リノベでも、新築同然の気密・断熱性は可能? 〜O様邸 Vol.1〜
2023年8月1日(火)
リノベーションのリアルな現場をお伝えする「リノベ密着レポ」。今回は、間取りやデザインはもちろん、気密性と断熱性にこだわったO様邸のリノベーションをご紹介します。気密・断熱性を求めた理由は?建て替えではなく、リノベーションでそれらを叶えたのはどうしてだったのでしょうか?
まずはリノベーションのきっかけと当初のご要望について、O様夫妻にお聞きしました。
◆リノベでも、新築同然の気密・断熱性は可能? 〜O様邸Vol.1〜
◆リノベーションに向けたO様の想い、プランナーの想い 〜O様邸Vol.2〜
◆初めての試み、いざ気密検査を実施! 〜O様邸Vol.3〜
◆暖かく快適なわが家で、これからも楽しく末永く 〜O様邸Vol.4〜
――こちらのおうちは、O様のご実家なのですね。
夫●父が建てた家です。当時小学生で、始めて自分だけの部屋が持てるということで、ワクワクした気持ちを覚えています。当時は、鉄骨ALC造も一般の家では珍しく、父のこだわりだったようです。両親も亡くなり、兄も姉も家を出たことで、私が引き継ぎました。
妻●結婚後、私もここで一緒に住み始めたのですが、2年ほど前でしょうか。水道検針員の方から「漏水しているのでは?」と指摘をいただいて・・・。
夫●そういえば、2015年頃も一度トイレが水浸しになったことがあったんです。電灯が点かなくなった部屋も出てきて断線を疑ったり、キッチンや廊下の床がフカフカと浮いたようになっていたのも気になりだして。
妻●コロナ禍で、私の仕事がテレワークになったタイミングでもありました。家にいる時間が増えたこともあって、この際、住環境をいろいろ見直したいと思い、リノベーションについて夫婦で話し始めました。遠くない将来、母とここで同居する話も出ていたため、ヒートショックとバリアフリー対策も必要だと思ったんです。
リノベーション前。ゆったりとしたL字型の、当時としては贅沢なキッチン
――リノベーション会社は、どのように探されたのですか?
夫●ホームページなどでいいなと思った10社ほどに問合せしました。でも、ある大手ハウスメーカーには「自社で施工した家しかリノベーションはやってない」と断られたり、ひどいところは返事も来なかったり。
妻●結局、反応の良かった4社にプランと見積もりを出していただきました。
――そのなかで、スタイル工房の印象はいかがでしたか。
夫●まず、ホームページに掲載されている事例が豊富で、ひんぱんに更新されていることから、地道にやっている会社なのだなと感じました。適合R住宅※の基準も満たしていて、安心感もありましたね。
妻●自然素材の家って、似たようなデザインになりがちなのかな?と思っていたところ、スタイル工房のホームページの事例は全て違う。住む人に寄り添ってつくっていることと、アイデアというか、引き出しの多さを感じましたね。
夫●実際に高円寺リノベーションギャラリーに伺って、外観と内部のギャップに驚きました。リノベでここまでできるんだ!と期待値が上がりました。
O夫妻が訪れた「高円寺リノベーションギャラリー」。断熱工事も施しているので、居心地も◎
妻●また、会社内の上下関係に関係なく、意見を出し合って家づくりを進める姿がいいなって。チームワークがよくて、ここなら安心できる、と思いました。
夫●リノベーション会社とのやりとりなどは私が主にしていたのですが、スタイル工房だけは、妻がノリノリで(笑)。親類や知人の家づくりで、奥さんが納得していないまま進めると後から不満が出てくるのも見ていたので、妻が気に入っていることは重視しよう、と。
※ 適合R(リノベーション)住宅:(一社)リノベーション協議会が定める統一基準に基づく検査・工事・報告・履歴・保証が揃った「優良なリノベーション」が施された物件のこと
――リノベーションにあたって、希望されたことはどんなことでしたか。
夫●まずは、気密性と断熱性能を上げることです。夏は2階が暑く、冬は1階が寒い。どこからかすき間風も感じる。それらを何とかしたいということで、具体的には断熱等級6、気密測定値はC値1以下※を希望しました。冬場でも室内が暖かければ、薄着で過ごせて、悩まされていた肩こりも軽減されるので。
リノベーション前も広いO邸。しかし部屋が分断され、どこからかすき間風が…
妻●私も母との同居に備えて、ヒートショック対策は重要だと考えていました。性能に関しては、夫ほど具体的ではなかったのですが、暖かい家ならかさばる寝具の収納なども要らないのでいいなぁ、と。
夫●でも、リノベーションでそこまでの気密・断熱性能にできます、という会社はなくて。「新築ならできますが」と鼻で笑われるような対応をされることさえありました。
※断熱等級6:国の省エネ住宅基準であるZEHを上回る断熱性能で、2022年10月に創生された等級
参照 国交省HP https://www.mlit.go.jp/common/001430097.pdf
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001520577.pdf
C値:延床面積÷建物の隙間の面積で気密性を現した数値。「㎠/㎡」で表される
――確かに、新築並みの性能ですね。リノベーションではなく、建て替えという選択肢はなかったのでしょうか?
夫●新築も検討はしましたが、建て替えるとどうしても小さい家になってしまう。同居予定の義母に気をつかわせない広さや、姉兄家族が泊まりに来た時に使ってもらえる部屋数は保ちたかったんです。
妻●求める気密・断熱性能を新築で実現するなら木造がいいけど、今の鉄骨造より耐震性は下がるとのことでした。耐震性を下げてまで建て替えを選ぶのはちょっとなぁ・・・って。
夫●耐震性能も、建築時に父がこだわった要素のひとつで、現状でもしっかり建てられている。建て替えとなれば取り壊し費用だけでも300~500万円かかることもあって、今のままリノベーションをした方が合理的だと考えました。
アールのドアなど随所にこだわりが。鉄骨造で、つくりもしっかりしたご実家だった
――なるほど!それでは、リノベーションでO様の求める気密・断熱性能が実現できるかどうかがポイントになってくるわけですね。
次回以降からは、リノベーションプランの提案や実際の工事についてなど、スタイル工房のスタッフにも密着。完成までの紆余曲折をレポートします。
【リノベーションDATA】
構造:重量鉄骨ALC造
延床面積:198㎡
築年数:37年
家族構成:ご夫婦+犬1匹、近いうち妻の母が同居予定
~vol.2につづく~
まずはリノベーションのきっかけと当初のご要望について、O様夫妻にお聞きしました。
◆リノベでも、新築同然の気密・断熱性は可能? 〜O様邸Vol.1〜
◆リノベーションに向けたO様の想い、プランナーの想い 〜O様邸Vol.2〜
◆初めての試み、いざ気密検査を実施! 〜O様邸Vol.3〜
◆暖かく快適なわが家で、これからも楽しく末永く 〜O様邸Vol.4〜
家づくりのきっかけは、老朽化への不安×コロナ禍でのテレワーク
――こちらのおうちは、O様のご実家なのですね。
夫●父が建てた家です。当時小学生で、始めて自分だけの部屋が持てるということで、ワクワクした気持ちを覚えています。当時は、鉄骨ALC造も一般の家では珍しく、父のこだわりだったようです。両親も亡くなり、兄も姉も家を出たことで、私が引き継ぎました。
妻●結婚後、私もここで一緒に住み始めたのですが、2年ほど前でしょうか。水道検針員の方から「漏水しているのでは?」と指摘をいただいて・・・。
夫●そういえば、2015年頃も一度トイレが水浸しになったことがあったんです。電灯が点かなくなった部屋も出てきて断線を疑ったり、キッチンや廊下の床がフカフカと浮いたようになっていたのも気になりだして。
妻●コロナ禍で、私の仕事がテレワークになったタイミングでもありました。家にいる時間が増えたこともあって、この際、住環境をいろいろ見直したいと思い、リノベーションについて夫婦で話し始めました。遠くない将来、母とここで同居する話も出ていたため、ヒートショックとバリアフリー対策も必要だと思ったんです。
リノベーション前。ゆったりとしたL字型の、当時としては贅沢なキッチン
スタイル工房の第一印象は「チームワークのいい会社」
――リノベーション会社は、どのように探されたのですか?
夫●ホームページなどでいいなと思った10社ほどに問合せしました。でも、ある大手ハウスメーカーには「自社で施工した家しかリノベーションはやってない」と断られたり、ひどいところは返事も来なかったり。
妻●結局、反応の良かった4社にプランと見積もりを出していただきました。
――そのなかで、スタイル工房の印象はいかがでしたか。
夫●まず、ホームページに掲載されている事例が豊富で、ひんぱんに更新されていることから、地道にやっている会社なのだなと感じました。適合R住宅※の基準も満たしていて、安心感もありましたね。
妻●自然素材の家って、似たようなデザインになりがちなのかな?と思っていたところ、スタイル工房のホームページの事例は全て違う。住む人に寄り添ってつくっていることと、アイデアというか、引き出しの多さを感じましたね。
夫●実際に高円寺リノベーションギャラリーに伺って、外観と内部のギャップに驚きました。リノベでここまでできるんだ!と期待値が上がりました。
O夫妻が訪れた「高円寺リノベーションギャラリー」。断熱工事も施しているので、居心地も◎
妻●また、会社内の上下関係に関係なく、意見を出し合って家づくりを進める姿がいいなって。チームワークがよくて、ここなら安心できる、と思いました。
夫●リノベーション会社とのやりとりなどは私が主にしていたのですが、スタイル工房だけは、妻がノリノリで(笑)。親類や知人の家づくりで、奥さんが納得していないまま進めると後から不満が出てくるのも見ていたので、妻が気に入っていることは重視しよう、と。
※ 適合R(リノベーション)住宅:(一社)リノベーション協議会が定める統一基準に基づく検査・工事・報告・履歴・保証が揃った「優良なリノベーション」が施された物件のこと
目指すは断熱等級6!ってリノベーションでそこまで可能?!
――リノベーションにあたって、希望されたことはどんなことでしたか。
夫●まずは、気密性と断熱性能を上げることです。夏は2階が暑く、冬は1階が寒い。どこからかすき間風も感じる。それらを何とかしたいということで、具体的には断熱等級6、気密測定値はC値1以下※を希望しました。冬場でも室内が暖かければ、薄着で過ごせて、悩まされていた肩こりも軽減されるので。
リノベーション前も広いO邸。しかし部屋が分断され、どこからかすき間風が…
妻●私も母との同居に備えて、ヒートショック対策は重要だと考えていました。性能に関しては、夫ほど具体的ではなかったのですが、暖かい家ならかさばる寝具の収納なども要らないのでいいなぁ、と。
夫●でも、リノベーションでそこまでの気密・断熱性能にできます、という会社はなくて。「新築ならできますが」と鼻で笑われるような対応をされることさえありました。
※断熱等級6:国の省エネ住宅基準であるZEHを上回る断熱性能で、2022年10月に創生された等級
参照 国交省HP https://www.mlit.go.jp/common/001430097.pdf
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001520577.pdf
C値:延床面積÷建物の隙間の面積で気密性を現した数値。「㎠/㎡」で表される
――確かに、新築並みの性能ですね。リノベーションではなく、建て替えという選択肢はなかったのでしょうか?
夫●新築も検討はしましたが、建て替えるとどうしても小さい家になってしまう。同居予定の義母に気をつかわせない広さや、姉兄家族が泊まりに来た時に使ってもらえる部屋数は保ちたかったんです。
妻●求める気密・断熱性能を新築で実現するなら木造がいいけど、今の鉄骨造より耐震性は下がるとのことでした。耐震性を下げてまで建て替えを選ぶのはちょっとなぁ・・・って。
夫●耐震性能も、建築時に父がこだわった要素のひとつで、現状でもしっかり建てられている。建て替えとなれば取り壊し費用だけでも300~500万円かかることもあって、今のままリノベーションをした方が合理的だと考えました。
アールのドアなど随所にこだわりが。鉄骨造で、つくりもしっかりしたご実家だった
――なるほど!それでは、リノベーションでO様の求める気密・断熱性能が実現できるかどうかがポイントになってくるわけですね。
次回以降からは、リノベーションプランの提案や実際の工事についてなど、スタイル工房のスタッフにも密着。完成までの紆余曲折をレポートします。
【リノベーションDATA】
構造:重量鉄骨ALC造
延床面積:198㎡
築年数:37年
家族構成:ご夫婦+犬1匹、近いうち妻の母が同居予定
~vol.2につづく~