Vol.2 (後編) 施主であり大工でもある初めての体験、理想に向けて腕がなる

2019年5月31日(F)
住まいのプロ集団ならではの新築物件を紹介する「新築密着レポ」。今回はいつもスタイル工房で改修工事をしてくれている大工さんご自身の家づくり。奥さまのご実家を二世帯住宅に建て替えた実例です。前編に引き続きVol.2(後編)は家づくりの楽しさやご苦労をインタビューしてみました。

→「Vol.2 (前編) 施主であり大工でもある初めての体験、理想に向けて腕がなる」はこちら


新築密着レポート|大工がつくる大工の家|上棟


できないと言わないのが大工としてのモットーだけど
——他にご苦労されたところは?

K様●たくさんありましたが、勾配天井のシナベニア貼りかな。自分から「木をふんだんに使った大工らしい家がいい」と言っておきながら、これは大変だなと。最初は思わず「クロスに変更しましょう」と泣きを入れてしまって(笑)。すると、プランナーに言われました。「それでいいの、後で後悔しない? お客様の家なら、できないなんて言わないのに…」と。確かに、自分が大工じゃなくて一般の施主なら「難しくてもなんとかお願いします」と言うはず。施主の気持ちに立ち返り、思い直して貼りました。

新築密着レポート|大工がつくる大工の家|ステキだけど難しい勾配天井の板張り
▲ステキだけど難しい勾配天井の板張り。構造との接触点に手間暇がかかる。

LDKの工事中の様子
 

——ええと、素人にはその難しさがよくわからないのですが…

K様●実は、勾配天井ってクロスでも貼りにくいんです。だって、垂直な何もない壁にバーッと貼るようなわけにはいきませんから。重力に逆らって斜めの天井に向かい、梁や柱、火打ちを避けながら、隙間なく貼るのは大変。まして、今回貼ったシナベニアは厚みのある板なんです。当然、梁や柱、火打ちとぶつかる部分はその形に合わせて切らなければなりません。天井に当てながら切るわけにいかないので、事前に測ったり、縮小版をつくってシミュレーションしたりして、切るわけです。しかも、単純に切るのではなく、梁や柱、火打ちと接触する部分は、それぞれに合うように角度をつけて切らないと、キレイに収まらない。

——ははあ、斜めの天井に柱や梁、火打ちがいろいろな角度で接続しているから、それにぴったりの角度で切るわけですね。プロでも大変そう。

K様●いくらかわかっていただけましたか。他には、スキップフロアの廊下部分。ここは梁が四方から集まっていて、それだけでも組むのが難しいんです。それに、一番大きな梁は高さが60㎝もありますので見た目が重くなりすぎます。そこで軽く見せるために、厚みの違う梁を3段に組んで、真ん中の梁にクロスを貼るなど凝った仕上げに。これもなかなか大変でしたが、腕の見せ所でもあります。

新築密着レポート|大工がつくる大工の家|とても太い60㎝の梁を軽く見せる工夫
▲とても太い60㎝の梁を軽く見せる工夫。

——現場で楽しかったこと、うれしかったことも教えてください。

K様●やっぱり、木の香る家がだんだん形になっていくことがいちばん。それから、設計部や工事部、普段から一緒にやっている職人仲間とチームワークでいい仕事ができたことも。リビングからロフトに続く“互い違い階段”は手間のかかる仕事ですが、仲間の大工が心を込めてつくってくれました。そうそう、上棟式で餅を蒔いたこともいい思い出に。最近ではあまりやらないそうですが、よろこびを分け合ういい習慣だし、ご近所との交流を深める絶好の機会。子どもの幼稚園のお友だちもたくさん来てくれました。

新築密着レポート|大工がつくる大工の家|施主で大工のKさん(右)と大工仲間のOさん(左)新築密着レポート|大工がつくる大工の家|互い違い階段”
▲施主で大工のKさん(右)と大工仲間のOさん(左)。ロフトへの階段はOさんの造作


次回<Vol.3>はスタイル工房のスタッフから現場でのエピソードを聞いてみたいと思います。ご期待ください。


 
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