憧れのタワマンにもメリット・デメリットがある⁉不動産のプロに聞いてきた!
大きな窓から夜景が見えて、芸能人や有名人が住んでいる……そんなキラキラしたイメージが強い「タワーマンション」。都会や富の象徴のようにいわれることもあり、いつかは住みたい!と憧れている方も多いかもしれません。そんなタワーマンションの魅力と残念な点について、自身もタワーマンションに10年間ほど住んだ経験をもつ不動産のプロに聞いてきました。
お話を伺ったのは・・・
株式会社サムタイムズ 代表取締役 足立 淳
スタイル工房 ワンストップリノベーション物件探しのパートナー
「中古を買ってリノベ」最初に知っておきたい基礎知識講座/講師
人々がもっと自由に、自分のライフスタイルに合った住まいを選択し、実現できる世界をつくる。
自身でも築35年のヴィンテージマンションの購入とリノベーションを経験。
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目次
- タワマンのメリット◆眺望と採光通風はタワマン最大の強み!
- タワマンのメリット◆セキュリティ性が高く共用設備も充実
- タワマンのメリット◆世帯数が多いからこその良い点も
- タワマンのデメリット◇外に出るまでに数分かかることも
- タワマンのデメリット◇地震が来たら、やっぱり怖い…
- タワマンのデメリット◇内廊下や高層階ならではの弱点が
- まとめ
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タワマンのメリット◆眺望と採光通風はタワマン最大の強み!
お部屋の窓から絶景が望めるのは最大のメリット
こちらは、実際に足立さんが住んでいた部屋から見た日の出。赤く染まる空、ビルの向こうには東京湾まで見渡すことができます。家からこんな絶景が望めるなんて、やっぱりタワーマンションってうらやましいと思ってしまいますよね。
マンションのロケーションにもよりますが、上層階ほど眺望は抜けます。都心のビル群を一望できたり、富士山が望める物件も。誰の目線も気にせずに、毎日素晴らしい景色を見ながら生活できるのはとても魅力的です。
また、日差しや風をさえぎる建物がないため、日当たりと風通しが良いのもポイントです。とくに高層階は風が強いので、夏場などは窓を開けるだけでかなり涼しくなります。物件によっては、低層のマンションに比べるとエアコンを使う頻度は少なくてすむかもしれません。
タワマンのメリット◆セキュリティ性が高く共用設備も充実
オートロックや監視カメラで住民以外は侵入しづらい
タワーマンションはセキュリティがしっかりしている物件が多いため、防犯面で安心して住むことができます。たとえばオートロックが二重になっていたり、監視カメラがたくさん設置されていたり、警備員さんが24時間常駐しているような物件も。
エレベーターも専用のカードキーをかざさないとボタンが押せなかったり、玄関の扉もセキュリティシステムと連動していて、無理やり開けようとすると警報が鳴る仕組みになっていたり。住民以外が侵入するのはかなり難しいでしょう。
さらに、規模が大きいタワーマンションならではの設備も充実しています。両親が来た時に泊まれるようなゲストルームやジム、キッズルームなどがあることも。コンシェルジュがいるマンションも多く、クリーニングの取り継ぎサービスや宅急便の依頼などができて、とても便利です。
タワマンのメリット◆世帯数が多いからこその良い点も
イベントやキッズルームで住民同士の交流が生まれる
新築時には30代の子育て世代が購入するケースが多いため、マンションで開催されるイベントや、キッズルーム等で住民同士の交流があります。
マンションにもよりますが、お正月には餅つき大会、夏休みには縁日などが開催されることも。新たなコミュニティがたくさん生まれ、同世代の家族友だちがたくさんできます。30代や40代になると、だんだん新しい友人をつくるのも難しくなってくるため、このようなつながりはとても貴重といえます。
逆に、人付き合いが苦手な方も、世帯数が多い方が居住者間のコミュニケーションの濃度は密になりにくいため、暮らしやすいかもしれません。
タワマンのデメリット◇外に出るまでに数分かかることも
ちょっと散歩にいったり、ポストを見るのもひと苦労
セキュリティ性の高さや建物の規模といったメリットも裏を返せば、「すぐに地上に出られない」というデメリットとなります。部屋の玄関から長い廊下を歩いて、なかなか来ないエレベーターを待って、エレベーターに数十秒間乗って……と、外に出るのにだいたい2〜3分ほどはかかります。
ちょっと散歩や買い物に行くにも、マンションの外に出るのが面倒なため、人によってはそれが暮らしの閉塞感につながるかもしれません。集合ポストや宅配ボックスを見に行くだけでも時間がかかるのは、暮らしていくうえでそれなりのストレスといえるでしょう。
さらに、時間帯によってはエレベーターがなかなか来ないことも。とくに朝の通勤・通学時間帯はエレベーターが混み合います。かさばるランドセルを背負った小学生でエレベーターがいっぱいになってしまい、何台も見送るといったこともよくあります。
いざエレベーターに乗れたとしても各階で停まってしまい、1階にたどり着くのにかなり時間がかかってしまうため、余裕をもって家を出なければいけません。
タワマンのデメリット◇地震が来たら、やっぱり怖い…
高層階では震度2でも「けっこう揺れた?」と感じる
マンションの耐震構造には免震や耐震、制震など、さまざまな種類があります。どんな構造であっても、タワーマンションは震度3ほどの地震になるとそれなりの揺れを感じます。
基本的には上層階ほど揺れの周期は大きくなり、ゆっくりぐわんぐわんと揺れる感覚です。タワーマンションに住んでいると「これは結構揺れてるな」と感じる地震でも、テレビをつけて地震速報を確認すると「震度2」といったこともよくあります。
制震構造のマンションでは、揺れている最中は部屋の壁の中に入っているボードが擦れて「ギィ…ギィ…ギィ…」と、まるで船の中に居るような音が鳴ります。大丈夫だと分かっていても、不安な気持ちになりますよね。
大きめの地震が来ると警報システムが作動し、夜中であっても「大きな揺れが来ます!身の安全を確保してください」という自動アナウンスががインターホンから流れて、驚いて起きることもあります。
タワマンのデメリット◇内廊下や高層階ならではの弱点が
匂いが気になったり、換気しづらい物件も
多くのタワーマンションでは、共用廊下がホテルのような内廊下になっています。高級感があってステキですが、窓がないことが多いので、廊下に面したお部屋は暗くなってしまいがちです。さらに、室内の空気を効率よく換気することが難しいことも。
また、雨の日などに内廊下のカーペットが濡れたり汚れたりすることで嫌な匂いがしたり、匂いがこもってしまうことがあります。カーペットだけではなく、別の部屋の芳香剤やお香などの独特な匂いや、タバコの煙、お料理の匂いなどが内廊下に漂い続けるということも。毎日のことなので、意外と気になる方も多いのではないでしょうか。
さらに、こちらもメリットの裏返しになるのですが、上層階は特に風が強く、強風の日は窓を開けることができません。複数の部屋の窓を開けると、ものすごい勢いの風が部屋の中に吹き荒れ、危険を感じるかもしれません。
一方で、構造によってはリビングにバルコニーが面しておらず窓が開けられない、もしくは転落するリスクから少しだけしか開けられない物件も多くあります。特に西向きの部屋は西陽が直接奥の方まで入ってきて、暑くても窓を開けることができず、エアコンをつけてもなかなか涼しくならないといった声もよく聞きます。
まとめ
タワーマンションには良い点もたくさんある反面、住みづらい面もあります。タワーマンションの購入を検討されている方は、メリットとデメリットをしっかりと把握した上で購入するようにしましょう。
タワーマンションでもお部屋内部のリノベーションは可能ですが、エレベーターを使用する時間帯に制約があるなど建材の運搬には注意が必要です。
さらに、タワーマンションに限らず、マンションの規約で動かせない配管や使える建材に制限があることも。リノベーションに関わるマンションの規約は、物件購入の前に必ず確認しておくようにしましょう。
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