近くにいる「安心」と「ほどよい距離感」を両立するには? 二世帯リノベ集
2017年5月23日(火)
最近増えているのが、夫婦のどちらかのご両親と同居する三世代同居。共働きの子育て世代にとって、両親との同居は子どもを見てもらえるというメリットもあります。また、親世代にとっても、子どもや孫が側にいるのは張り合いがあって嬉しいもの。二世帯住宅リノベーションで、それぞれの世帯にとって心地よい暮らしを手に入れたお家をご紹介します。
【玄関を共用に】「ただいまー」が言い合える距離
Sさんご夫婦が選んだのは、玄関を共有する二世帯リノベ。
引き戸を開ければ靴を履かずに行き来ができます。
1階には親世帯リビング。家で過ごす時間の長いご両親がこだわったのは、お家の明るさと開放感でした。
独立型だったキッチンはオープンにし、ダイニングの家族との会話も弾みます。
2階の子世帯リビングです。
共働きのおふたりのための、LDKから寝室、ウォークインクローゼット、洗面室とつながった家事動線のよいプランです。ウッドデッキも新設し、履き出し窓でリビングとつながります。
晴れた日は食事をしたり、アウトドアリビングとして使うことも。
リビングから直接プライベートスペースに。
平日は忙しくほとんどご両親と顔を合わせることはないそうですが、
週末には1階のリビングでご両親と食事を楽しんだり、メリハリのある同居生活を満喫されています。
(No.393 明るい日ざしがさしこむ、安心二世帯リフォーム)
【玄関を共用に】ご両親が暮らす実家をリノベ&同居
こちらもご両親が暮らすご実家をリノベーションされた例。
玄関を共用にし、1階を親世帯、階段をのぼれば子世帯です
仕切られていた廊下や個室は壁をなくし、間取りを新しく作り直しました。
生活に必要な水まわりと、広々としたLDKの空間に。
限られた空間を有効利用するため、部屋の大きさに合わせて収納力たっぷりのオリジナル家具を造作。
小屋裏は天井を上げてロフトとしてリビングに取り込みました。
スイス漆喰の壁は家族みんなで塗装したそう。
将来子ども部屋にする予定の2階南側の部屋は、お子さんが小さいうちはお母様の趣味の部屋として。
仲良し家族の新しい生活がスタートしました。
(No.175 楽しくコンパクトに2世帯で暮らすための家)
【キッチンのみ別々】限られたスペースも上手に活用
築20年の2階建て住宅に、ご両親と親子3人の二世帯で暮らしていたAさんご一家。
もうすぐ赤ちゃんが生まれることもあり、子世帯の居住スペースを作るため、リノベーションすることになりました。
細かく仕切られていた2階の和室、洋室、納戸は仕切りをなくして廊下を取り込み、ひとつの大空間に。
その中にキッチン、和室、子ども部屋を作りました。
和室はふだんはリビング・ダイニングとして、夜は建具で仕切って寝室として使っています。
リビングを分けることで、お子さんの幼稚園のお友だちがたくさん遊びに来ても、気兼ねなくおもてなしできます。
ご両親も1階でゆっくりと過ごせるようになりました。
(No.178 兼ねて兼ねて広く高く!)
【お風呂を共用に】子世帯はシャワーのみで空間を活用
続いては、4人でご実家の近くの賃貸マンションにお住まいだったご家族。
ほとんど使われていなかった実家の2階を、子世帯用の住居にリノベーションして、ご両親と同居することにしました。
個室が4部屋という間取りだった2階部分。
キッチンや洗面室など、子世帯用の水まわりとリビング、寝室や子ども部屋など、
4人家族が暮らすために必要な間取りを作り出しました。
天井をあけて出てきた梁はあえて見せ、開放的な空間を実現。
間仕切りをなくした部分には、新たにL字型の柱と梁を入れて強度を増しています。
長く安心して住むために、1階も含めた建物全体の耐震補強も実施しました。
洗面室とトイレのスペースは、一体化させることで圧迫感がなく広々。
子世帯はシャワーだけにして、ゆっくり湯船で温まりたいときは1階親世帯へ。
スペースをムダなく使うだけでなく、バスタイムを通して家族の交流が生まれます。
http://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_s48.html
(No.326 実家の2階が大変身 大好きなインテリアで楽しく住まう)
【吹抜けでつなげて】親世帯2階のバリアフリー住宅
階段の上り下りの負担から、1階が親世帯、2階が子世帯となることが多いですが、逆のパターンも。
階段に座ったまま移動できる昇降機を設置しました。
日当たりのよい2階に、親世帯のリビングと子ども部屋があります。
こちらは1階子世帯のリビング。
二世帯が一緒に過ごすときにも使うため、広々としたスペースにしました。
ソファ、チェア、畳コーナーと、家族が思い思いにくつろげるリビングです。
畳コーナーの床下は大容量の収納スペースになっています。
窓側は2階からの光を取り入れるために吹抜けに。
さらに2階の渡り廊下をFRPグレーチング(半透明の素材)にすることで、より多くの光が通ります。
玄関から2階の親世帯に向かう階段のほかに、リビングから直接2階の子ども部屋に行けるリビング階段も設けました。
(No.270 明るく元気に 楽しく暮らす二世帯住宅)
【完全分離型】もと子ども部屋を子世帯用に
こちらは玄関も別々の二世帯住宅。
ご両親が暮らしていた築17年の木造2階建ての実への同居リノベです。
今まで子ども部屋として使っていた2階部分を、子世帯用の居住スペースにリノベーションです。
子どもが小さいということもあり、気兼ねなく暮らせるよう玄関と水回りは分けることに。
親世帯玄関の隣に新しく子世帯用の玄関を新設。階段を上がるとLDKに直接つながります。
新設したウッドデッキと掃き出し窓から明るい光が差し込む2階子世帯のLDKです。
床はオーク無垢材にホワイトスプルースの塗装で白くさわやかに。
リビングの壁は一部石貼りで空間のアクセントとして。
圧迫感のあったロフトはなくして小屋裏収納を広げることで、解放感を出しています。
(No.243 みんなでお家に帰ろう!)
【同居型】リビング横にお母さまのお部屋を
もともとお母さまも一緒に同居していたUさん家族。
高齢のお母様のことを考え、これまで2階にあったお母様の部屋を、1階リビング隣の和室に移しました。
リビングの床はパイン無垢材。塗装でアンティークな雰囲気に仕上げました。
お母さまの部屋は畳を半畳の縁なしタイプに入れ替えました
壁はリビングと同じ珪藻土で仕上げ、居心地の良い住空間に。
押し入れの内部は一部をクロゼットに変えることで、使いやすくしています。
引き戸を閉めればプライバシーを守って休むこともできます。
建具はナラ無垢材をローズウッド色で塗装したオリジナルです。
(No.261 時間に洗練された物とゆっくり時間を過ごす家)
【4世代同居】玄関を共有にして広々と
築42年のご実家で暮らしていたご両親、おばあさまと同居することにしたFさん一家。
最初は建替えを検討されていましたが、条件的に難しいことからリノベーションすることに。
1階はご両親とおばあさまが使う親世帯に、以前は賃貸として使われていた2階は子世帯に。
4世代が同居するお家にリノベーションしました。
位置を変え、広々としたスペースを確保した共用玄関。
たたきは磁器タイル、玄関ドアの隣のルーバーのドアは玄関クロゼットです。
車イスや上着、季節ものの靴などがたっぷり収納できます。
天井までの高さの下足収納は、家族6人分の普段使いの靴を収納できるように造作しました。
キッチン、浴室は別々、玄関は共用。内階段でほどよくつながります。
築42年ということもあり、最初に耐震診断を実施。
基礎から柱や梁など全体の構造も補強しました。
窓はすべて複層ガラスに、壁にも断熱材を入れて住宅性能を高めることで、
これからも長く安心して快適に暮らせる住まいになりました。
(No.389 古い木造住宅を二世帯住宅として再生させる)
【マンションでも】将来の同居を見越しミニキッチンを
戸建てがほとんどの二世帯住宅ですが、マンションのこんな例も。
将来的には両親との同居も可能な住まいにリノベーションするために、中古マンションを購入したKさん夫妻。
選んだのは、玄関をはさんで左右で二世帯に分けて使える間取りの築31年のマンションでした。
こちらは子世帯のリビング。
床には猫ちゃんが滑りにくいコルクタイルを採用し、白でまとめてすっきりと明るい印象に。
天井には梁を入れてキャットウォークを。梁まで上ることができるよう、壁にはステップが。
TVの上の棚も階段状に配して、猫ちゃんが登れるようになっています。
建具は下部分にペットドアを組み込んだオリジナル。
猫ちゃんがとっても愛されているのが分かりますね。
玄関を入って右手にはご両親の生活スペース。
廊下と部屋の一部を使ってミニキッチンを設けました。
キッチンを通り抜けると、ご両親それぞれの寝室へとつながる間取りです。
床はご両親の希望で濃茶のコルクタイルにされたそうです。
(No.291 ネコたちと楽しく暮らすマンションライフ)
まとめ
家族のカタチが違うように、程よい距離も家族によってそれぞれ。同居する家族と、最初によく話し合って、共用部分を決めましょう。共通しているのは、スペースの有効活用。新たに水回りを設置する場合は特に、限られた空間を上手く使って、手狭に感じない工夫が必要です。2階の場合は、天井を開けるなど縦空間の開放感を利用するのもいいですね。
【玄関を共用に】「ただいまー」が言い合える距離
Sさんご夫婦が選んだのは、玄関を共有する二世帯リノベ。
引き戸を開ければ靴を履かずに行き来ができます。
1階には親世帯リビング。家で過ごす時間の長いご両親がこだわったのは、お家の明るさと開放感でした。
独立型だったキッチンはオープンにし、ダイニングの家族との会話も弾みます。
2階の子世帯リビングです。
共働きのおふたりのための、LDKから寝室、ウォークインクローゼット、洗面室とつながった家事動線のよいプランです。ウッドデッキも新設し、履き出し窓でリビングとつながります。
晴れた日は食事をしたり、アウトドアリビングとして使うことも。
リビングから直接プライベートスペースに。
平日は忙しくほとんどご両親と顔を合わせることはないそうですが、
週末には1階のリビングでご両親と食事を楽しんだり、メリハリのある同居生活を満喫されています。
(No.393 明るい日ざしがさしこむ、安心二世帯リフォーム)
【玄関を共用に】ご両親が暮らす実家をリノベ&同居
こちらもご両親が暮らすご実家をリノベーションされた例。
玄関を共用にし、1階を親世帯、階段をのぼれば子世帯です
仕切られていた廊下や個室は壁をなくし、間取りを新しく作り直しました。
生活に必要な水まわりと、広々としたLDKの空間に。
限られた空間を有効利用するため、部屋の大きさに合わせて収納力たっぷりのオリジナル家具を造作。
小屋裏は天井を上げてロフトとしてリビングに取り込みました。
スイス漆喰の壁は家族みんなで塗装したそう。
将来子ども部屋にする予定の2階南側の部屋は、お子さんが小さいうちはお母様の趣味の部屋として。
仲良し家族の新しい生活がスタートしました。
(No.175 楽しくコンパクトに2世帯で暮らすための家)
【キッチンのみ別々】限られたスペースも上手に活用
築20年の2階建て住宅に、ご両親と親子3人の二世帯で暮らしていたAさんご一家。
もうすぐ赤ちゃんが生まれることもあり、子世帯の居住スペースを作るため、リノベーションすることになりました。
細かく仕切られていた2階の和室、洋室、納戸は仕切りをなくして廊下を取り込み、ひとつの大空間に。
その中にキッチン、和室、子ども部屋を作りました。
和室はふだんはリビング・ダイニングとして、夜は建具で仕切って寝室として使っています。
リビングを分けることで、お子さんの幼稚園のお友だちがたくさん遊びに来ても、気兼ねなくおもてなしできます。
ご両親も1階でゆっくりと過ごせるようになりました。
(No.178 兼ねて兼ねて広く高く!)
【お風呂を共用に】子世帯はシャワーのみで空間を活用
続いては、4人でご実家の近くの賃貸マンションにお住まいだったご家族。
ほとんど使われていなかった実家の2階を、子世帯用の住居にリノベーションして、ご両親と同居することにしました。
個室が4部屋という間取りだった2階部分。
キッチンや洗面室など、子世帯用の水まわりとリビング、寝室や子ども部屋など、
4人家族が暮らすために必要な間取りを作り出しました。
天井をあけて出てきた梁はあえて見せ、開放的な空間を実現。
間仕切りをなくした部分には、新たにL字型の柱と梁を入れて強度を増しています。
長く安心して住むために、1階も含めた建物全体の耐震補強も実施しました。
洗面室とトイレのスペースは、一体化させることで圧迫感がなく広々。
子世帯はシャワーだけにして、ゆっくり湯船で温まりたいときは1階親世帯へ。
スペースをムダなく使うだけでなく、バスタイムを通して家族の交流が生まれます。
http://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_s48.html
(No.326 実家の2階が大変身 大好きなインテリアで楽しく住まう)
【吹抜けでつなげて】親世帯2階のバリアフリー住宅
階段の上り下りの負担から、1階が親世帯、2階が子世帯となることが多いですが、逆のパターンも。
階段に座ったまま移動できる昇降機を設置しました。
日当たりのよい2階に、親世帯のリビングと子ども部屋があります。
こちらは1階子世帯のリビング。
二世帯が一緒に過ごすときにも使うため、広々としたスペースにしました。
ソファ、チェア、畳コーナーと、家族が思い思いにくつろげるリビングです。
畳コーナーの床下は大容量の収納スペースになっています。
窓側は2階からの光を取り入れるために吹抜けに。
さらに2階の渡り廊下をFRPグレーチング(半透明の素材)にすることで、より多くの光が通ります。
玄関から2階の親世帯に向かう階段のほかに、リビングから直接2階の子ども部屋に行けるリビング階段も設けました。
(No.270 明るく元気に 楽しく暮らす二世帯住宅)
【完全分離型】もと子ども部屋を子世帯用に
こちらは玄関も別々の二世帯住宅。
ご両親が暮らしていた築17年の木造2階建ての実への同居リノベです。
今まで子ども部屋として使っていた2階部分を、子世帯用の居住スペースにリノベーションです。
子どもが小さいということもあり、気兼ねなく暮らせるよう玄関と水回りは分けることに。
親世帯玄関の隣に新しく子世帯用の玄関を新設。階段を上がるとLDKに直接つながります。
新設したウッドデッキと掃き出し窓から明るい光が差し込む2階子世帯のLDKです。
床はオーク無垢材にホワイトスプルースの塗装で白くさわやかに。
リビングの壁は一部石貼りで空間のアクセントとして。
圧迫感のあったロフトはなくして小屋裏収納を広げることで、解放感を出しています。
(No.243 みんなでお家に帰ろう!)
【同居型】リビング横にお母さまのお部屋を
もともとお母さまも一緒に同居していたUさん家族。
高齢のお母様のことを考え、これまで2階にあったお母様の部屋を、1階リビング隣の和室に移しました。
リビングの床はパイン無垢材。塗装でアンティークな雰囲気に仕上げました。
お母さまの部屋は畳を半畳の縁なしタイプに入れ替えました
壁はリビングと同じ珪藻土で仕上げ、居心地の良い住空間に。
押し入れの内部は一部をクロゼットに変えることで、使いやすくしています。
引き戸を閉めればプライバシーを守って休むこともできます。
建具はナラ無垢材をローズウッド色で塗装したオリジナルです。
(No.261 時間に洗練された物とゆっくり時間を過ごす家)
【4世代同居】玄関を共有にして広々と
築42年のご実家で暮らしていたご両親、おばあさまと同居することにしたFさん一家。
最初は建替えを検討されていましたが、条件的に難しいことからリノベーションすることに。
1階はご両親とおばあさまが使う親世帯に、以前は賃貸として使われていた2階は子世帯に。
4世代が同居するお家にリノベーションしました。
位置を変え、広々としたスペースを確保した共用玄関。
たたきは磁器タイル、玄関ドアの隣のルーバーのドアは玄関クロゼットです。
車イスや上着、季節ものの靴などがたっぷり収納できます。
天井までの高さの下足収納は、家族6人分の普段使いの靴を収納できるように造作しました。
キッチン、浴室は別々、玄関は共用。内階段でほどよくつながります。
築42年ということもあり、最初に耐震診断を実施。
基礎から柱や梁など全体の構造も補強しました。
窓はすべて複層ガラスに、壁にも断熱材を入れて住宅性能を高めることで、
これからも長く安心して快適に暮らせる住まいになりました。
(No.389 古い木造住宅を二世帯住宅として再生させる)
【マンションでも】将来の同居を見越しミニキッチンを
戸建てがほとんどの二世帯住宅ですが、マンションのこんな例も。
将来的には両親との同居も可能な住まいにリノベーションするために、中古マンションを購入したKさん夫妻。
選んだのは、玄関をはさんで左右で二世帯に分けて使える間取りの築31年のマンションでした。
こちらは子世帯のリビング。
床には猫ちゃんが滑りにくいコルクタイルを採用し、白でまとめてすっきりと明るい印象に。
天井には梁を入れてキャットウォークを。梁まで上ることができるよう、壁にはステップが。
TVの上の棚も階段状に配して、猫ちゃんが登れるようになっています。
建具は下部分にペットドアを組み込んだオリジナル。
猫ちゃんがとっても愛されているのが分かりますね。
玄関を入って右手にはご両親の生活スペース。
廊下と部屋の一部を使ってミニキッチンを設けました。
キッチンを通り抜けると、ご両親それぞれの寝室へとつながる間取りです。
床はご両親の希望で濃茶のコルクタイルにされたそうです。
(No.291 ネコたちと楽しく暮らすマンションライフ)
まとめ
家族のカタチが違うように、程よい距離も家族によってそれぞれ。同居する家族と、最初によく話し合って、共用部分を決めましょう。共通しているのは、スペースの有効活用。新たに水回りを設置する場合は特に、限られた空間を上手く使って、手狭に感じない工夫が必要です。2階の場合は、天井を開けるなど縦空間の開放感を利用するのもいいですね。