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vol.8(完) 最初は走り書きだったプラン!チーム一丸となってつくり上げた、「職住一体の家で始まる新しい暮らし」

2017年8月1日(火)
築33年のご実家を受け継ぎ、耐震等級を獲得しつつ、高断熱・創エネルギーの家を目指したH様邸のリノベーション。
リノベーションプランについて担当プランナーに、そして完成したお家に暮らすH様に、リノベの感想を伺って参りました。

◆ vol.1 世界を旅して思う。 「生まれ育った家をリノベして暮らす」ということ、「自然の循環の一部」ということ
◆ vol.2 ご両親の思いの詰まった家を、解体する。
◆ vol.3 耐震レベルと、贈与税の非課税措置
◆ vol.4 省エネ・創エネは、補助金を活用して賢く叶える! 断熱補助金編
◆ vol.5 思い出の食器棚と、暮らしを楽しむ窓。小さな工夫を積み重ねて
◆ vol.6 高台のロケーションを思いっきり楽しむ!ルーフバルコニー工事 いよいよ完工!
◆ vol.7『太陽光発電+蓄電池システム』で、安心&賢く、居心地のいい家に!


◆H様邸のプランニング秘話 現在のプランになるまで…
はじめてご相談に来て下さったときに、H様ご夫妻が最も悩まれていたのは、元々二世帯だった広すぎる家をどう使ったらよいか、ということ。通常、初めてのお打合せ時に、ある程度の間取りのイメージをしてから、現地調査に伺うのですが、お客様も「人が集まれる家にしたい。」というおぼろげな希望はあったものの、その場で具体的な方向性は決まらず、ご提案は現地調査後にということになりました。

実際のお家にお伺いすると、丘陵地を造成して、道路よりもさらに高い敷地にその建物はありました。中に入り、二階のもともと奥さまが使っていた子ども部屋の雨戸を開けると、遠くに山々の稜線を見渡せる、とても気持ちの良い風景が広がっていました。この時感じた清々しさから、「ここには絶対ルーフバルコニーを作りたい!」とプランナーは思ったそうです。

リフォーム・リノベーションの事例|密着レポ H様邸 初期プラン図1階リフォーム・リノベーションの事例|密着レポ H様邸 初期プラン図2階
初回プレゼンとしてご提案した案(A案 左:1階 右:2階)

初回のご提案は、1階に広いLDKとお仕事部屋、2階には大きな吹き抜けと個室やフリースペースを計画しました。「暗くて使いにくい間取りをなんとかしたい。窓の開け閉めをすることさえも億劫だったので、目が行き届くように、管理しやすい家にしたい。」と暮らしていたからこそ奥様が感じていた悩みを解消し、のびやかな雁行型の平面形を生かした、自己居住用として使い切るプランでした。

しかし、はじめてお会いした時に、だんな様が何気なくつぶやいた「正直、ここまでの広さはいらないのかもしれません…」という一言が気になっていたプランナー。お打ち合わせの際に、「実はこんなことも、できてしまうくらい広いお家ですよね…」と走り書きのままだった『ラフプランのB案』をお見せしたところ、それにH様ご夫婦は目を奪われたそうです。

リフォーム・リノベーションの事例|密着レポ H様邸 初期プランB案ラフ
プランナーが考えていた走り書きのB案

B案は、ご家族の住居スペースをすべて2階に持ってくるというプラン。Hさまはご自身では想像もしていなかったB案を見た瞬間に、このおうちでの新しい暮らしのイメージが一気に湧いてきたそうです。

H様が1階の使い方のご質問をされたので、プランナーは「仕事部屋は入り口のハナレに、1階は人が集まれる多目的スペースにして、お友達とかを招いては…?」と思いつくままに話し出したところ、その場で1階の平面形をスケッチしながらの打合せが始まり、一気に各部屋のゾーニングまで出来上がってしまいました。


◆家の一番良い場所を、家族が集まるLDKにするプラン!

リフォーム・リノベーションの事例|密着レポ H様邸 初期プランB案1階 リフォーム・リノベーションの事例|密着レポ H様邸 初期プランB案2階
H様邸の階段は、家の中心で日当たりが良く、庭や他の部屋が見渡せる一等地にありました。B案は、その階段を北側に移動して、家族の語らいの中心となるアイランドキッチンを一等地に配置し、リビングダイニングをつなげ、大きく窓を切り取り、さらにルーフバルコニーへつなげました。アイランドキッチンの正面の窓からはカネ折りになったところに配置された子供部屋の様子が見え、小さい頃、奥様がおばあさまとしていたように手を振りあうこともできます。

お父様が大事にしていたお庭には、ミカン、キンカン、柿…季節ごとに自然の恵みを感じられる果樹がたくさん植えられていました。どこにいてもお庭を眺められる雁行型の平面形を最大限に生かし、すべてのお部屋から四季の移り変わりを感じることができるプランです。

リフォーム・リノベーションの事例|密着レポ H様邸 LDKリフォーム・リノベーションの事例|密着レポ H様邸 リビングダイニング
(左)キッチンから、子ども部屋が見える。(右)テレビの後ろの窓は、ソファに掛け、シンボルツリーのしだれ桜を眺める窓。

リフォーム・リノベーションの事例|密着レポ H様邸 外構 畑
お父様が植えられた果樹とトマトやゴーヤなどの夏野菜が育てられている畑。

◆平面プランが決まり、始動した「スタイル工房 『チームH様邸』」!
プランが確定するとお打合せ、再度の現地調査、耐震調査、各段階の社内検査・・・と進んで行きます。H様と毎回お会いし進めていくのはプランナーとアシスタントプランナーですが、バックでは社内の設計部、積算部のスタッフも一緒にチームを組み、図面編集、見積もり編集をし、工事部に引き継ぐために作業をしていきます。

リフォーム・リノベーションの事例|密着レポ H様邸 打合せ風景
補助金と贈与税の非課税枠拡大のために新築の仕様に限りなく近づけることを目標に打合せと工事は進められました。耐震等級を獲得するための審査は検査機関の方も扱いなれていないのか、かなり難航し、さらに築33年の建物は漏水、蟻害、腐朽箇所の構造体、外壁下地のやりかえも見つかり、工程遅れを余儀なくされました。
それでも補助金の完了報告書期限までに、太陽光発電システムを稼動させ、全ての施工後の写真を揃え、報告書をまとめなければなりません。チーム一同、間に合わす事ができるかハラハラしたときもありましたが、そういう時こそ設計・施工全てを自社でやれるスタイル工房の本領発揮です。一週間毎に工程を組み直し、工事部と設計部は綿密にヌケモレがないかを打合せし、無事期限までに進めることができました。
 
実際の工事に関わる職人さんたちも、お互いを理解している仲間ですので、すき間のない工程の中、最後まで丁寧に仕事をしてくれました。


◆無事に完成!そしてご入居…。
「大きな家の活かし方 実家を受け継ぐ」ということ
元々が二世帯住宅で、広く大きなH様邸。1階は仲間が集い自由に使えるパブリックな場所になりました。ワークショップを開いたり、お友達に気軽に泊まりに来てもらったりできるよう、リビング・専用の寝室・キッチン・水まわりも設置しています。

リフォーム・リノベーションの事例|密着レポ H様邸 1階LDKリフォーム・リノベーションの事例|密着レポ H様邸 食器棚
左)キッチン・水まわり・和室が完備された1階のパブリックスペース
右)ご実家の思い出を残す食器棚には、H様ご夫妻が日本一周で買い集めた様々な窯元のコーヒーカップが並べられています。


1階の玄関の隣には、H様ご夫婦のオフィスを配置しました。パブリックゾーンと住居ゾーンに分かれる手前です。緑豊かなお庭を眺めながらお仕事ができる、とても贅沢な環境。玄関やお庭からの人の出入りは、必ずオフィスから見えるようになっています。来客時や、将来お子さんが学校から帰ってきたときもすぐにわかるような工夫がされています。

リフォーム・リノベーションの事例|密着レポ H様邸 オフィススペース
お庭の緑を眺めながらお仕事ができるオフィスは、風通しも良くとても快適だとH様ご夫妻。
ご主人は、毎日この窓から、畑の野菜の育ち具合をチェックされているそう。



◆お施主さまインタビュー
実際にお住まいになってからの新居のご感想をH様ご夫妻に伺いました。

―リノベ前後で変わったことはありますか?
2階をしっかりと断熱したことで、1階も涼しく、毎日とても快適に過ごせています。実は、まだ一度もエアコンをつけていません!(取材は、気温が30度を超える日が度々あった2017年6月末に行いました)
それと、これまで自宅のダイニングテーブルで仕事をして、家族で食事をするときには片付けて…という暮らしをしていたのですが、1階のオフィス・2階のLDKと分けてからは暮らしにメリハリがつくようになりました。

―スタイル工房に最初に興味をもったきっかけを教えて下さい。
MUJIリノベーションクラブでスタイル工房を知りました。戸建のリノベーションを手掛けている会社をいくつか選定した中の1社で、当日突然予約をして青山店に伺って、プランナーの鈴木さんと出会いました!
初回の相談で広すぎる家をどうするかと相談した時に鈴木さんが「どうしましょうねえ。」と頭を抱えていて、正直で気張らない雰囲気がいいな、と思いました。プラン提案の時にはすごく熱を込めて提案してくださって、さらに走り書きのB案が本当に良かった!プランを実家の父に見せたら「これはこの家をとてもわかっているプランだね!」と言ってくれました。

―リノベ中、印象に残っているエピソードはありますか?
工事に来てくださった塗装屋さんが、ミカンが大好きということで庭になっているのを持って行ってもらったことがありました。とても喜んでいただけて、嬉しかったですね。現場にはちょくちょく顔を出していたので、職人さんたちともコミュニケーションをとれました。皆さんとてもいい人でした。

―H様邸のお気に入りポイントはどこですか?
(ご主人)1日の8割ほどの時間をLDKで過ごしていますが、以前は見えなかった古い梁が見え、34年分の家の歴史を感じて「こだわってよかったなぁ」と思います。
(奥様)洗面室近くの物干しバルコニーは洗濯物がすぐ乾くし、屋根もあるので、とても便利です。キッチンの周りを広くとってもらったのも気に入っていて、子どもがハイハイをしながら遊んでいます。ベビーゲートでキッチンに入れないようにする必要がないです。

―これからどんなお住まいにしていきたいですか?
1階のパブリックスペースには、天井にプロジェクターをつけたので、仲間と東京オリンピックを観戦したいです!リビングの真ん中には卓球台を作業机代わりに置きたいなと思い、いま探しているところ。先日は友人と梅酒づくりをしたのですが、これからも季節ごとの行事やワークショップを開いていきたいですね。

リフォーム・リノベーションの事例|密着レポ H様邸 1階リビング
H様お気に入りのプロジェクタースピーカーで真っ白な壁がスクリーンに。
卓球台を置けば、さらに楽しいスペースになりそうです。


―スタイル工房スタッフとのやり取りで思い出に残っていることはありますか?
最初の現地調査に来てくださったときに、プランナーの鈴木さんが、設計の後藤さんを「お父さん」と呼んでいると勘違いをして、スタイル工房は家族経営の会社なのだと思い込んでいました。それなら、皆さんがアットホームなのも納得だなぁと思っていました。笑

―最後に、これからリノベを考えている人へのアドバイスをお願いします。
実際にやってみて「リノベでできないことは無い」と感じたので、とりあえず何でも相談してみることをおすすめします。リビングの古い梁や、元からあったドアや窓、食器棚を使いながらつくった、統一感あるインテリアがとても気に入っています。新築では出せないリノベならではの味わいがあるので、私は新築よりも断然リノベをすすめたいです!

リフォーム・リノベーションの事例|密着レポ H様邸 完工後お食事会
完成したH様邸にて、ご夫妻がお食事会を開いてくださいました。
お施主さまも、スタイル工房のメンバーもチーム一丸となって、H様にご満足いただけるリノベができたことをとても嬉しく思います。

プランナー曰く、H様邸のリノベーションをまとめると、「職住一体の家で始める新しい暮らし」。ご家族の思い出がたっぷり詰まった大きなご実家を、H様ご家族だけではなく、友人や仕事仲間と共に楽しく使っていく、そんな暮らしがここから始まり、新たな思い出を刻んでいく事でしょう。




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