Vol.3 性能UP&エコな素材を提案した工事に密着!
2018年9月3日(月)
リノベーションのリアルな現場をお伝えする「リノベ密着レポ」。第8弾は、スタイル工房としては初めてのモデルルームができるまで。第3回目となる今回は、実際の工事の様子をご紹介。
社長が、プランナーが目指した空間が具体的にどのようにでき上がっていくのか?に密着しました。
まずは「快適さ」をつくり上げる工事
前回、プランナーの渡辺が目指したと話した「普遍的な家」。
そのための課題として、次のような現状がありました。
スタイル工房が考える住みやすさを実現するためには、内装やデザイン以前に構造自体の工事が必要です。
全体をむき出しのスケルトン状態に解体し、断熱材の吹き付けを行いました。
スケルトンにした状態(左)と断熱工事が終わった後(右)。床はコンクリートスラブ(床構造)がむき出しの状態
また、マンションリノベでは防音は外せないポイントです。
今回採用したのは、防音性能LL40の乾式二重床。
防音性能LL40は日本建築学会による遮音性能基準では「特級」とされるレベルです。
二重構造の床の下には給水管や排水管・電気配線が通り、防振コームのついた脚の上にパーチクルボード、合板。
さらに床暖房のパネルを敷き、床暖房対応のオークフローリングを貼っていきます。
床工事の様子(左)と床暖房パネル(右)。床暖房はお湯が循環する低温温水式を採用
工事の順番としては最後になりますが、インナーサッシを取り付けることで、さらに断熱と防音効果を高めました。
インナーサッシ取り付け作業(左)と取り付け後(右)
ウデの見せどころ、大工工事スタート!
貼り終えた無垢フローリングに養生を施したら、いよいよ大工工事です。
テーマは「あえて作り込まず、住みながらアレンジを加えていけるような」暮らし。
それを体現するキッチンは?ということで、家具職人とコラボしたシンプルな造作キッチンを採用しました。
もちろん各設備メーカーさんが工夫を凝らした既製品にもいい商品がたくさんあり、ショールームで見ることができます。
でも、スタイル工房のオリジナルキッチンを見ることができるのは、実際のリノベ例か、ここだけです。
オリジナルの良さを知ったうえで、「やっぱり作りたい!」と思うか、「既製品で十分かも」となるかは住む人次第。
知ったうえで選べる、ということが自由で素敵なリノベにつながると考えています。
まずはキッチンカウンターを設置。まだシンクなどのない、箱のような状態からスタートします
シンクを入れて、黒い人造大理石の天板を載せました。これから水栓、引き出しなどを付けていきます
家具職人さんの手で、どんどんつくり上げられていくキッチン。
オリジナルなので、形や大きさ、引き出しの数を変えたり、食洗器やオーブンを組み込むこともできます。
スタイル工房では、お料理中にリビングにいる家族とコミュニケーションがはかれる対面キッチンが一番人気。
ただし、コンロのみ壁向きにする2wayキッチンもじわじわと増えています。
迷ったときに、実際にシンクとガス台の距離や動きやすさを試していただけるよう、ここでは2wayを採用しました。
ちなみにモデルルーム内のソファやダイニングセットも同じ家具職人さんの手によるものです。
やはり空間に統一感が生まれますね。
完成したダイニングルーム(左)とリビングルーム(右)
お風呂は1400×1800サイズのものを設置。
これは、マンションではごく一般的な広さとなります。
バスルームのBefore(左)→After(右)。もともと在来工法でつくられていたものをユニット式にし、使い勝手を向上
お風呂の大きさは数字ではなかなかイメージしにくいもの。
洗面脱衣スペースとのつながりによって感じ方も変わりますので、ぜひ実際に確かめてください。
素材は定番と新素材を組み合わせて提案
工事もいよいよ仕上げ、ということで、仕上げに使った素材をご紹介します。
「本物の素材で、作り込まずに」とはいえモデルルームとしての役割を果たすためには、新しい使い方の提案も必要です。
モデルルームでは以下のように、定番の素材と、いま注目中の素材を組み合わせています。
たとえば、水まわりの仕上げ。
それぞれ正方形のタイルを使っていますが、洗面室は化粧台に「モールテックス」という左官材を塗装しました。
まるで打ち放しコンクリートのような無骨な質感が魅力のモールテックスは人気急上昇中の素材。
ほどよい男前感をプラスしてくれるため、キッチンカウンターに塗装する人も増えています。
トイレは表面にざらざらとした模様を付けたタイルを部分的に取り入れ、珪藻土と組み合わせています。
プランクトンの化石からできた珪藻土は、自然素材の壁材としては定番中の定番。
調湿効果・消臭効果が高いため、リビングはもちろん水まわり、ペットのニオイが気になるという方にもオススメです。
ここでは手洗いの水がはねやすい部分にのみ、タイルを使ってアクセントにしました。
珪藻土は室内の様々な壁で、鏝模様による仕上げの違いを比べられるようにしています。
洗面(左)とトイレ(右)。トイレは左右の壁で仕上げを変えている
また、新しい素材として、玄関を入ってすぐに目につくのが、木毛セメント板です。
木毛ボードを貼った玄関空間。ベンチはモールテックス(右)
もともと学校や工場などで使われていた丈夫な建材で、どこか懐かしく、無骨な味わいが魅力です。
倉庫風インテリアの流行に伴い、内装にも取り入れられるようになってきました。
ほかにも、素材を通してこんなエコな提案も。
LDの天井に採用された壁紙は「エッグウォール」と呼ばれるもの。
その名の通り卵の殻が材料のエッグウォールは珪藻土同様、調湿効果・消臭効果があるそう。
年間約20万トンが廃棄されているとも言われる卵殻を再利用したエコ資材です。
コルク栓の製造プロセスで出てくる端材を再利用した壁紙「リコルク」も採用。
コルクの断熱性、保温性、吸湿性、吸音性などをいかした透湿壁紙で、ざらりと素朴な陰影が楽しめます。
天井にエッグウォールを使用したLD(左)とリコルク(右)を貼った壁
これらの仕上げや細かいデザインには、スタイル工房の若手社員のこだわりも反映されています。
次号は最終回、若手社員に聞く「モデルルームで見せたいモノと、これからのスタイル工房」。
社内のお披露目会の様子も合わせてレポートします!
社長が、プランナーが目指した空間が具体的にどのようにでき上がっていくのか?に密着しました。
まずは「快適さ」をつくり上げる工事
前回、プランナーの渡辺が目指したと話した「普遍的な家」。
そのための課題として、次のような現状がありました。
- 築28年 62平米 2LDK
- 鉄骨造ALC版(気泡の入った軽量のコンクリート版を外壁に使った鉄骨造)
- 8階建ての3階の一室
- 3方角部屋で夏は暑く、冬は寒い
スタイル工房が考える住みやすさを実現するためには、内装やデザイン以前に構造自体の工事が必要です。
全体をむき出しのスケルトン状態に解体し、断熱材の吹き付けを行いました。
スケルトンにした状態(左)と断熱工事が終わった後(右)。床はコンクリートスラブ(床構造)がむき出しの状態
また、マンションリノベでは防音は外せないポイントです。
今回採用したのは、防音性能LL40の乾式二重床。
防音性能LL40は日本建築学会による遮音性能基準では「特級」とされるレベルです。
二重構造の床の下には給水管や排水管・電気配線が通り、防振コームのついた脚の上にパーチクルボード、合板。
さらに床暖房のパネルを敷き、床暖房対応のオークフローリングを貼っていきます。
床工事の様子(左)と床暖房パネル(右)。床暖房はお湯が循環する低温温水式を採用
工事の順番としては最後になりますが、インナーサッシを取り付けることで、さらに断熱と防音効果を高めました。
インナーサッシ取り付け作業(左)と取り付け後(右)
ウデの見せどころ、大工工事スタート!
貼り終えた無垢フローリングに養生を施したら、いよいよ大工工事です。
テーマは「あえて作り込まず、住みながらアレンジを加えていけるような」暮らし。
それを体現するキッチンは?ということで、家具職人とコラボしたシンプルな造作キッチンを採用しました。
もちろん各設備メーカーさんが工夫を凝らした既製品にもいい商品がたくさんあり、ショールームで見ることができます。
でも、スタイル工房のオリジナルキッチンを見ることができるのは、実際のリノベ例か、ここだけです。
オリジナルの良さを知ったうえで、「やっぱり作りたい!」と思うか、「既製品で十分かも」となるかは住む人次第。
知ったうえで選べる、ということが自由で素敵なリノベにつながると考えています。
まずはキッチンカウンターを設置。まだシンクなどのない、箱のような状態からスタートします
シンクを入れて、黒い人造大理石の天板を載せました。これから水栓、引き出しなどを付けていきます
家具職人さんの手で、どんどんつくり上げられていくキッチン。
オリジナルなので、形や大きさ、引き出しの数を変えたり、食洗器やオーブンを組み込むこともできます。
スタイル工房では、お料理中にリビングにいる家族とコミュニケーションがはかれる対面キッチンが一番人気。
ただし、コンロのみ壁向きにする2wayキッチンもじわじわと増えています。
迷ったときに、実際にシンクとガス台の距離や動きやすさを試していただけるよう、ここでは2wayを採用しました。
ちなみにモデルルーム内のソファやダイニングセットも同じ家具職人さんの手によるものです。
やはり空間に統一感が生まれますね。
完成したダイニングルーム(左)とリビングルーム(右)
お風呂は1400×1800サイズのものを設置。
これは、マンションではごく一般的な広さとなります。
バスルームのBefore(左)→After(右)。もともと在来工法でつくられていたものをユニット式にし、使い勝手を向上
お風呂の大きさは数字ではなかなかイメージしにくいもの。
洗面脱衣スペースとのつながりによって感じ方も変わりますので、ぜひ実際に確かめてください。
素材は定番と新素材を組み合わせて提案
工事もいよいよ仕上げ、ということで、仕上げに使った素材をご紹介します。
「本物の素材で、作り込まずに」とはいえモデルルームとしての役割を果たすためには、新しい使い方の提案も必要です。
モデルルームでは以下のように、定番の素材と、いま注目中の素材を組み合わせています。
たとえば、水まわりの仕上げ。
それぞれ正方形のタイルを使っていますが、洗面室は化粧台に「モールテックス」という左官材を塗装しました。
まるで打ち放しコンクリートのような無骨な質感が魅力のモールテックスは人気急上昇中の素材。
ほどよい男前感をプラスしてくれるため、キッチンカウンターに塗装する人も増えています。
トイレは表面にざらざらとした模様を付けたタイルを部分的に取り入れ、珪藻土と組み合わせています。
プランクトンの化石からできた珪藻土は、自然素材の壁材としては定番中の定番。
調湿効果・消臭効果が高いため、リビングはもちろん水まわり、ペットのニオイが気になるという方にもオススメです。
ここでは手洗いの水がはねやすい部分にのみ、タイルを使ってアクセントにしました。
珪藻土は室内の様々な壁で、鏝模様による仕上げの違いを比べられるようにしています。
洗面(左)とトイレ(右)。トイレは左右の壁で仕上げを変えている
また、新しい素材として、玄関を入ってすぐに目につくのが、木毛セメント板です。
木毛ボードを貼った玄関空間。ベンチはモールテックス(右)
もともと学校や工場などで使われていた丈夫な建材で、どこか懐かしく、無骨な味わいが魅力です。
倉庫風インテリアの流行に伴い、内装にも取り入れられるようになってきました。
ほかにも、素材を通してこんなエコな提案も。
LDの天井に採用された壁紙は「エッグウォール」と呼ばれるもの。
その名の通り卵の殻が材料のエッグウォールは珪藻土同様、調湿効果・消臭効果があるそう。
年間約20万トンが廃棄されているとも言われる卵殻を再利用したエコ資材です。
コルク栓の製造プロセスで出てくる端材を再利用した壁紙「リコルク」も採用。
コルクの断熱性、保温性、吸湿性、吸音性などをいかした透湿壁紙で、ざらりと素朴な陰影が楽しめます。
天井にエッグウォールを使用したLD(左)とリコルク(右)を貼った壁
これらの仕上げや細かいデザインには、スタイル工房の若手社員のこだわりも反映されています。
次号は最終回、若手社員に聞く「モデルルームで見せたいモノと、これからのスタイル工房」。
社内のお披露目会の様子も合わせてレポートします!