演奏に集中しやすいので」
例えば、玄関入ってリビングに向かうまでの廊下の途中や、共用廊下側だと近隣への影響も少なく、おすすめだそう。施工はスタイル工房が手がけるのでしょうか?
「防音の程度にもよりますが、防音検査が必要な本格的なものは音響専門の業者に依頼します。演奏したい楽器によっても仕様が変わるので、どれくらいの防音を求めるかを打合せで決めてから、契約します」
例えば、ドラムなど振動をともなう楽器の場合は、振動が伝わらないよう防音室そのものを浮かせるような構造にしたりといった工事が必要なのだそう。
工事終了後には実際の防音性能を計測検査するため、専門の音響会社のノウハウが必要になる、ということです。
しかし、換気扇から音がもれやすくなるため、防音室専用のものを採用しつつ、空気を通すダクトにも防音材を巻き付けるなどの処置が必要です」
防音室を含めた動線計画や専門業者による防音室の工事が入ることで、工期も2週間ほどプラスになるそうです。換気の他に気を付けるべきポイントはあるのでしょうか?
「気を付けるべきというわけではないのですが、当然ながら防音室の中には外の音は聞こえません。玄関のチャイムが鳴ったり、ご家族が呼んでいるときも気付きにくいため、照明と連動させて分かるようにしたことがあります」
「内装の仕上げはスタイル工房がおこなうので、ある程度好きなデザインにすることができますよ!クロスが基本であるものの、アクセントクロスや柄クロスなどは選べます。
音がメインの空間なのでシンプルに仕上げる方が多いですが、ヨーロッパで訪れた音楽室をイメージして、壁にレンガを用いた重厚なデザインにされたお客様もいらっしゃいました」
こちらがレンガの防音室。壁には吸音パネルも取り付けています。(※一戸建ての事例です)
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_n69.html
ふたりで過ごすリビングはゆったり、使いやすいレイアウトに。
防音室はセオリー通り玄関側につくり、グランドピアノを入れました。
窓ももちろん防音仕様で、明るい光と白くシンプルな内装が気持ちのいい空間です。
廊下に細長いFIX窓をつくり、音漏れを防ぎつつ防音室の閉鎖感を払拭。
廊下をはさんだ夫の書斎にも室内窓を設けているため、お互いの気配がなんとなく感じられます。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_y70.html
もともと賃貸でお住まいだったマンションを買い取り、リノベーションした例です。
15年間住んで日々感じていた「こうだったらいいのにな」を実現しました。
防音室はこちら、玄関入ってすぐのスペース。
洋室と廊下で挟むような位置で防音はさらに万全に。
入り口はガラスで広めにとって、演奏している様子が分かるようにしました。
お子さまが4人のご家族ということで、LDにも階下への生活音を防ぐ防音床を採用しています。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_n71.html
お話を伺ったのは・・・
チーフプランナー 於保 誠之
一級建築士、スタイル工房チーフプランナー。
マンション・戸建て共に数多くのリノベーションに携わってきた。機能美、住まう人の日々の暮らしやすさ、そして将来も踏まえた心地よさを追求。
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目次
- マンションの防音室はどこにつくる?どうやってつくる?
- マンションに防音室をつくる時に気を付けるべきポイントってあるの?
- わが家の防音室、好きな内装デザインにすることはできる?
- マンション防音室事例①|グランドピアノと窓のある明るい防音室
- マンション防音室事例②|リビングにも防音床をプラスして万全に
- まとめ
マンションの防音室はどこにつくる?どうやってつくる?
「音がもれにくく演奏に集中できる場所を選び、専門業者が施工します」
スペースの限られたマンションの間取り。防音室は専有部分のどこにつくればよいのでしょうか。「セオリーとしては、玄関側につくることが多いですね。LDKが家族が集まって生活する場所だとしたら、そこからは少し離して独立している方が演奏に集中しやすいので」
例えば、玄関入ってリビングに向かうまでの廊下の途中や、共用廊下側だと近隣への影響も少なく、おすすめだそう。施工はスタイル工房が手がけるのでしょうか?
「防音の程度にもよりますが、防音検査が必要な本格的なものは音響専門の業者に依頼します。演奏したい楽器によっても仕様が変わるので、どれくらいの防音を求めるかを打合せで決めてから、契約します」
例えば、ドラムなど振動をともなう楽器の場合は、振動が伝わらないよう防音室そのものを浮かせるような構造にしたりといった工事が必要なのだそう。
工事終了後には実際の防音性能を計測検査するため、専門の音響会社のノウハウが必要になる、ということです。
マンションに防音室をつくる時に気を付けるべきポイントってあるの?
「換気計画をきちんとすることと、工期が伸びるのでご注意を」
「まずは換気計画をきちんと行うことが大前提です。防音室は気密性がとても高いので、換気扇を設置して計画的に換気することになります。しかし、換気扇から音がもれやすくなるため、防音室専用のものを採用しつつ、空気を通すダクトにも防音材を巻き付けるなどの処置が必要です」
防音室を含めた動線計画や専門業者による防音室の工事が入ることで、工期も2週間ほどプラスになるそうです。換気の他に気を付けるべきポイントはあるのでしょうか?
「気を付けるべきというわけではないのですが、当然ながら防音室の中には外の音は聞こえません。玄関のチャイムが鳴ったり、ご家族が呼んでいるときも気付きにくいため、照明と連動させて分かるようにしたことがあります」
わが家の防音室、好きな内装デザインにすることはできる?
「多少は制約がありますが、仕上げ材は選べますよ!」
防音室は、リノベーションの他の部分の工事があらかた終わった段階で、専門業者さんが入って防音室を施工するのだそう。内装の仕上げも専門業者さんがするのでしょうか?「内装の仕上げはスタイル工房がおこなうので、ある程度好きなデザインにすることができますよ!クロスが基本であるものの、アクセントクロスや柄クロスなどは選べます。
音がメインの空間なのでシンプルに仕上げる方が多いですが、ヨーロッパで訪れた音楽室をイメージして、壁にレンガを用いた重厚なデザインにされたお客様もいらっしゃいました」
こちらがレンガの防音室。壁には吸音パネルも取り付けています。(※一戸建ての事例です)
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_n69.html
マンション防音室事例①|グランドピアノと窓のある明るい防音室
【中古マンション購入|築15年|リノベ面積 約60㎡】
中古マンションを購入し、ピアノのための防音室をつくったご夫婦のおうちです。ふたりで過ごすリビングはゆったり、使いやすいレイアウトに。
防音室はセオリー通り玄関側につくり、グランドピアノを入れました。
窓ももちろん防音仕様で、明るい光と白くシンプルな内装が気持ちのいい空間です。
廊下に細長いFIX窓をつくり、音漏れを防ぎつつ防音室の閉鎖感を払拭。
廊下をはさんだ夫の書斎にも室内窓を設けているため、お互いの気配がなんとなく感じられます。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_y70.html
マンション防音室事例②|リビングにも防音床をプラスして万全に
【中古マンション購入|築24年|リノベ面積 約65㎡】
もともと賃貸でお住まいだったマンションを買い取り、リノベーションした例です。
15年間住んで日々感じていた「こうだったらいいのにな」を実現しました。
防音室はこちら、玄関入ってすぐのスペース。
洋室と廊下で挟むような位置で防音はさらに万全に。
入り口はガラスで広めにとって、演奏している様子が分かるようにしました。
お子さまが4人のご家族ということで、LDにも階下への生活音を防ぐ防音床を採用しています。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_n71.html