【プランナー監修】リフォームで二重窓にするには?メリットや工期、費用を知りたい!
2024年8月20日(火)
住まいの断熱性能を高める方法のひとつとして注目されている窓のリフォーム。熱の出入りが大きい窓のサッシやガラスを交換したり、内窓を付けることでぐんと快適な住まいになります。なかでも人気の高い二重窓について、メリットや工事のポイントなどをスタイル工房の阿部プランナーに聞いてきました。
チーフプランナー 阿部 高明
二級建築士、インテリアプランナー、二級建築施工管理技士
お客様の希望の暮らしを丁寧に確認しながら、長年の経験、知識を生かして一歩先の提案を提供。
暮らしの変化に伴って再度リノベーションするお客様、住み替えのお客様からのリピート依頼も多数。
「もう寒くてしょうがないのでなんとかしてください!といらっしゃる方が多いですね。あとは結露がひどいという方も。窓から熱が逃げず、窓のそばが冷たくならないので、寒さや結露の問題は二重窓でだいたい解決します」
冬は約6割、夏は約7割の熱が、窓をはじめとした開口部から出入りしてしまうのだそう※。二重窓は断熱や結露の解消だけでなく、防音効果もあるため、賑やかなエリアに建つおうちにも有効です。でも、窓が2枚になるのはなんだか面倒な気もしてしまうのですが・・・。
「確かに、すぐに開けたいときなどは2回開ける動作をする必要があります。頻繁に開け閉めする窓には向かないかもしれませんね。そのため、あまり開けないマンションの北側共用廊下側の窓などにオススメです
なるほど!場所によって窓の種類なども選ぶことができるのでしょうか?
「普及している単板ガラスや断熱性能の高い複層ガラス、Low-E膜をコーティングしてさらに性能を向上させたLow-Eガラスなどが選べますよ。北側だけ特に性能の高いものにするなど、場所に応じて使い分けています」
※開口部からの熱の出入りは、どの位あるのですか?|(一社)日本建材・住宅設備産業協会
https://www.kensankyo.org/syoene/qanda/mado/a_9.html
「内窓の設置は工事のいちばん最後の段階になります。特殊なケースを除けば一か所あたり1時間くらいで設置できるので、二重窓が理由で工期が伸びることはありませんよ!」
気になるのが費用面です。窓の性能やサッシのグレードにもよりますが、一般的な二重窓リフォームの費用は以下の通りだそう。
小窓・・・材料費2.5万円+工賃1.4万円=3.9万円~
腰高窓・・・材料費3.3万円+工賃1.4万円=4.7万円~
掃き出し窓・・・材料費7万円+工賃1.8万円=7.8万円~
「二重窓はすべてオーダーメイドなので、工賃は現場での作業によっても変わります。築年数が古いと元の窓にゆがみや反りがある場合も。先ほどの『特殊なケース』ですね。
また、窓枠の奥行幅が足りず、物理的に内窓が入らないこともあります。だいたい7cmくらい欲しいのですが、ない場合は内側に枠を付け足すなどの作業が必要になります」
費用についてはあくまでケースバイケースなので、一概には言えないようです。
「カーテンやブラインドの取り付け位置が変わることがあります。また、内側についているタイプの網戸や網戸を手前に引くタイプのものは、網戸を撤去しないと内窓が付けられません。場合によっては二重窓をあきらめ、別の方法を提案することも」
また、内窓の設置自体は工事の最後ですが、リフォームの最初に現地調査をして、窓のサイズや取り付け方法を決めた上でサッシを作り始めることになります。それまでかかる時間はだいたい1カ月程度。
そのため、二重窓を付けるか付けないかは早めに検討して、と阿部プランナー。
「ただし、後から設置することはできるので、もしリノベーションの予算が足りないときなどは二次工事にしても。助成金などの申請期間も加味しつつ、ふさわしいタイミングを選んでください」とのことでした。
窓自体は写真ではなかなか分かりづらいのですが、見えない住み心地も大幅にアップしています。
新築時からお住まいのマンションで、5人家族が快適に住むためにリフォームしたおうちです。
普段はリビングの一部としても使える子ども部屋など、フレキシブルな間取りがリフォームのポイント。
ところでこちらのおうち、写真からも分かる通り窓が多め。
LDKだけでも窓が3か所あるのは、マンションではかなり恵まれた環境といえるかもしれません。
3方角部屋ということで、他の個室の全ての窓にも内窓を取り付けて、住み心地も大幅に改善しました。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_t113.html
続いては戸建ての例をご紹介します。
鉄骨ALC工法で建てられたおうちで、やはり窓が多いつくりとなっています。
シンプルなホテルのような空間という希望に合わせて、モノトーンの内装に一新。
内窓も白いサッシのものを選び、インテリアに馴染むように配慮しました。
窓もLow-Eガラスのものを選び、新生活で初めて迎えた冬をとても快適に過ごしたそうです。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_s115.html
一例:補助金利用を相談できる事業者の検索(先進的窓リノベ2024事業)
https://jutaku-shoene2024.mlit.go.jp/search-for-manufacturer/
チーフプランナー 阿部 高明
二級建築士、インテリアプランナー、二級建築施工管理技士
お客様の希望の暮らしを丁寧に確認しながら、長年の経験、知識を生かして一歩先の提案を提供。
暮らしの変化に伴って再度リノベーションするお客様、住み替えのお客様からのリピート依頼も多数。
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目次
- 二重窓リフォームって?メリット・デメリットは?
- 二重窓で工期はどうなる?費用はいくらぐらい?
- 二重窓へのリフォームで、気をつけたいポイントは?
- 事例①|新築から住んだマンションをもっと快適に
- 事例②|3階建ての全てのフロアに二重窓を設置!
- まとめ
二重窓リフォームって?メリット・デメリットは?
「名前の通り、内窓を付けて二重にした窓です!」
最近、リフォーム・リノベ事例でもよく見かける二重窓。どんな人が設置しているのでしょうか?「もう寒くてしょうがないのでなんとかしてください!といらっしゃる方が多いですね。あとは結露がひどいという方も。窓から熱が逃げず、窓のそばが冷たくならないので、寒さや結露の問題は二重窓でだいたい解決します」
冬は約6割、夏は約7割の熱が、窓をはじめとした開口部から出入りしてしまうのだそう※。二重窓は断熱や結露の解消だけでなく、防音効果もあるため、賑やかなエリアに建つおうちにも有効です。でも、窓が2枚になるのはなんだか面倒な気もしてしまうのですが・・・。
「確かに、すぐに開けたいときなどは2回開ける動作をする必要があります。頻繁に開け閉めする窓には向かないかもしれませんね。そのため、あまり開けないマンションの北側共用廊下側の窓などにオススメです
なるほど!場所によって窓の種類なども選ぶことができるのでしょうか?
「普及している単板ガラスや断熱性能の高い複層ガラス、Low-E膜をコーティングしてさらに性能を向上させたLow-Eガラスなどが選べますよ。北側だけ特に性能の高いものにするなど、場所に応じて使い分けています」
※開口部からの熱の出入りは、どの位あるのですか?|(一社)日本建材・住宅設備産業協会
https://www.kensankyo.org/syoene/qanda/mado/a_9.html
二重窓で工期はどうなる?費用はいくらぐらい?
「窓の状態やグレードにもよりますが、腰高窓で5万円程度から」
ところで、二重窓をつけるのは工事のどのタイミングなのでしょうか?二重窓を付けると工期も長くなってしまうのですか?「内窓の設置は工事のいちばん最後の段階になります。特殊なケースを除けば一か所あたり1時間くらいで設置できるので、二重窓が理由で工期が伸びることはありませんよ!」
気になるのが費用面です。窓の性能やサッシのグレードにもよりますが、一般的な二重窓リフォームの費用は以下の通りだそう。
小窓・・・材料費2.5万円+工賃1.4万円=3.9万円~
腰高窓・・・材料費3.3万円+工賃1.4万円=4.7万円~
掃き出し窓・・・材料費7万円+工賃1.8万円=7.8万円~
「二重窓はすべてオーダーメイドなので、工賃は現場での作業によっても変わります。築年数が古いと元の窓にゆがみや反りがある場合も。先ほどの『特殊なケース』ですね。
また、窓枠の奥行幅が足りず、物理的に内窓が入らないこともあります。だいたい7cmくらい欲しいのですが、ない場合は内側に枠を付け足すなどの作業が必要になります」
費用についてはあくまでケースバイケースなので、一概には言えないようです。
二重窓へのリフォームで、気をつけたいポイントは?
「窓まわりの現地調査が必要なので、早目のご検討を」
二重窓リフォームで覚えておきたいことや、注意するべきポイントはあるのでしょうか。「カーテンやブラインドの取り付け位置が変わることがあります。また、内側についているタイプの網戸や網戸を手前に引くタイプのものは、網戸を撤去しないと内窓が付けられません。場合によっては二重窓をあきらめ、別の方法を提案することも」
また、内窓の設置自体は工事の最後ですが、リフォームの最初に現地調査をして、窓のサイズや取り付け方法を決めた上でサッシを作り始めることになります。それまでかかる時間はだいたい1カ月程度。
そのため、二重窓を付けるか付けないかは早めに検討して、と阿部プランナー。
「ただし、後から設置することはできるので、もしリノベーションの予算が足りないときなどは二次工事にしても。助成金などの申請期間も加味しつつ、ふさわしいタイミングを選んでください」とのことでした。
事例①|新築から住んだマンションをもっと快適に
それではここからは、実際に二重窓リフォームをした事例をご紹介します。窓自体は写真ではなかなか分かりづらいのですが、見えない住み心地も大幅にアップしています。
【マンション|築18年|リフォーム面積 約61㎡】
新築時からお住まいのマンションで、5人家族が快適に住むためにリフォームしたおうちです。
普段はリビングの一部としても使える子ども部屋など、フレキシブルな間取りがリフォームのポイント。
ところでこちらのおうち、写真からも分かる通り窓が多め。
LDKだけでも窓が3か所あるのは、マンションではかなり恵まれた環境といえるかもしれません。
3方角部屋ということで、他の個室の全ての窓にも内窓を取り付けて、住み心地も大幅に改善しました。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_t113.html
事例②|3階建ての全てのフロアに二重窓を設置!
【戸建て|築22年|リフォーム面積 約115㎡】
続いては戸建ての例をご紹介します。
鉄骨ALC工法で建てられたおうちで、やはり窓が多いつくりとなっています。
シンプルなホテルのような空間という希望に合わせて、モノトーンの内装に一新。
内窓も白いサッシのものを選び、インテリアに馴染むように配慮しました。
窓もLow-Eガラスのものを選び、新生活で初めて迎えた冬をとても快適に過ごしたそうです。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_s115.html
まとめ
窓リフォームの助成金については、国の補助事業がいくつかと、地方自治体によるものも。財源が違う場合は併用できるため、できるだけ使っておトクにリフォームしたいですね。助成金を使ったリフォームはあらかじめ登録したリフォーム会社でないと申請ができないことが多いので、確認が必要です。助成金のWEBサイトなどで事業者検索ができます。一例:補助金利用を相談できる事業者の検索(先進的窓リノベ2024事業)
https://jutaku-shoene2024.mlit.go.jp/search-for-manufacturer/