プランナーに聞いた!⑩「マンションリノベのポイント」
2023年5月21日(日)
お気に入りのエリアで、思い通りの住まいで新生活を始める手段として、すっかりポピュラーになった「中古マンションを買ってリノベーション」。でも中古物件ってどう選んだらいいの?実際に想い通りのリノベーションは可能なの?…そんな不安にお応えして、今さら聞けないマンションリノベのポイントを、プランナーに聞いてみました!
お話を聞いたのは、プランナーの黒沢 拓也
―――――――――――――――――――――――――――
目次
当然、リノベーションで変えられるのは専有部分となり、躯体となる壁に穴を開ける工事などはできません。バルコニーも共有部分にあたるため、エアコンなどを新規で設置する場合は要注意。エアコンと室外機をつなぐ配管を通す穴がなく、通常のエアコンが設置できない、というケースもあり得ます。給湯機のパイプも同様で、追い焚き用の配管や床暖房用の配管を新設できない場合もあります。ただし、規約で「ここの壁ならOK」と指定がある場合もあります。
また、専有部分でも自由自在にリノベーションできるとは限りません。床や天井の素材や水まわりの位置(配管)を動かせるかどうかは、マンション規約で決まっていることが多いのです。理由は主に防音面で、例えば床はフローリング禁止で遮音性の高いカーペットのみ、と指定しているマンションもあります。
他には、工事時間についてなどで、基本は平日の9時~17時が多いですが、土曜の工事ができるかどうかによって工期が変わってきます。
マンション規約は、それまでマンション内で行われたリノベーション経験を加味しながら管理会社と管理組合でつくってきたルールなので、変更するのは容易ではありません。そのため、やりたいリノベーションができるかどうか、購入前に必ず規約を確認するようにしましょう。
しかし、エリアや他の条件が理想的で、それ以上いい物件にはもう出会えない!となる場合もあるでしょう。当初考えていたリノベーションが実現できないとしても、アイデア次第でマンション規約に沿ったかたちで理想のイメージに近づけることは可能です。ぜひ購入前にご相談いただければと思います。
マンション規定で床はカーペットですが、躯体現しの天井やタモ材で造作した本棚で素材感が伝わる住まいに。
事例No.555 暮らしに合わせた家
また、マンションのつくり方には「ラーメン構造」と「壁式構造」があります。柱や梁で建物を支える「ラーメン構造」よりも、壁で支える「壁式構造」のほうが間取り変更が難しくなります。「壁式構造」は6階程度までのマンションに多く、柱や梁が出っ張らない分スッキリ見えるのがメリットですが、建物を支えている壁は撤去することができません。
撤去できる壁とできない壁、素人ではなかなか見分けがつきませんが、プロは図面である程度は推測できます。そのため、購入を検討している物件がありましたら、リノベーションの打合せには必ず図面をご持参ください。
天井を上げて出てきた梁の、補修用に貼っていた板をそのまま残しました。あえて見せたラフな質感が空間のアクセントに。
事例No.438 ビンテージマンションを自分色に
また、古いマンションでありがちなのが、電気やガスの容量に上限が設けられているということ。そうなると電気やガスコンセントの計画に影響が生じる場合があります。
断熱性能については戸建てほど気にする必要はありませんが、角部屋や最上階は外気に面した壁が多いため注意が必要。夏はなかなかエアコンが効かない、冬は底冷えする、結露がひどいなどの問題が生じる場合もあります。壁の内側に断熱材を入れる、内窓を設置するなどのリノベーションで解決できます。
そこまで古くなくても、築20年以上のマンションは、スケルトンリノベをするのであれば同時に給排水管を交換するのがオススメ。給排水管の耐用年数は菅の種類により差はありますが15~30年程度が目安のため、この先も住むことを考えれば、リノベーション時に交換しておくのが合理的です。
築年数の古い物件は価格的に手に入りやすいのが大きな魅力。しかし、リノベーション費用がかさみ、トータルの予算は膨らんでしまうこともよくあります。購入前から、物件価格とリノベ費用のバランスを考えて選びましょう。
北欧ヴィンテージ家具が馴染む築45年のマンション。2度のリノベーションを経て、家族がくらしやすいかたちに変化してきました。
事例No.793 vaalia ~大切に、暮らしを楽しむ~
またお客様ご自身でも近隣の方へのご挨拶に伺っていただいています。リノベーション会社のスタッフだけでなく実際にお住まいになるお客様がご挨拶を済ませるのが、近隣の方にとってもマナーに適っており、お客様もリノベ後の新生活をスムーズに始めやすいからです。
和室をLDKに取り込み、キッチンはじめ水まわり設備も一新した築15年のマンション。家事動線も見直してさらに住みやすく。
右は工事中の様子。
事例No.812 一人ひとりが居心地よく
もし目星をつけたマンションで売却物件が出たり、インターネットで気になる物件を見つけたら、とにかく早く内見に行くのがオススメ。「今週末にでも」と思っていると、すぐに売れてしまった…ということはよくあります。それだけ中古物件の動きは早く、タイミングが全てともいえるのです。
条件や予算がまだ曖昧な方は、セミナーや相談会に出てみるのも一つの手段です。スタイル工房では、不動産会社とのコラボにより、物件探しとリノベーションをひとつの窓口でできる「ワンストップリノベーションサービス」を行っています。セミナーでは、リノベーションを前提にした物件の見つけ方や優先順位の付け方、予算の考え方などを学ぶことができます。
お住まいのエリアとその沿線で物件を探したご夫婦。ワンストップで見つけた築19年のマンションで、こだわりを実現しました。
事例No.810 住まいを整え 心も整う
▶物件探しからはじめたい〜ワンストップリノベーション〜
また、ご希望があれば購入前の内見にプランナーが同行することも可能です。リノベーションが実現可能な物件かどうかも見極めますので、お気軽にご相談ください。
お話を聞いたのは、プランナーの黒沢 拓也
―――――――――――――――――――――――――――
目次
- Q. 中古マンションを買ってリノベ、購入前に見るべき点は?
- Q. リノベーションが難しいマンションってあるの?
- Q. 築古のマンションは、やっぱり避けた方がいいの?
- Q. 工事スタート!近隣の方への配慮はどのようにすればいい?
- Q. なかなかいい物件が見つかりません…どうやって探すの?
- まとめ
Q. 中古マンションを買ってリノベ、購入前に見るべき点は?
A. マンションの規約は必ずチェックしましょう。
マンションには、エントランスや外廊下といった共有部分と、部屋の内部である専有部分があることをご存じの方は多いと思います。当然、リノベーションで変えられるのは専有部分となり、躯体となる壁に穴を開ける工事などはできません。バルコニーも共有部分にあたるため、エアコンなどを新規で設置する場合は要注意。エアコンと室外機をつなぐ配管を通す穴がなく、通常のエアコンが設置できない、というケースもあり得ます。給湯機のパイプも同様で、追い焚き用の配管や床暖房用の配管を新設できない場合もあります。ただし、規約で「ここの壁ならOK」と指定がある場合もあります。
また、専有部分でも自由自在にリノベーションできるとは限りません。床や天井の素材や水まわりの位置(配管)を動かせるかどうかは、マンション規約で決まっていることが多いのです。理由は主に防音面で、例えば床はフローリング禁止で遮音性の高いカーペットのみ、と指定しているマンションもあります。
他には、工事時間についてなどで、基本は平日の9時~17時が多いですが、土曜の工事ができるかどうかによって工期が変わってきます。
マンション規約は、それまでマンション内で行われたリノベーション経験を加味しながら管理会社と管理組合でつくってきたルールなので、変更するのは容易ではありません。そのため、やりたいリノベーションができるかどうか、購入前に必ず規約を確認するようにしましょう。
しかし、エリアや他の条件が理想的で、それ以上いい物件にはもう出会えない!となる場合もあるでしょう。当初考えていたリノベーションが実現できないとしても、アイデア次第でマンション規約に沿ったかたちで理想のイメージに近づけることは可能です。ぜひ購入前にご相談いただければと思います。
マンション規定で床はカーペットですが、躯体現しの天井やタモ材で造作した本棚で素材感が伝わる住まいに。
事例No.555 暮らしに合わせた家
Q. リノベーションが難しいマンションってあるの?
A. 高層階は間取り変更が難しい場合があります。
高層階については、スプリンクラー等の消防用設備が設置されていることが多く、間取り変更のハードルは高くなります。また、マンションのつくり方には「ラーメン構造」と「壁式構造」があります。柱や梁で建物を支える「ラーメン構造」よりも、壁で支える「壁式構造」のほうが間取り変更が難しくなります。「壁式構造」は6階程度までのマンションに多く、柱や梁が出っ張らない分スッキリ見えるのがメリットですが、建物を支えている壁は撤去することができません。
撤去できる壁とできない壁、素人ではなかなか見分けがつきませんが、プロは図面である程度は推測できます。そのため、購入を検討している物件がありましたら、リノベーションの打合せには必ず図面をご持参ください。
天井を上げて出てきた梁の、補修用に貼っていた板をそのまま残しました。あえて見せたラフな質感が空間のアクセントに。
事例No.438 ビンテージマンションを自分色に
Q. 築古のマンションは、やっぱり避けた方がいいの?
A. 一概にそうとも言えませんが、注意すべき点は多くなります。
例えば、最も大切な耐震面。特に旧耐震基準(1981年5月以前)のマンションは、耐震補強がしっかりされているかどうか確認しましょう。耐震補強工事の履歴が残っているとさらに安心ですね。すでに大規模な耐震補強計画がある場合は、追加で修繕金の負担等があるかどうかを管理会社へ聞いてみましょう。また、古いマンションでありがちなのが、電気やガスの容量に上限が設けられているということ。そうなると電気やガスコンセントの計画に影響が生じる場合があります。
断熱性能については戸建てほど気にする必要はありませんが、角部屋や最上階は外気に面した壁が多いため注意が必要。夏はなかなかエアコンが効かない、冬は底冷えする、結露がひどいなどの問題が生じる場合もあります。壁の内側に断熱材を入れる、内窓を設置するなどのリノベーションで解決できます。
そこまで古くなくても、築20年以上のマンションは、スケルトンリノベをするのであれば同時に給排水管を交換するのがオススメ。給排水管の耐用年数は菅の種類により差はありますが15~30年程度が目安のため、この先も住むことを考えれば、リノベーション時に交換しておくのが合理的です。
築年数の古い物件は価格的に手に入りやすいのが大きな魅力。しかし、リノベーション費用がかさみ、トータルの予算は膨らんでしまうこともよくあります。購入前から、物件価格とリノベ費用のバランスを考えて選びましょう。
北欧ヴィンテージ家具が馴染む築45年のマンション。2度のリノベーションを経て、家族がくらしやすいかたちに変化してきました。
事例No.793 vaalia ~大切に、暮らしを楽しむ~
Q. 工事スタート!近隣の方への配慮はどのようにすればいい?
A. 購入が決まった時点で近隣の方へのご挨拶に伺いましょう。
スタイル工房では、工事前に必ず両隣と上下、両隣の上下(斜め隣り)の部屋の方へ直接伺って工事の内容を説明しています。さらに着工前日~前々日のタイミングで再度、特に大きな音や振動音の出る工事の前にも重ねてご挨拶とお詫び、ご説明に伺うようにしています。(お留守の場合はお知らせを投函することもあります)。またお客様ご自身でも近隣の方へのご挨拶に伺っていただいています。リノベーション会社のスタッフだけでなく実際にお住まいになるお客様がご挨拶を済ませるのが、近隣の方にとってもマナーに適っており、お客様もリノベ後の新生活をスムーズに始めやすいからです。
和室をLDKに取り込み、キッチンはじめ水まわり設備も一新した築15年のマンション。家事動線も見直してさらに住みやすく。
右は工事中の様子。
事例No.812 一人ひとりが居心地よく
Q. なかなかいい物件が見つかりません…どうやって探すの?
A. 物件探しはスピードとタイミングが大事。気になる物件があったらすぐに動きましょう。
「どうしてもこのエリア」というこだわりがある方は、お散歩がてら頻繁にそのあたりを歩いてみて、気になるマンションに売却が出ていないかをチェックしてみましょう。アナログなやり方に思えますが、マンションの環境が分かっていることは大きな武器。この方法で理想的な中古物件を手に入れたお客様は意外と多いのです。もし目星をつけたマンションで売却物件が出たり、インターネットで気になる物件を見つけたら、とにかく早く内見に行くのがオススメ。「今週末にでも」と思っていると、すぐに売れてしまった…ということはよくあります。それだけ中古物件の動きは早く、タイミングが全てともいえるのです。
条件や予算がまだ曖昧な方は、セミナーや相談会に出てみるのも一つの手段です。スタイル工房では、不動産会社とのコラボにより、物件探しとリノベーションをひとつの窓口でできる「ワンストップリノベーションサービス」を行っています。セミナーでは、リノベーションを前提にした物件の見つけ方や優先順位の付け方、予算の考え方などを学ぶことができます。
お住まいのエリアとその沿線で物件を探したご夫婦。ワンストップで見つけた築19年のマンションで、こだわりを実現しました。
事例No.810 住まいを整え 心も整う
▶物件探しからはじめたい〜ワンストップリノベーション〜
まとめ
戸建てよりもスペースが限られているマンションリノベーション。ご家族間での希望をなるべくまとめてから打合せに臨んでいただけけると、ブレのないファーストプランをお出しできると思います。デザインイメージの共有は、写真や画像などがスムーズですので、SNSなどから好きなテイストを集めてみてください。また、ご希望があれば購入前の内見にプランナーが同行することも可能です。リノベーションが実現可能な物件かどうかも見極めますので、お気軽にご相談ください。