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不動産のプロが物件の探し方を伝授!価格高騰中でも、理想の物件を手に入れたい

2025年02月10日(月)

ここ10年ほど、上がり続けている物件価格。新築はもちろん、中古でさえも「こんなに高いの!?」と驚くほどです。もはやよっぽどのセレブでもない限り、家を持つことはあきらめた方がいいのでしょうか?・・・ちょっと待って!自身も中古マンションを購入し、リノベーションを叶えた不動産のプロに、物件探しのポイントや探し方のコツを聞いてきました。

お話を伺ったのは・・・

株式会社サムタイムズ 代表取締役 足立 淳
スタイル工房 ワンストップリノベーション物件探しのパートナー
「中古を買ってリノベ」最初に知っておきたい基礎知識講座/講師

人々がもっと自由に、自分のライフスタイルに合った住まいを選択し、実現できる世界をつくる。
自身でも築35年のヴィンテージマンションの購入とリノベーションを経験。

 

物件価格って、実際どれくらい上がっているの?

10年前なら、都心のタワーマンションが買えたのに(涙)

高騰といっても実際どれくらい上がっているのか、家探しを始めたばかりの方にはピンとこないかもしれません。たとえば、東京近郊でファミリータイプ、60〜70㎡程度の中古マンションを買いたい!と思った場合。5〜10年前なら3,500〜4,000万円の予算があれば十分に条件の良い物件を選ぶことができました。

しかし今では、少なくとも5,000〜6,000万円の予算がないと、なかなか条件の良い物件が出てこないといった状況です・・・。中古物件はリフォームが必要になるケースも多いので、その費用や物件購入時の諸費用も考えると6,000〜7,000万円程度の予算が必要に。これは、10年前であれば都心の新築タワーマンションが買えるくらいの予算です。

どれくらいの家が買える?世帯年収600万円の場合
世帯年収が600万円ある方の場合、どれくらいの物件が買えるのかをシミュレーションしてみましょう。住宅ローンは年収の7〜8倍程度まで借りられることが多いため、MAX4,800万円くらいまでなら審査が通る可能性が高くなります。

4,800万円を金利0.4%・35年間・元利均等方式で住宅ローンを組んだ場合、毎月の返済額は122,491円。返済負担率(年収のうちのローン返済額の割合)は25%以内が安全に返済し続けられる目安といわれていますが、年収600万円であれば返済負担率は24.4%。ぎりぎり無理なく返済ができる程度の借入というイメージです。

仮に自己資金が500万円あったとすれば、住宅に割ける総予算は5,300万円。総予算5,300万円で物件価格+諸費用+リフォーム費用をまかなうため、予算配分のイメージは大まかに物件4,400万円+諸費用400万円+リフォーム500万円程度といったところでしょうか。

希望エリアにもよりますが、4,400万円以内で条件の良いファミリータイプの物件を探すとなると、今はなかなか難しいのが現状です。さらに、リフォームにこだわりたいならそれ以上の予算が必要となります。

そんなに上がっているなら、今は買わない方がいいの?

いずれ購入するなら、早い方がトータルのコスパは高い

予算内で良い物件がないなら、物件価格が下がるまで賃貸のままで待つしかないかな?と思われる方も多いでしょう。もちろん住まいを購入するタイミングは人それぞれなので、ご自身にとって都合の良いタイミングで購入するのが一番です。

しかし、賃貸にも家賃がかかります。毎月払っている家賃は1円も資産にならない、ただの「コスト」。仮に毎月15万円の家賃を支払っているとすると、1年間で180万円、5年間だと900万円のコストが発生していることになります。

物件価格はこれから下がるかもしれません。しかしだからといって毎年約200万円ずつ相場が下がっていき、5年後に日本の不動産価格が900万円以上下がっている可能性は考えづらいのではないでしょうか。そのため、いずれ家を買うなら早い方がコストパフォーマンスは高くなると思われます。

ひとつ覚えておきたいのは、物件の価格が高騰しているといっても、上昇しているのはあくまで物件価格の『平均値』であるということ。すべての物件の価格が一律に高騰しているということではありません。このような状況でも比較的条件が良くて、周辺相場に比べて割安な物件は少なからず存在するのです。

掘り出し物の探し方!まずは優先順位を決めることから

ただがむしゃらに物件を探して、手当たり次第に内見しても、予算内で自分の希望に合った物件に出会うことはできません。まずは落ち着いて、以下の5つの条件(+前提)について見直してみましょう。なんとなく決めた条件で物件探しをしている方は要注意です。

00|(前提)100点満点の物件は存在しないことを認識する

まずは前提として「自分の希望の条件をすべて満たすような100点満点の物件は存在しない」ということを認識する必要があります。

住まいは人生で最も高い買い物。どうしても理想的な物件を追い求めてしまいがちですが、そのような物件に出合える可能性は極めて低いといえます。どんな物件でも、少なからず何らかの欠点があります。

自分が住まいに対して求める条件をいちど全部羅列して、それぞれの優先順位や、それぞれの条件においてどこまでであれば許容できるのかを明確にしてみましょう。判断基準がはっきりすると、いざ良い物件が目の前に出てきた時に、購入するか否かを迷わずに判断できるようになります。

01|予算を上げる

予算が大きくなれば当然、条件の良い物件に出会える可能性も高くなりますが、単に背伸びをして予算をUPしましょうということではありません。

「予算は “なんとなく” ○万円くらいかな」とざっくりとしたイメージで決められている方が多いのですが、その予算設定が間違っている(ズレている)ことが多々あるのです。

たとえば、年収が高くて安定したお仕事に就いているのに、予算設定が保守的すぎるというようなケースです。可能であれば、住宅分野に強いファイナンシャルプランナーに相談し、将来の収入と支出のシミュレーションをした上で、無理なく返済できる住宅ローンの借入額を計算してみましょう。意外と無理なく予算を増やせる可能性はあります。

もちろん、住まいにどれくらいのお金をかけるかの価値観は人それぞれ。しかし、なんとなく設定した予算で色々なポイントを妥協して、結果的に住み心地が悪く資産価値の維持しづらい物件を選んでしまっては、元も子もありません。

02|エリアを広げる・変える

エリアについても予算と同様「なんとなくこの辺がいいかな」とイメージで決めてしまっている方が多いのが現状です。

もちろん、住み慣れたエリアにそのまま住みたい、住んでみたい街があるという気持ちも大切です。しかし希望のエリアで予算内で条件の良い物件がまったく見つからないような場合は、エリアを広げたり、変えてみることも検討してみましょう。

逆に「場所はどこでも良いんです」という方もいらっしゃいますが、それはそれで選択肢が無限に出てくるため、選びきれなくなってしまいます。ポータルサイトで検索した時に検索結果が100件、多くとも300件ほどに収まる範囲まで絞ると選びやすいでしょう。

意外と行ったことのないようなエリアでも、自分の好みの雰囲気に近かったり、通勤利便性が高いということがあります。気になるエリアがあれば物件の相場を確認した上で、お休みの日などに色々と散策してみると、街の雰囲気も分かるのでオススメです。

インターネット等でもエリアの評判や利便性の情報は簡単に収集できます。自分の実現したい暮らしを叶えられそうなエリアが希望エリア以外にないか、じっくりと時間をかけて検討してみましょう。

03|駅からの距離を緩める

多くの方が、最寄駅から徒歩「5分以内」や「10分以内」という条件で物件を探します。「最寄駅から徒歩10分を超えたら資産価値は維持できないんですよね?」と聞かれることもよくあります。

もちろん駅近物件を希望している方は多く、駅から近ければ近いほど購入検討者は多くなります。しかし駅から徒歩13分や15分以上かかる物件が、将来全く売れなくなってしまうなんてことは考えられません。

駅からの距離が遠くなればなるほど、物件の価格はどんどん下がります。そのため予算内で「駅からの距離以外の条件」が良好な物件に出会える可能性は高くなるのです。「将来売る時は高く売りづらいかもしれないけど、そのぶん買う時は安く買える」と考えてみましょう。

最寄駅からのルートに急な坂道や階段があったり、夜道が暗くて危険というような懸念点がなければ、駅からの距離はこだわりすぎずに、少し遠めの物件も含めて探してみるとよいでしょう。

04|広さを少し我慢する

「㎡単価」や「坪単価」という言葉があるように、物件の床面積も、物件価格に大きく影響してくる要素。広ければ広いほど、価格は高くなります

最初から80㎡以上や100㎡以上などの広い物件だけに絞ってしまうと、そもそも物件数が少なくなり、予算内で良い物件に出会える可能性は大きく下がります。

少し前までは、都市部のファミリー向け物件は70㎡以上が当たり前と考えられてきましたが、今の主流は60㎡台。もしマンションで3LDKの間取りがつくりたければ、最低限65㎡程度あれば可能です。そのため、物件探しを始める段階では、希望よりも少し狭めの面積で探してみることをおすすめします。

家族全員がひとつ屋根の下で生活する期間は、そこまで長くないかもしれません。子供が独立したら夫婦ふたり暮らし。将来そうなった時のことも視野に入れてみましょう。

また、間取りの形によっても広く感じる物件とそうでない物件があります。たとえば横幅の広い「ワイドスパン」と呼ばれる物件や、「角部屋」のお部屋。廊下の面積が小さく済むぶん、細長い間取りのお部屋よりも広さを感じやすいのです。

少し狭い物件でも、壁を減らしたり天井高を上げたりと、リノベーションの工夫次第で広々と感じる快適な住空間を作ることは可能です。

 

05|築古の物件も検討する

新築マンションや築年数の浅いマンションでは、共用部にオートロックや宅配ボックスなどの設備があったり、ゲストルームやキッズルーム、ジムなどがある物件が多くなります。

専有部分でも、ディスポーザー(生ゴミ処理機)や床暖房が付いていたり、窓のサッシが高性能なペアガラスになっているような物件もあって、とても魅力的です。ただ、当然ながら築年数が浅ければ浅いほど、物件価格はどんどん高くなります。

築年数が古い物件でも、内装はリノベーションして自分の好みに変えることができます。壁に断熱材を入れたり、窓を二重サッシにすれば断熱性能を上げることだって可能。最初から「築10年以内」などと条件を絞り込みすぎないようにしましょう。

とくに1980年代後半〜1990年代のバブル期に建てられたマンションは、お金をかけて建てられているものも多く、建物の品質が良い物件が存在するので実はオススメです。

それでも妥協するべきではないポイントもあるので注意

ここまで、「自分が許容できる範囲で条件を緩めることで、良い物件に出合える可能性が上がる」ということをお伝えしてきました。しかし、緩めるべきではない条件もあります。

マンション・戸建て共通|旧耐震基準は避けるのが無難

たとえば1970年代などに建てられた、いわゆる「旧耐震基準」時代に建てられた物件は、耐震強度への不安がある、住宅ローンが通りづらい、住宅ローン控除等の制度が使えないなどの懸念点が多くなります。基本的には避けた方がよいでしょう。

マンションの場合|総戸数と管理状況をチェック

総戸数、つまり一棟のマンションに何世帯住んでいるかは必ずチェックしましょう。総戸数5戸や10戸など規模の小さい物件は価格が安いことがありますが、どうしても管理費や修繕積立金が高額になりがちです。なかには、適切なメンテナンス等の管理がうまく回らなくなってしまうリスクのある物件も。

総戸数は「多ければ多いほど安心」と一概にはいえませんが、できれば50世帯程度、少なくとも30世帯以上の規模がある物件が望ましいです。

戸建の場合|極端に安い物件は違法建築の可能性も
中古戸建てには、法律を守って建てられていないような違反建築物件が一定数存在しています。そのような物件は価格は安いのですが、住宅ローンが組みづらかったり、資産価値が維持しづらくなってしまうリスクがあるため、注意が必要です。

違反建築物件はポータルサイト等にも普通に掲載されていますし、なかには物件情報欄に違反建築であることが明記されていない物件も!相場に比べて安すぎる物件は、大体そのような瑕疵があるとみてよいでしょう。

また、戸建ての場合は「土地が建築基準法上の道路にちゃんと接しているか」「容積率や建蔽率は守られているか」なども確認する必要があります。中古戸建てはチェックすべきポイントが多いため、以下をご参照ください。

https://www.stylekoubou.com/blog/fudousan/243339/

条件の見直しができたら「忍耐力」と「スピード」勝負

見直した条件は現実的?ポータルサイトで確認してみよう

前項のようなポイントをしっかりと見直すことで、自分の予算内で希望の条件に合う物件に出会える可能性は格段に高まります。条件の見直しができたらいちど、その条件を不動産ポータルサイトに入力して、検索してみましょう。

「ちょっと惜しいけど、そこそこ良い感じの物件がありそう」という気配を感じることができれば、条件の見直しは成功です。逆に「該当物件が全然ヒットしない・・・」という場合は、もう少し条件を調整してみましょう。

あとは、条件に合致する物件が売りに出てくるのを粘り強く待つのみ!ここからは「忍耐力」と「スピード」が重要になってきます。

条件に合いそうな物件が出てきたらすかさず内見をして、「いいかも!」と思えるような物件であれば、落ち着いてしっかりと懸念点が無いことが確認し、あとは思い切って申し込みましょう。懸念点がないかどうかは、信頼できる不動産会社の担当者にしっかりチェックしてもらうことが大切です。

まとめ

「なかなか予算内で良い物件に出会えない」と悩んでいる方は、一度立ち止まって希望の条件を整理してみましょう。先入観に囚われて、なんとなく「予算は○万円以内」「駅からは10分以内」「ファミリーだから○㎡以上」「築浅希望」・・・などと、最初から条件を絞り込みてはいませんか?

「本当に自分の価値観にフィットしているのがどういう条件なのか」を見つめ直すことで、きっと良い物件に出会うことができるはずです。

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