床がカーペットのマンションってどうなの?魅力やリフォームのポイントについて知りたい!
中古物件を探していると出合うことがある、床がカーペット敷きのマンション。「フローリング派だから、リフォームでフローリングに変えたい」という方も多いかもしれません。しかしマンションによっては、床材を変えられない場合があることをご存知でしょうか。また、カーペットの床にも魅力がたくさんあります。自身も床がカーペットのマンションで暮らす不動産のプロに聞いてきました。
お話を伺ったのは・・・
株式会社サムタイムズ 代表取締役 足立 淳
スタイル工房 ワンストップリノベーション物件探しのパートナー
「中古を買ってリノベ」最初に知っておきたい基礎知識講座/講師
人々がもっと自由に、自分のライフスタイルに合った住まいを選択し、実現できる世界をつくる。
自身でも築35年のヴィンテージマンションの購入とリノベーションを経験。
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目次
- 床がカーペットのマンション、実は昔は多かった?
- カーペットからフローリングにリフォームできる?
- マンションの床がカーペット、その魅力① 足に心地いい、柔らかい感触
- マンションの床がカーペット、その魅力② 吸音性が高く、転んでも安心
- マンションの床がカーペット、その魅力③ デザインバリエーションが豊富
- まとめ
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床がカーペットのマンション、実は昔は多かった?
いつのまにかフローリングが主流になったけど……
いま、日本の住まいの多くはフローリング敷きになっています。なぜこんなにもフローリングが普及したのか?については、以下のような理由が考えられます。
・カーペットに対してネガティブな印象を持つ方が多い
・フローリングの方が施工クレームになりにくい
・フローリングの物件の方が売りやすい&貸しやすい
実際に住まい探しをお手伝いしているお客様のほとんどが、カーペット敷きの中古マンションは避けたいとおっしゃいます。あまり清潔ではないイメージがあったり、デザイン的にも古臭いと思われているのかもしれません。
しかし実は、築年数が30年を超えるようなマンションでは、新築当時から床がカーペットというマンションもたくさん存在しています。高級なマンションであればあるほどカーペット敷きの物件が多く、いわゆる「ヴィンテージマンション」と呼ばれるような物件は、多くがカーペット敷きなのです。
よくあるフローリングの住まい
カーペットからフローリングにリフォームできる?
規約で変えられないか、できても難しいケースも
「物件自体は気に入っているので、購入後にカーペットの床をフローリングに変えたい」という方はたくさんいらっしゃいます。しかし、中古物件にはたまに「フローリングNG」のマンションがあります。新築当時から床がカーペット敷きで、管理規約上もフローリングへの張り替えが禁止されているマンションです。
また、マンションの管理規約で「フローリングへの変更を認める」となっていても、実際に変えるとなると難しいケースも。例えば、床材を変えることで既存の建具(ドアなど)が使えなくなってしまったり、床全体の高さを上げるような大規模な工事が必要になり、リフォーム費用が大きく膨らんでしまうような場合です。
「でも、カーペットの住まいには魅力がたくさんあります!」と足立さん。自身が購入した中古マンションも1987年築の物件で、もともと床はカーペット敷きだったそう。管理規約でフローリングへの変更は禁止ではなかったものの「迷わずカーペットを選んだ」という理由を詳しく聞いてみました。
足立さんが自宅を購入した時の内装と、カーペットを剥がしたところ
マンションの床がカーペット、その魅力① 足に心地いい、柔らかい感触
冬もヒンヤリせず、裸足で踏んでもふんわり
選ぶカーペットの素材や品質にもよるものの、フローリングしか知らない人が暮らしてみると、カーペットの床は驚くほどの気持ちよさ。
寝室に採用すると、朝起きてベッドから降りた一歩目がふんわり優しく、サイザルなど表面に凹凸があって硬めの質感のものを選ぶと、足裏がほどよく刺激されるマッサージ効果も期待できます。
柔らかい床は長時間立っていても疲れにくいため、足腰が悪い方や年配の方にもオススメです。そういえばホテルの客室はほとんどがカーペット敷き。くつろぎの演出やおもてなしの空間にも、柔らかいカーペットが選ばれていることが分かります。
特に寝室をカーペットにするのは、とてもおすすめ!
マンションの床がカーペット、その魅力② 吸音性が高く、転んでも安心
元気なお子さまや、ペットのいるおうちにも
集合住宅ではどうしても歩く音が響いてしまい、階下に気をつかうことも多いもの。しかしカーペットはフローリングよりも音を吸収する性能が高いため、歩行音やものを落とした時の衝撃音が伝わりにくいという特長があります。
すぐに走り回ってしまう元気なお子さまのいるご家庭も、音が響きにくいため、下の人に迷惑をかけにくくなります。また、滑らず転びにくいこと、もし転んでも柔らかいため大きなケガになりにくいことも大きなメリットです。
さらに、カーペットのお部屋ではホコリが空気中に舞いにくいという効果も。フローリングのお部屋では、床に落ちたホコリは人が歩くとまた空気中に舞い上がりますが、カーペットは床に留めておいてくれます。
カーペットのホコリを除くために定期的に掃除機をかけていれば、空気環境はキレイに保たれやすくなります。抜け毛が気になるペットのいるおうちにもいいですね。
汚れたり、ダニなどが発生しそうで心配、という声もありますが、防水機能や防ダニ・抗菌機能のあるものを選ぶこともできます。
寝室と廊下の床。まるでホテルのようです
マンションの床がカーペット、その魅力③ デザインバリエーションが豊富
色も柄も思いのまま。部屋によって分けるのも楽しい
中古物件を買って、自分の好きなようにリフォームして……と夢が広がりますが、カーペットの床は、望み通りのインテリアを実現するのにもぴったりです。バリエーションが豊富で、デザインの自由度がフローリングよりさらに高いのです。
もちろんフローリングでも様々な商品が出ていますし、好きな色に塗装することもできます。しかし、柄まで表現するとなるとカーペットにはかないません。
さらに、カーペットの魅力①で少し触れたサイザルのほか、ウールや化繊、それぞれの織り合わせなどで硬さや感触、機能のバリエーションもたくさん。部屋によって使い分けたりと、空間のゾーニングも得意です。
モダンなインテリアとも相性◎。黒い建具との組み合わせがカッコいい足立邸
まとめ
カーペットにも多くのメリットがあることを分かっていただけたのではないでしょうか。実際に、マンションの規約が理由でカーペットにしたお客様も「最初はフローリングにできなくてガッカリしたけど、住んでみるとすごく快適!」という方がとても多いのです。
注意点としては、あまりに安価なカーペットだと前述したような効果が期待できない可能性がありますので、カーペットを選ぶ場合は、必ず素材・肌触りを確認しましょう。
また、カーペットのリノベーション案件は多くないので、リフォーム会社によっては慣れておらず、適切な施工ができない会社も。カーペットの施工実績が豊富なリフォーム会社に依頼するようにしましょう。
スタイル工房のホームページにも、床がカーペットのマンション事例を多く掲載しています。インテリアテイストもさまざまで、「カーペットってこんなに素敵なんだ!」と感じていただけると思います。ぜひご覧ください。
カーペットの事例
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_e06.html
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_t62.html
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_m30.html
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_t40.html
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_k24.html