Vol.3 いよいよスタート!18戸フルスケルトンリノベ(前編)
リノベーションのリアルな現場をお伝えする「リノベ密着レポ」。
第7弾はなんと独身寮1棟まるごと!
個人のお家の施工実績は豊富なスタイル工房ですが、いったいなぜこのような依頼が?
打合せからプランニングや工事…個人宅をつくり上げるのとはどう違ったのでしょうか?
前回のプランニングから、いよいよ工事がスタート!現場での様子や、実際にどのように進めていったかなどをお話していただきました。
前回の記事はこちら↓
<Vol.2 プランナーに聞く「リノベで叶えたかったコト」>
工事のリミットを約3ヶ月後に、まずは解体開始
来年度の新入社員を迎える独身寮ということで、3月下旬までには終わらせなければならない工事。
入居されていた社員さんの引越しも終わり、いよいよ工事がスタートしました。
まずは壁や床材、水回りの設備等すべてを撤去する作業。
これまでも解体して初めて判明した問題について触れてきましたが、解体前は配水パイプがどこに入っているかも分からない状態でした。
実際開けてみると、配管の場所がお部屋によってまちまちだったのです。
また、前回もお伝えした通り、ふさがれていない開口部がいくつも見つかりました。
予定外の修繕工事の数々…それでも納期を遅らせることはできません。
解体後には実寸を測り、天井や壁の位置にしるしをつけていく「墨出し」という作業。
実際は建物に歪みがあったりと、なかなか図面通りにはいきません。
設計も一緒に確認しながら、実寸をベースに最適な寸法を決めていきます。
工事部総動員で、荷揚げ作業!
次はいよいよ壁や床を作る木工事。
その材料となる建材を搬入しなければなりません。
18部屋分の建材はさすがに膨大な量で、この日は工事部総動員で荷揚げを行いました。
トラックで搬入する様子
3フロアあるので、リレー形式に荷物をパスしながら、どんどん運んでいきます。
搬入された建材は、それぞれ使用する部屋の前へ。
工期が短いため、3フロア同時に工事を進める作戦なのです!
木工事、配管、設備とそれぞれの職人さんが力を発揮
「墨出し」でつけたしるしに合わせて、まずは大工さんが壁や天井を作っていきます。
床を作る前に設備の配管を敷設。
大工工事と同時進行で給排水設備と電気工事が進行します。
水の配管(水色のホース)、お湯の配管(赤いホース)を設置。灰色の太い配管は、下水配管
木工事の最初の段階で、ユニットバスも設置されました。
お風呂は住宅設備の中で最も大きいので、壁や床が作られる前に設置する必要があるのです。
ユニットバスの取り付けは、専門の職人さんが1日1台ペースで浴槽を設置します。
間髪入れず、大工さんが壁下地を組み、扉の枠をつくりドアを取り付けて…。
壁下地が組まれたところ(左)とユニットバスのドアが設置されたところ(右)
まさしく様々な職人さんの技術の競演です!
これらを、作業同士が重ならないように、かつムダな日程が生まれないよう進めていかなければなりません。
それを各フロア同時進行で行うのです。
大規模な建築の経験も豊富な工事部・大石を中心に、工事部のチーム力が試される工事でした。
床・壁を作って、ようやくお部屋らしく
お風呂の設置が完了したら、床・壁を作っていきます。
今回のリノベーションの大きな課題のひとつは防音でした。
そのため、床は下階への防音にも配慮し、LL40の置き床工法で施工しました。
LL40とは、JISで定められた遮音等級をあらわす数値で、LL35~70までの数字が小さいほど遮音効果が高く、日本建築学会の基準では「特級」とされる数値。
また、置き床工法も床への衝撃を緩和して階下に音が伝わりにくくするメリットがあります。
床の次はいよいよ壁!…と、壁を石膏ボードでふさいでしまう前に電気配線工事をしなければなりません。
コンセントや照明の位置に合わせて配線をし、コンセントやスイッチボックスを設置していきます。
電気配線工事の様子
配線工事が終わったら、いよいよ壁の石膏ボード貼りです。
だんだんお部屋らしくなってきましたね!
工事もいよいよ佳境に入ってきました。
後半は外観、内装工事の様子から、完成までをご紹介します。
※写真は同一の部屋のものではありません