【プランナー監修】ホテルライクなリノベーションの秘訣は「照明・収納・統一感」
2024年12月13日(金)
「モノが多くてごちゃごちゃしたわが家。リノベーションでホテルみたいな非日常な空間にしたい!」という方は多いのではないでしょうか。ホテルライクなインテリアのコツやデザインのポイントは?ホテルライクなおうちの暮らし心地やメリット・デメリットは?スタイル工房の阿部プランナーに聞いてきました。
チーフプランナー 阿部
二級建築士、インテリアプランナー、二級建築施工管理技士
お客様の希望の暮らしを丁寧に確認しながら、長年の経験、知識を生かして一歩先の提案を提供。
暮らしの変化に伴って再度リノベーションするお客様、住み替えのお客様からのリピート依頼も多数。
「確かに『ホテルっぽいのがいい』というリクエストは最近多いように感じます。もちろんホテルといっても色々なので、お客様がイメージされているホテルのビジュアルを共有しながらプランニングしています。色味はブラウン系かグレー系か、使いたい素材、取り入れたい家具などもお聞きしています。
共通しているのは生活感がなく、トータルでコーディネートされた美しい空間であること、ムードがあって非日常を感じせる、洗練された空間であることでしょうか。そのため、家具や設備、ファブリックなどの色味を統一したり、それぞれのバランスに気を配ります。
照明は、間接照明をメインにスタンドやダウンライトを組み合わせた多灯照明。空間に陰影と立体感が出てホテルのようなラグジュアリーさを演出してくれます」
なるほど!照明計画のほか、ホテルライクなリノベーションのポイントはあるのでしょうか?もう少し詳しく聞いてみましょう。
「お手持ちの家具を使う場合は、先に置き場所をしっかり決めています。もちろん購入を考えているものも配置して空間の完成形をイメージします。インテリアに合わせて建具や家具を造作することも。厳選したものを、ラインを揃えてレイアウトすることで美しくまとまります」
使う建材について「こうすればホテルライクになる」というものはあるのでしょうか?ホテルというと大理石やタイルを使った硬質なイメージがありますが・・・。
「タイルならホテルライクになる、というよりは、上質な素材で統一することでホテルのような重厚で優雅な雰囲気になります。たとえば床であれば、フロアタイルより本物のタイルを、カーペットならウールで毛足の密なものを選ぶ。フローリングの場合は明るい色味よりはウォールナットなどの深い色味を」
他には、モノを出さなくてすむように、収納をたくさん設けるのも重要なポイントのひとつ、とのことでした。リビングに大収納をつくり、生活感のあるものはそこに収めてしまうこと、モノは収納に入る量に絞ることも心がけましょう。
「片付けがニガテなので維持できないのでは、という声はたまにお聞きします。しかし、ホテルライクな住まいは収納が多めですし、モノが外に出ていないからお掃除もしやすい。家事動線も合理的でシンプルなので、全体的に動きやすいことが多いんです」
片付けが苦手でモノにあふれていたおうちから、不要な荷物を処分してホテルライクな住まいにリノベーションしたら生活が一変したお客様もいるのだそう。厳選したものに囲まれて暮らすようになってからはモノを増やすこともなくなり、まさに『ハコが暮らしをつくる』好例に。
「デメリットとしては、やはりリノベーション費用が大きくなりがちなところでしょうか。選ぶ素材や設備も、どうしてもグレードの高いものになってしまうので・・・」
それではここからは、ホテルライクリノベーションの実例をチェックしてみましょう!細部まで気が配られた空間に、思わずため息が出てしまいそうです。
モデルハウス?と見まがうほど生活感を感じさせないマンションリノベーション。
吊戸棚や折り下げ天井まわりの間接照明も計算され尽くしています。
しかし、よく見ると作業場所も収納量も多く、使いやすそうなキッチンです。
ダイニングテーブルも奥の収納も、リノベーションに合わせてウォールナットで造作したもの。
色味や木目の統一感によって、温かみがあるのに洗練された空間に。
個室の床と収納、デスクもウォールナットで、家具職人の手による逸品です。
奥のクローゼット内部のハンガーバーがブラックなところからも、細部までのこだわりが伝わってきますね。
3階建ての戸建てをリノベーションした例。
リノベーションを機に、ホテルライクな内装に合わせて家具も一新しました。
スポットライトやフロアライトの多灯づかいと、トイレにまで間接照明が。
間取りは変えずに素材や設備、照明などを厳選し、細部まで打ち合わせを重ねながらつくられた住まいです。
庭に面した2つの窓から緑が見渡せる2階のバスルームは、高級リゾート地に建つホテルのようです。
これは、『森の中のお風呂に入りたい』というお客様の要望を叶えたもの。
バスルームと洗面室との間はガラス張りで開放感たっぷり。
大理石調のタイル床がつながっているところもホテルライクなイメージのポイントです。
壁のブルーのモザイクタイルもアクセントになっていますね。
このお風呂にリノベーションしてから、家族みんなのバスタイムが長くなったのだとか。
「もちろんそれ以外でも、迷ったらご相談ください!トータルインテリアのアドバイスもさせていただきます」と心強いお言葉をいただきました。
チーフプランナー 阿部
二級建築士、インテリアプランナー、二級建築施工管理技士
お客様の希望の暮らしを丁寧に確認しながら、長年の経験、知識を生かして一歩先の提案を提供。
暮らしの変化に伴って再度リノベーションするお客様、住み替えのお客様からのリピート依頼も多数。
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目次
- ホテルライクってそもそもどんなインテリア?
- リノベーションでホテルライクにするポイント
- ホテルライクなおうちのメリット・デメリット
- ホテルライクリノベーション事例①|マンション
- ホテルライクリノベーション事例②|戸建て
- ホテルライクリノベーション事例③|お風呂
- まとめ
ホテルライクってそもそもどんなインテリア?
「共通するのは、統一感があって生活感を感じさせないこと」
ホテルライク=ホテルみたいなインテリアといっても、定義はあるのでしょうか?最近増えていると聞くのですが・・・。「確かに『ホテルっぽいのがいい』というリクエストは最近多いように感じます。もちろんホテルといっても色々なので、お客様がイメージされているホテルのビジュアルを共有しながらプランニングしています。色味はブラウン系かグレー系か、使いたい素材、取り入れたい家具などもお聞きしています。
共通しているのは生活感がなく、トータルでコーディネートされた美しい空間であること、ムードがあって非日常を感じせる、洗練された空間であることでしょうか。そのため、家具や設備、ファブリックなどの色味を統一したり、それぞれのバランスに気を配ります。
照明は、間接照明をメインにスタンドやダウンライトを組み合わせた多灯照明。空間に陰影と立体感が出てホテルのようなラグジュアリーさを演出してくれます」
なるほど!照明計画のほか、ホテルライクなリノベーションのポイントはあるのでしょうか?もう少し詳しく聞いてみましょう。
リノベーションでホテルライクにするポイント
「水まわり設備のショールームでも統一感を意識して選んで」
ホテルライクにするには、まず全体の統一感が第一、と阿部プランナー。そのため、お客様が設備のショールームに行くときも家具や建材とのバランスを意識するようにアドバイスするそう。「お手持ちの家具を使う場合は、先に置き場所をしっかり決めています。もちろん購入を考えているものも配置して空間の完成形をイメージします。インテリアに合わせて建具や家具を造作することも。厳選したものを、ラインを揃えてレイアウトすることで美しくまとまります」
使う建材について「こうすればホテルライクになる」というものはあるのでしょうか?ホテルというと大理石やタイルを使った硬質なイメージがありますが・・・。
「タイルならホテルライクになる、というよりは、上質な素材で統一することでホテルのような重厚で優雅な雰囲気になります。たとえば床であれば、フロアタイルより本物のタイルを、カーペットならウールで毛足の密なものを選ぶ。フローリングの場合は明るい色味よりはウォールナットなどの深い色味を」
他には、モノを出さなくてすむように、収納をたくさん設けるのも重要なポイントのひとつ、とのことでした。リビングに大収納をつくり、生活感のあるものはそこに収めてしまうこと、モノは収納に入る量に絞ることも心がけましょう。
ホテルライクなおうちのメリット・デメリット
「片付けは杞憂なことが多いけど、費用はかかるかも」
ホテルライクなおうちはステキですが、リノベーションでつくったとしても維持できるかが心配です。ホテルと違い、自分の家では掃除も家事も自分でやらないといけないので・・・。「片付けがニガテなので維持できないのでは、という声はたまにお聞きします。しかし、ホテルライクな住まいは収納が多めですし、モノが外に出ていないからお掃除もしやすい。家事動線も合理的でシンプルなので、全体的に動きやすいことが多いんです」
片付けが苦手でモノにあふれていたおうちから、不要な荷物を処分してホテルライクな住まいにリノベーションしたら生活が一変したお客様もいるのだそう。厳選したものに囲まれて暮らすようになってからはモノを増やすこともなくなり、まさに『ハコが暮らしをつくる』好例に。
「デメリットとしては、やはりリノベーション費用が大きくなりがちなところでしょうか。選ぶ素材や設備も、どうしてもグレードの高いものになってしまうので・・・」
それではここからは、ホテルライクリノベーションの実例をチェックしてみましょう!細部まで気が配られた空間に、思わずため息が出てしまいそうです。
ホテルライクリノベーション事例①|マンション
【マンション|築10年|リノベ面積 約76㎡】
モデルハウス?と見まがうほど生活感を感じさせないマンションリノベーション。
吊戸棚や折り下げ天井まわりの間接照明も計算され尽くしています。
しかし、よく見ると作業場所も収納量も多く、使いやすそうなキッチンです。
ダイニングテーブルも奥の収納も、リノベーションに合わせてウォールナットで造作したもの。
色味や木目の統一感によって、温かみがあるのに洗練された空間に。
個室の床と収納、デスクもウォールナットで、家具職人の手による逸品です。
奥のクローゼット内部のハンガーバーがブラックなところからも、細部までのこだわりが伝わってきますね。
ホテルライクリノベーション事例②|戸建て
【戸建て|築22年|リノベ面積 約115㎡】
3階建ての戸建てをリノベーションした例。
リノベーションを機に、ホテルライクな内装に合わせて家具も一新しました。
スポットライトやフロアライトの多灯づかいと、トイレにまで間接照明が。
間取りは変えずに素材や設備、照明などを厳選し、細部まで打ち合わせを重ねながらつくられた住まいです。
ホテルライクリノベーション事例③|お風呂
【戸建て|築24年|リノベ面積 約105㎡】
最後はホテルライクなバスルームをご紹介します。庭に面した2つの窓から緑が見渡せる2階のバスルームは、高級リゾート地に建つホテルのようです。
これは、『森の中のお風呂に入りたい』というお客様の要望を叶えたもの。
バスルームと洗面室との間はガラス張りで開放感たっぷり。
大理石調のタイル床がつながっているところもホテルライクなイメージのポイントです。
壁のブルーのモザイクタイルもアクセントになっていますね。
このお風呂にリノベーションしてから、家族みんなのバスタイムが長くなったのだとか。
まとめ
統一感というと難しそうですが、「メーカーを統一するのもひとつの方法です」と阿部プランナー。例えばホテルライクなリノベーションでよく採用されているパナソニックのスイッチパネル。それを採用した場合に、建具など他のアイテムもパナソニックで揃えることで、比較的簡単に統一感が生まれるのだそう。最初から同じデザインコンセプトでつくられているもので揃えれば、キレイにまとまりやすいということですね。「もちろんそれ以外でも、迷ったらご相談ください!トータルインテリアのアドバイスもさせていただきます」と心強いお言葉をいただきました。