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リノベのあれこれ

撮影雑記~ 東京都板橋区 マンションリノベーション U様邸 No.923

2024年6月22日(土)
ご両親から譲り受けた築30年のマンションリノベーション。
以前にもご自宅マンションのリフォームを依頼いただいた、リピーターのお客様です。

シンプルですっきりとしたお住まいに、
下がり天井や白いアールの壁の曲線がやわらかい印象をプラスしています。



玄関ホールは大判のマットタイルで統一されており、繋がり感も。


そこにアールの壁がなんともニクイですね~


タイルは、隣の洗面まで続いています。かっこいい~!

わたしがおうちでグリーンを楽しむきっかけになったのは、
前回のリノベーションの撮影時、U様のお話がたのしくて
「わたしもお家で植物を育ててみよう!」と思ったから。


今回のお住いにも、もちろんたくさんのグリーンがすくすくと♪
そして我が家のグリーンについて、いろいろアドバイスもいただいてきました。

長い間、このお仕事をさせていただいていると、お客様の暮らしの変化、
家族の変化があった際、もう一度お声がけをいただけることも。
「あの頃は~」なんて、昔話(?)に花を咲かせるのも
お住まいの撮影にお伺いする醍醐味のひとつです。笑

事例詳細はこちら:No.923 広さを楽しむモダンライフ
広報:長谷川基子
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これまで新築・リノベーションの住まいを900邸以上訪問・取材。
実際の住み心地や暮らしのアイディア、現場のリアルをお届け中。

【プランナー監修】リノベのトレンドは?リクエスト増加中のアイテムをプロに聞いた!

2024年6月18日(火)
10年前の事例集といまの事例集を見比べると、リノベーションにもトレンドがあることが分かります。いま注目を集めているアイテムは?キッチンの形は?内装の色は?リノベの最前線にいるプランナーに、お客様からのリクエストが最近、特に増えたものを聞いてきました。
お話を伺ったのは・・・


チーフプランナー 於保 誠之
一級建築士、スタイル工房チーフプランナー。マンション・戸建て共に数多くのリノベーションに携わってきた。機能美、住まう人の日々の暮らしやすさ、そして将来も踏まえた心地よさを追求。



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目次

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トレンド① ヌック|大人もワクワク♪わが家の秘密基地へようこそ

「おうち時間が長い人には、特にオススメです!」

おうちの中の、居心地の良い小さなスペースを意味するヌック。子どもの遊び場所やライブラリースペースとしてリクエストする人が増えたそうです。

「ヌックという言葉が登場する前から、窓際にちょっとしたベンチをつくったり、独立した隠れ家のような場所に本棚などを設置してくつろぎたいというオーダーはたまにありました。

小上がりよりもコンパクトで、空間にちょっとした変化を付けられる場所、個室ではなくて、みんなといるけどこもれる場所として、コロナ禍でおうち時間が長くなったこともあって一気に定着しましたね」

 

ヌック事例|キャットウォーク&トルコの味付けでさらに楽しく!

【マンション|築14年|リノベーション面積 約80㎡】



例えばこちらは、もともと和室だったスペースの一部を取り込んでつくったヌック。
打ち合わせ中に出てきた「ホテルなどの造り付けの椅子に弱い」というお話からの着想です。

 

このヌック実は、白い枠が庇のように出ていて、猫ちゃんが歩ける仕様になっています!
テレビボードと一体化した壁面(写真左側)のキャットウォークから、ここに飛び移ることができますね。
ヌックでくつろいでいると、上からしっぽがブラブラ……さらに癒し効果倍増のスペースとなっています。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_t75.html


ヌックの他の事例は、こちらからどうぞ!
https://www.stylekoubou.com/blog/?contentCode=2081

 

トレンド② フルフラットキッチン|収納量の確保がポイントに

「勇気がいるけど、やっぱりカッコいいキッチンになります」

キッチンについては、最近フルフラットのリクエストが多いのだとか。手元が丸見えになるフルフラットは、生活感が出やすくハードルが高そうですが……?

「常に片付けておかないといけないので大変ですよ、というお話はするのですが『それでもフルフラットがいい』というリクエストをよくいただきます。子育てが一段落したご夫婦からの、セカンドライフのためのリノベーションが増えたことも関連しているかもしれません。

フルフラットの弱点は、モノが出てしまうと空間全体が散らかって見えてしまうこと。なので、フルフラットにする場合は十分な収納量を確保するようにしています。背面収納と、できればパントリーがあれば万全です。

確かにデザインはすごくカッコいいですよね……惹かれる気持ちは分かります!」

まるでモデルハウスのような、生活感を感じさせない美しいキッチンが実現するフルフラット。リノベーションを機に挑戦したい!という人が増えているようです。

 

フルフラット実例|独立型からパントリー付きのペニンシュラへ

【戸建て|築22年|リノベーション面積 約54㎡】



20年以上暮らしてきたご自宅の独立型キッチンを、オープンなペニンシュラ型にリノベーションした例です。



こちらはキッチンからのアングル。
和室を取り込んで拡げたリビングの奥まで見渡すことができます。
ノイズなく視線が抜ける気持ちよさは、やはりフルフラットならではですね。

 

カウンター下のほか、背面収納に吊戸棚、奥にはパントリーと、万全の収納量を備えました。
冷蔵庫もパントリー内に収めているため、リビングからの風景はさらにスッキリしています。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_f19.html


フルフラットの他の事例は、こちらからどうぞ!
https://www.stylekoubou.com/blog/?contentCode=1831

 

トレンド③ グレー|目にも優しく、空間に奥行きをプラスしてくれる

「落ち着きのある白のようにも用いることができる万能色」

最後に内装全体のトレンドについても聞いてみました。クロスや床などの色は、ホワイトではなく、グレーが主流になっているのだそうです。

「窓サッシや金物の色にブラックが増えたことで、真っ白い壁だとコントラストが強すぎるため、中間色であるグレーのクロスをご提案しています。広い面に用いる場合は、遠目にはほぼホワイトに見える薄いグレーを選んで、落ち着きのある白として使っていますね。少しだけグレーが入ることで、目が疲れにくいんです。

床も、キッチンなどの水まわりはお掃除しやすいフロアタイルを貼ることが多いのですが、グレーが最も人気があります。同じく、タイルの目地も汚れが目立たないグレーを選ぶ人が増えています。

デザイン面では、空間に奥行きや立体感を出したいときに、一番奥にグレーを配することが多いです」

 

グレー実例|キッチンや照明のブラックと組み合わせてカッコよく

【マンション|築23年|リノベーション面積 約74㎡】



こだわって選んだイケアのキッチンに合わせて、壁や床にもグレーを採用したおうちです。



ダイニングの壁もグレーで、換気扇や照明のブラックともよく馴染んでいますね。



こちらはリビング側で、梁より上の天井も薄いグレー。
内装の彩度を絞ったことで、モノの形や存在感が際立つ空間になっています。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_k112.html

 

まとめ

トレンドは存在するものの、リノベーションで見つけてほしいのは「自分に響くデザインや使い勝手」。最初にご紹介したヌックの例でも、「ホテルなどの造り付けの椅子」というキーワードからヌックに結び付いたように、お気に入りの場所やモノについての何気ない雑談からアイデアは生まれます。それを「これイイな」とマネする人が増えれば、未来のトレンドにつながっていくのかもしれませんね。

お洗濯をもっとラクに!戸建てのランドリースペースと洗濯動線のリノベ事例

2024年6月16日(日)
ほぼ毎日やっているのに、なかなか効率的に動けない家事のひとつに「洗濯」があります。洗うのは洗濯機がやってくれるけど、干して、たたんで、しまって、と家の中を動き回る必要があるうえに、乾くまでに時間がかかり、一気に済ませられない……そんな悩み多き洗濯を少しでもラクにする工夫を取り入れた事例を集めてみました。
 

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目次

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キッチンを中心にランドリールームを一直線につなぐ動線

【戸建て|築24年|リノベ面積 約95㎡】


南側の日当たりのよい場所に、天窓つきのランドリールームをつくった例です。
洗濯機に物干し、アイロンがけや洗濯物をたたむのに使えるデスクも設置しました。


すぐ隣りがクローゼットなので、しまうのもラクラク♪
リビングダイニングからは見えないように、それぞれ半透明ガラスの建具で仕切ることもできます。


バスルーム&脱衣室からは、キッチンを通って一直線の間取り。
脱衣室で脱いだものもすぐに運んで、そこからは最小の動線で洗う→しまうまでを一気に済ませられます。


間取図で見るとこんな感じ。
家事のほぼすべてが1階で完結できるのが分かります。

この写真の事例詳細はこちら:No.671 家事動線は働く主婦の強い味方
 

ランドリールームを中心にぐるぐる回遊できる間取りに

【戸建て|築22年|リノベ面積 約54㎡】


洗面脱衣室兼ランドリールーム、というパターンも多いと思います。
こちらもそのひとつ、天井に内蔵できる伸縮物干しバーを設置した例です。


キッチンからパントリーを経て、左に曲がると洗面脱衣室兼ランドリールームへ。
そこからリビングダイニングのドアに抜けることができます。


間取図でみるとこの通り、回遊動線になっていますね。
収納と家事の場所をぎゅっとまとめて、最小限の動きで済むように配慮されています。

この写真の事例詳細はこちら:No.903 warm house
 

キッチン直結の脱衣室兼ランドリールームと洗面室を分けて

【戸建て|築30年|リノベ面積 約128㎡】


家事動線をコンパクトにまとめるなら、キッチンのすぐ隣に洗面室、という間取りはやはり合理的です。
こちらは脱衣室兼ランドリールームからバスルームへ、という配置例。
もちろん入浴時には引き戸を閉めることができます。


洗面カウンターはさらに隣の独立した洗面室に置き、入浴中も気兼ねなく手や顔が洗えるように配慮。


洗面室は階段やリビングからもアクセスしやすい場所で、入り口をオープンに。
身支度にも便利で、お客様にも使ってもらいやすいですね。
アール型垂れ壁で切り取られたグリーンのクロスが空間のフォーカルポイントにもなります。


間取り上で見ても、家事動線がコンパクトにまとまっています。
マンションなどで脱衣室兼ランドリールームをつくる場合は、廊下に洗面シンクを出すのもオススメです。

この写真の事例詳細はこちら:No.914 ナチュラルリビングにお気に入り空間をつなげて
 

外干し派に♪リビングの隣にバルコニーとつながる家事室

【戸建て|新築|延床面積 約100㎡】


こちらはリノベーションと迷った末に、建て替えを選んだおうち。
リビングのお隣り、ブラックの室内窓の向こう側が洗濯室兼ランドリールームです。


奥には洗濯機とたっぷり室内干しができる物干し、カウンターデスクまで備えたユーティリティスペース。


リビングとはバルコニーでもつながっています。
お天気のいい日は外干しで、思いきりお日さまの光を当てることができますね。

この写真の事例詳細はこちら:No.604 長期優良の新築。という選択
 

リビングの一角に洗濯物干し&たたみができる小上がり畳

【戸建て|築31年|リノベ面積 約117㎡】


こちらはリビングの一角、日当たりのいい窓際に部屋干し用のハンガーバーを取り付けた例。
ここに洗濯物を干して、取り込んだ洗濯物をそのまま小上がり畳でたたむことができます。


普段はひと続きの空間として開放的に使いつつ、洗濯物がある状態での来客時にはスクリーンで仕切りも。
すぐにたたむ時間がなくても、ざっと置いて置ける小上がり畳は便利な存在です。

この写真の事例詳細はこちら:No.897 気分はすっかり西海岸!
 

まとめ

「他の家事動線とまとめて、家の中の移動距離を短く」などのセオリーはあるものの、ランドリールームの配置や広さはおうちによって違います。それも当然で、洗濯は洗濯物の量や質、洗濯機を回す時間や頻度、干し方、しまい方などが家庭によって千差万別だから。

リノベーションは「うちの場合はどうかな?」と普段の暮らしを思い出すことから始まる……というと大げさでしょうか。日頃から不便に感じていることや「こうだったらいいのに」ということをメモしておくと打合せの時に役立ちます。ぜひ「自分にとっての」理想の洗濯動線を手に入れてください。
 

撮影雑記~ 東京都大田区 マンションリノベーション K様邸 No.922

2024年6月15日(土)
築38年のマンションリノベーション。
水廻り設備の老朽化とご長男の独立を機にリノベーションをされました。


キッチン背面に合った居室を取り込んで、多面採光に。
たくさんの陽が降り注ぐ、明るく広々としたLDKです。
フローリングは、やわらかい質感の高級感のあるチーク材を採用。
上質なインテリアともピッタリですね。


キッチンの後ろのカウンターは、ちょっとしたパソコン作業にもピッタリ!


収納棚や、パントリーはリビング側からは見えにくいようになっているので、
モノが増えていっても安心ですね。


窓辺のインナーテラスでは、明るい日差しを浴びて、観葉植物もすくすくと育っていました~♪


狭さが気になっていたという玄関ですが、パイプスペースを現しにして
ホールを拡大しました。パイプスペースにはタイルをあしらって、
円柱のアクセントに。右下のベンチは靴を履くときに腰掛けたり、
四角の中に小物を飾って楽しむこともできます。


靴などをしまう、玄関収納は廊下側に大容量スペースを。
WICなど、集約型収納を充実させてすっきりと暮らせる快適なお住まいが完成しました。

事例詳細はこちら:No.922 間取りもインテリアもブラッシュアップ
広報:長谷川基子
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これまで新築・リノベーションの住まいを900邸以上訪問・取材。
実際の住み心地や暮らしのアイディア、現場のリアルをお届け中。

雑誌「relife+ vol.50」に事例掲載!

2024年6月14日(金)
6月14日に発売されたリノベーション専門誌「relife+ vol.50」にて、当社でリノベーションされたお住まいが掲載されました。


巻頭特集「50代からはリノベ適齢期」で取材・掲載されたのはこちらの事例。

 施工事例No.806 薪のはぜる音と木のぬくもりに包まれて。

ご両親から一戸建てを受け継がれたY様邸。
お子さまたちも独立され、これからの夫婦二人の暮らしを考えリノベーション。

リビングの一角に寒い冬に大活躍の薪ストーブ。それまでお住まいだった栃木の家から移設しました。


吹き抜けが印象的なリビングダイニング。現しの構造梁や手すりの木材が空間にあたたかみをプラス。
さらに2階からの自然光が1階まで届くのでとても明るい空間となっています。


いつまでも階段を元気に上り下り出来るようにという願いをこめて階段の登り口に変木を配置。

東京での暮らしでも木のぬくもりを感じられるようなお住まいです。

雑誌ではお施主様のインタビューも含めてたっぷりの4ページで紹介されています。
是非ご覧ください!
 
relief+ vol.50(扶桑社)
Amazon購入ページはこちら>>

中古マンションの相場はこれからどうなる?後悔しない購入のポイントをプロに聞いた!

2024年6月11日(火)
首都圏を中心に上がり続けている住宅価格。10年前には、東京23区で60㎡の新築マンションが5,000万円以内で買えたのに、今では同じ広さの築10年のマンションが7,000万近くに!10年で中古になったのに、価格は約1.5倍に上がっている状況に「今は買い時じゃないかな?」と思ってしまうのももっともです。でも、そもそも『買い時』ってあるのでしょうか?不動産のプロに、相場の考え方や探し方のポイントを聞いてきました。

お話を伺ったのは・・・


株式会社サムタイムズ 代表取締役 足立 淳
人々がもっと自由に、自分のライフスタイルに合った住まいを選択し、実現できる世界をつくる。
自身でも築35年のヴィンテージマンションの購入とリノベーションを経験。

※東京23区、60m2平均価格
【10年前新築マンション】4,558万円 【築10年中古マンション】6,794万円 【価格変動率】146.8% 
https://www.homes.co.jp/cont/press/report/report_00329/



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目次

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高騰中の物件価格。これからの相場はどうなるの?

都心は今も上昇中だが、郊外はやや落ち着いてきた印象

――ここ数年、東京の住宅価格が上がり続けていて、家を持つのはムリかも……とあきらめかけている人も増えてきている気がします。コロナでテレワークが定着し、東京の中古価格は下がると思ったのですが。

「確かに、中古マンションもずっと上がっており、『今がピーク』と5~6年言われ続けていますね。コロナもあまり影響がありませんでした。でもようやくそろそろ、これ以上の上昇はムリなのでは?というところに来ているのではないでしょうか。今からさらに1.2倍に上がる、というようなことは起きないと思います」

――物件価格の上昇は、これからゆるやかになっていくのでしょうか? 

「都心部は不動産投資の需要もあり上がり続けていますが、郊外は落ち着いてきた印象があります。チラホラお手頃な価格でも条件のいい物件が見つかることも増えてきましたよ!」

――郊外とは、どのあたりでしょうか?

「たとえば中央線だったら、国分寺あたりから西ですね。とはいえ中央線自体が人気路線なのですが、並行して走る西武線などの沿線の物件もやや価格が下がってきている気がします。小田急線や京王線など人気の高い路線は、郊外でも売主さんの言い値ですぐに売れてしまうことも多いですが。」


 

相場より安い掘り出し物の中古マンションってあるの?どんな物件?

『安い理由が気にならない物件』が掘り出し物といえる

――郊外でチラホラいい物件が見つかるようになったとのことですが、予算が低くても見つかりますか?

「予算が低い場合、その予算内で探して見つかるのは相場より安い物件、ということになりますよね。相場より安い物件には何かしらの理由があります。その理由が自分にとってそこまで気にならないものであれば、その物件はその人にとっての掘り出し物といえるのではないでしょうか」

――安い理由には、たとえばどんなことがありますか?

「駅から徒歩20分以上離れていることや、築年数が古い、エレベーターがない、内装がボロボロでリフォームしないと住めない、などがあります。最近では、これらの条件全てにあてはまるファミリータイプで、2,000万円台前半の中古マンションをお客様にご購入いただきました。

しかし、築40年近いとはいえ新耐震で、すぐそばにスーパーがあって生活利便性が高い。中がボロボロなのもリノベーションを楽しみたいからOK、駅の利用も少なく、階段の上り下りや徒歩分数も気にならない。……ということで、そのお客様にとっては本当に掘り出し物だったと思います」

――つまり『値段の割にはいい』の、いいポイントは自分次第、ということですね。
 

中古マンション探しのポイントや、コツってある?

実際に現地に行ってみないと分からないこともある

――『いい物件』とはそもそもどんな物件でしょうか。最低限クリアすべきポイントなどはありますか?

「必ずチェックしているのは、新耐震※かどうかと、ある程度の戸数規模があること。あとは管理状態と周辺環境ですね。できれば住人の新陳代謝が適度にあることが望ましいです。

というのは、戸数規模や住人の年齢は、今後の修繕計画に関わってくるからです。戸数が少ないと一戸当たりの負担が増えるし、住人がお年寄りばかりの物件は、管理組合が建物を永く保つことに消極的なケースが多いんです」

※新耐震:「新耐震基準」を満たす物件。1981年6月1日以降に建築確認申請が受理された物件が該当する

――管理状態などは、現地に行かないと分かりませんよね。

「そうですね、実際に行ってみて、ゴミ捨て場が清潔に保たれているか、駐輪場が整理整頓されているかなどをチェックして、管理状態の良し悪しを判断しています。」
 

リスクに対してはどれくらい気にするべき?

先入観や思い込みにとらわれ過ぎると、出会いを逃すかも

――ハザードマップは気にしたほうがいいですよね?でも、安全なエリアって相場も高めですよね。

「戸建てと違って新耐震基準以降に建てられたRC、SRCのマンションであれば、地震で全倒壊する可能性は低いと考えています。浸水については、ここ最近で最も大きかった2019年の台風でどんな影響があったかを売主さんや管理人さんに確認していますね。

もちろん、これからどんな規模の災害が起きるかは分からないため『必ず大丈夫です』とは言い切れません。でも、これまでの災害については住んでいる人に聞くのがいちばん確実です」

――その物件がどうなのかを確認するべき、ということですね。

「ハザードマップもそうですが、『築30年なので、あと30年くらいで住めなくなりますよね?』など、先入観で決めつけてしまうのはもったいないと思います。見た目のデータに振り回されず、修繕や管理が適切になされているかを確認するようにしましょう。

また、安いからといって細かい部分を見ずに決めてしまうのは後悔のもとです。繰り返しになりますが、必ず安さの理由が自分にとって、今後も納得いくものかを見極めるようにしましょう」
 

中古マンション+リノベの予算配分や成功する秘訣は?

物件とやりたいリノベによるので、早めにプロに相談を

――『リノベーション済み中古物件』ってどうなのでしょうか。最近増えてきた気がします。

「不動産業者が買い取って、リノベーションしてから売却する物件ですよね。このごろは大手ディベロッパーも手がけることが多くなりました。以前は内装をキレイするだけというイメージでしたが、柄クロスを採用するなどデザインクオリティも上がってきています。

リノベ費用がかからず、すぐにお引越しができるので、『ただキレイならOK』『早く引越したい』という人には良い選択かもしれませんね。

ただし、もし間取り変更も含めてフルリノベーションして自分仕様の住まいをつくり上げたい、そしてその過程も楽しみたいという人には少しもったいないかもしれません」

――フルリノベを楽しむなら、リノベーション費用はどれくらいになるでしょうか。

「ケースバイケースですが、一般的には1,500万円程度をみておくといいと思います。ただし、築年数が古いマンションで、断熱や配管まわりの工事も必要であれば2,000万円近くになることも。

当然ですが築年数が古いと物件価格は安い代わりに、リノベ費用は高くなります。逆に比較的新しい物件は設備が再利用できたりしてリノベ費用を抑えられることもあるので、全体のバランスを見て判断しましょう」

――リノベーション前提で中古マンションを探すときに見るべきポイントはありますか?

「マンションの場合、内壁を動かして間取り変更はできますが、構造壁やパイプスペース(PS)は動かせないため、間取り変更に制約が出ると思ってください。

築年数の古いマンションの場合だと、配管がスラブ(構造床)の中にコンクリートで埋め込まれているものもあります。その場合はキッチンなど水まわりの移動が難しくなるため、やはりリノベーションの自由度が下がってしまいます」
 

まとめ

「中古物件探しは一期一会。物件をたくさん見て、時間をかければ成功するわけではありません。しかし一方で、内見回数を重ねることで自分の優先順位が整理できていくというメリットもあります。

たくさん見た人が『1軒目に見た物件がいちばんよかった』と後悔したり、良くない物件を先走って買ってしまうことも。タイミングが来た時に逃さないためにも、客観的に判断してくれる不動産会社をパートナーに選びましょう」と足立さん。

リノベーション前提の物件探しであれば、不動産会社とリノベーション会社がひとつの窓口になった『ワンストップリノベーションサービス』がオススメです。リノベーションのプロが物件探しから並走してくれるため、叶えたい暮らしが実現可能かどうかの判断がしやすく、予算も全体で考えることができます。

厳しい状況ではありますが、価格を下がるのを待つだけでは叶えたい暮らしはいつまでも実現しません。物件やリノベーションの基礎知識が学べるセミナーもありますので、まずはここから参加してみてはいかがでしょうか。


2024年06月15日(土)
「中古を買ってリノベ」最初に知っておきたい基礎知識講座
https://www.stylekoubou.com/event/?seminarCode=218

「ニッチ」をもっと実用的に!「飾る」だけじゃない便利な収納アイデア事例

2024年6月9日(日)
壁を凹ませてつくった棚である「ニッチ」。リノベーションでつくったニッチ例はこれまでも何度かご紹介してきましたが、今回は「しまう」に注目!雑貨などを飾って楽しむだけでなく、実用的な収納としてつくることでスッキリした空間を叶えた例をご紹介します。

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洗面室につくれば、シンクまわりのごちゃごちゃが解消!

【戸建て|築44年|中古購入リノベ】


最初にご紹介するのは、目の覚めるようなカナリアイエローのサニタリースペース。
脱衣室とは別にトイレと洗面室をまとめ、寝室の近くに配置しました。
洗面台のホワイトタイル、壁のモノトーンの柄タイルとの組み合わせもとても新鮮です。


ニッチをつくったのは、洗面カウンター横の壁。
すぐ手に取りたいけど、シンクまわりにごちゃごちゃ置いたり、濡らしたくない化粧品類を置くのにぴったり。
壁の柄タイルをニッチにもあしらって、モノを置いて隠してしまうのがもったいないほどの愛らしさです。

この写真の事例詳細はこちら:No.892 家族の風景を紡ぐ
 

ノールックで塩コショウ少々♪お料理が楽しくなるキッチン

【マンション|築14年|中古購入リノベ】


板張りのカウンターにサブウェイタイル、パントリーへと続く水色の壁がおしゃれなⅡ型キッチン。
コンロのすぐ横の壁を凹ませて、棚板を入れた2段のニッチをつくりました。


油や塩コショウなどの調味料類は手の届くところに置きたいけど、カウンター上では場所をとってしまいます。
そんなときにニッチはぴったり。パッと手を伸ばせる場所にあると重宝します。
壁にアイアンバーも設置して、木べらやお玉もすぐに手に取れる位置にハンギング。
機能的で、お料理がさらに楽しくなりそうなキッチンです。

この写真の事例詳細はこちら:No.512 暮らしに合わせて変えていける あえて作りこまない家
 

やっぱり便利なトイレ&お掃除ロボットの基地をニッチに

【戸建て|築14年|中古購入リノベ】


水まわりでもう一例、トイレのニッチをご紹介します。
トイレットペーパーの高さに合わせて作ったニッチは、ストックをスッキリしまえてとても便利。
洗面も床から浮かせてお掃除しやすく、細部まで配慮の行き届いたトイレです。


同じおうちのリビング。暖炉やヌックについ目がいってしまいますが、実はこの空間にもニッチがあります。


それがこちら!ヌックの側面壁の下部がお掃除ロボット用の基地になっています。
中にはもちろん充電用の電源も設置。
普段は目立たず、家電特有の存在感でLDKの雰囲気をこわすこともありません。

この写真の事例詳細はこちら:No.913 cool 上質インテリアの心地良さ
 

普段づかいの靴はニッチへ、それ以外はシュークロークへ

【戸建て|築42年|お祖母様のおうちを受け継いでリノベ】


ニッチの最大のメリットは「物が出っ張らずすっきりしまえる、でも取り出しやすい」こと。
玄関でもそれは例外ではなく、靴をしまうニッチがあれば、たたきがこんなにスッキリ。


普段づかい以外の靴は、たっぷりしまえるシュークロークへ。
二種類の収納を使い分けることで、いつもキレイな玄関が保てます。

この写真の事例詳細はこちら:No.829 新築のようにくらす家
 

「おちついて用がたせるニャ」猫トイレ用ニッチを廊下に

【マンション|築14年|持ち家リノベ】


続いてはこちら。
玄関から続く廊下の奥、リビングドアの手前の床にニッチがあります。


こちらは3匹のネコちゃんのためのトイレコーナー!
リビングドアには猫用入り口も開いていますね。
猫が使いやすく、かつ人間がお掃除しやすくてニオイや衛生面が気にならない場所ってなかなか無いんです。
そんな「猫トイレの置き場所問題」をニッチで解決しました。
猫飼いさん、特に多頭飼いの方にはきっと「イイな」と思っていただけるのではないでしょうか。

この写真の事例詳細はこちら:No.649 ~Exotic Turkey~トルコの異国情緒を楽しんで。
 

まとめ

ちょっとした雑貨や絵本を飾れるニッチもステキですが、目的をもってつくられたニッチはとても機能的で便利。今回はそんなリノベ事例を集めてみました。

ニッチは奥に空間が必要ですので、間取り全体からどこにつくるかをプランニングします。気になるニッチ活用例や「ココにあればいいのに」という場所があれば、お気軽にご相談ください。
 

撮影雑記~ 東京都 マンションリノベーション K様邸 No.921

2024年6月8日(土)
築26年のマンションを“中古を買ってリノベーション”されたお客様。
友達が集まれるような広いリビングがご希望でした。


キッチンの位置を変え、壁向きキッチンからL型に。
もともとキッチンのあった場所は、家電収納とパントリーにしました。
天井のまるいアールの仕上げもとってもキュート!


パントリーはキッチンの奥なので、リビングからはモノが見えずすっきりです。
K様邸は、パントリーの中も整理整頓されていらっしゃいましたが、
わたしのようなズボラは「見えない収納」は気になってしまいます。笑


リビング側には本棚と、ワークスペースを配置。
自分のお気に入りの本やフィギュアを飾れるこんな本棚があったら…!
と、いつも羨ましく思っています。視界に入ってくる度、嬉しくなっちゃいますね。
ちらりと見える、ワークスペースの壁紙がまたまた素敵!


しかもこのワークデスクがなんと高さ調整ができるので、
たまに立って仕事をすることもあるそう。
リモート勤務が増えて、デスクと椅子の重要性をひしひしと感じている私…。
お客様のお家にお伺いした時、直々に使用者レビュー(?)を聞いて、
自分の買い物にも参考にさせていただいています。笑


最初はちょっと緊張?していたお子さまも撮影をしていくうちに、
積極的に参加してくれて、こんなカットもパシャリ!
撮影を楽しんでいただけたのもの嬉しかったです♪

事例詳細はこちら:No.921 みんなの笑顔が満ちるLDK
広報:長谷川基子
広報:長谷川基子
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実際の住み心地や暮らしのアイディア、現場のリアルをお届け中。

リノベりす掲載事例のご紹介(No.894)

2024年6月4日(火)
今月リノベーション専門サイト「リノベりす」さんに掲載いただいたのは、リビングの大きな本棚とワークスペースが特徴的なT様邸です。

No.907 本も喜ぶ住まい

長く暮らしてきたマンションを、設備機器や内装の老朽化をきっかけにリノベーション。家全体の間取りはほぼ変えずに、LDKをより広くすることがテーマでした。


和室を取り込んで広くなったLDKの一角にはカウンターデスクを造作し、ワークスペースに。大容量の本棚と共に、心安らぐくすみグリーンのアクセントクロスが印象的です。


キッチンは、動かせないパイプスペースを軸に既存の位置から90度回転。ダイニングへも、パントリー越しに廊下へもアクセスできる便利な動線が確保されました。


ダイニングの床はフローリングに、窓側の一角はフロアタイルに。デザイン的なワンポイントとなり、観葉植物のお世話もしやすくなりました。


インナーサッシを新設して断熱性も向上。住環境を整えつつ、機能性とデザイン性を両立させた、快適で生活しやすいお住まいを実現しました。

リノベりすさんの記事では、快適なお住まいのアイディアをたくさんご紹介いただいています。
ぜひご覧ください!

 
 

アスベスト(石綿)事前調査って?建物の解体や改修で義務ってホント?

2024年6月2日(日)
建物の解体や改修工事の前に、アスベストを使用しているかどうかの事前調査が必要なことをご存じでしょうか?調査ってどんなことをするの?もし調査でアスベスト使用が分かった場合どうなるの?等など、素朴な疑問をリノベーションのプランナーにぶつけてきました。

お話を伺ったのは・・・


チーフプランナー 渡辺ノリエ
二級建築士、スタイル工房チーフプランナー。
マンション、ツーバイや築古の戸建てなど、難易度の高いリノベーションにも数多く携わる。
お客様やメンバーと共に心地の良い暮らしを導き出す。


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Q1. アスベスト(石綿)ってなに?どんな危険があるの?

A1. 天然の繊維状鉱物で、吸入すると肺を傷める危険があります


アスベストは、蛇紋岩(じゃもんがん)や角閃石(かくせんせき)などといった自然の鉱物が霜柱のように結晶して繊維状になったものです。よくグラスウールやロックウールと混同されますが、これらは工場でつくられた人工繊維です。

アスベストの繊維1本は直径0.02~0.35μm(髪の毛の5,000分の1)程度で、綿のように軽く柔らかい形状をしています。不燃性や高耐久性といった特徴によって5000年以上も前から「燃えない布」として世界中で利用され、住宅建材にも多く使われてきました。

しかし、アスベストの繊維が肺に入ることで肺線維症(じん肺)、中皮腫、肺がんなどの原因になることが分かり、2006年に製造や使用が全面的に禁止されました。

2023年にはさらに規制が強化され、建物の解体や改修を行う場合は施工前に建材中のアスベストの有無を事前調査し、結果を自治体に報告する義務が定められたのです。
 

Q2. アスベスト(石綿)は家のどんな場所に使われてるの?

A2. 屋根や外壁、壁紙など多くの建材に使用されています


1975年頃まではセメントと水をまぜた「吹付けアスベスト」が吸音・断熱材として使われていました。これは、飛散の危険が最も高い「レベル1」とされています。「レベル2」は鉄骨造の家の保温材などに使用されていました。

その後もアスベストを成型して板状にした石綿スレートが、その優れた防火性・耐水性から住宅の外壁や屋根に、
内装にもアスベストを含んだ石膏ボードや壁紙、床材などが使用されてきました。これらが「レベル3」で、ほとんどが2004年に製造終了していますが、全面使用禁止となった2006年までは住宅に使われている可能性があります。

アスベストを含んだ建材といっても、通常はセメントなどでアスベストが固定された状態で、著しく劣化したり解体や切断などをしない限りアスベストが飛散する危険性は低いとされています。そのため2006年以前に作られた住宅でも、お住まいになることは特に問題ではありません。
しかし、アスベストを含む建材を解体したり切断することになる工事では飛散の危険性があるため、事前調査が義務とされているのです。
 

Q3. アスベスト(石綿)事前調査ってどんなことをするの?

A3. 文書による調査と、目視による調査があります。


築年や規模にかかわらず、建物の解体や改修を行う場合はアスベストを含んでいるかどうかを調査する必要があります。これは、アスベストが使用禁止となった2006年以降の建築であっても同じです。

事前調査では、設計図書などの書面による調査と、現地での目視による調査をおこないます。これらは有資格者でないとできません。アスベストの有無にかかわらず、解体やリフォームを請け負う会社は事前調査の結果を労働基準監督署および自治体に報告する義務があります。

書面と目視による事前調査でアスベスト有の可能性、もしくは不明の場合は、分析調査をおこないます。これは、外部の専門調査業者による成分分析で、検体の数にもよりますが、調査費が6~7万円程度かかります。ただし、一度分析調査した場所については、分析データはその後の改修の際にも有効となります。

アスベストの分析調査結果の書類
 

Q4. アスベスト(石綿)有りと分かった場合、どうなるの?

A4. 工事の際に周辺への飛散を防ぐ措置をとる必要があります


分析調査でアスベストが含まれていると分かった場合は、アスベストの飛散を防ぐために適切な解体方法と処分方法をとらなくてはいけません。

具体的には、防じんシートなどで養生したり、水をまく、アスベストを薬剤で固定するなどのほか、作業員にも特別な教育・装備が必要になります。
解体の作業を行う際には、防護服(保護衣)とマスクの着用が義務付けられている

これらを合わせて「アスベスト有り」の場合の解体工事はだいたい30~100万円ほどの費用がプラスされ(解体範囲やレベルによっての違いも)、分析調査費と合わせて発注主の負担になります。
工期については「レベル3」であれば、範囲にもよりますがさほど大きな影響はでないでしょう。
 

Q5. 自宅の工事の時に、発注主が気をつけるべきことは?

A5. 情報の提供など、お客様にもご協力いただくことがあります。


調査・報告は施工業者の義務ですが、発注者(お客様)にも設計図書や改修の履歴などの情報を提供していただく努力義務があります。また、分析調査費用やアスベスト除去工事費などは、お客様にご負担いただくことになります。

しかし、住む人や近隣の方々、工事をおこなう作業員も含めた健康を守るため、法律で定められた義務です。どの施工業者に依頼したとしても、この部分を安くおさえることはできません。

スタイル工房にもアスベスト事前調査の有資格者、アスベスト除去工事の現場を安全に管理できる有資格者が在籍しており、お客様にもしっかり報告とご説明をおこないます。そのうえで、アスベストの有無を考慮したリノベーションプランをご提案することもできますので、ご安心ください。

参照:
石綿総合情報ポータルサイト 厚生労働省

アスベスト対策Q&A 国土交通省

撮影雑記~ 東京都中央区 マンションリノベーション T様邸 No.920

2024年6月1日(土)
新築時からお住まいのマンションが築18年となり、お子様も3人に。
設備の交換時期を迎えたタイミングでお子様たちのお部屋も整えたいとのご希望でした。

T様のリノベーションストーリーはこちらでもご紹介しています!
>>> 【キッチンリフォーム】マンションならではの制約を解決しつつ、こだわりを実現!

記事でもご紹介している、こちらのレゴ!

プラン確定前にお子さんが理想の間取りを再現してくれたものなんです。
お住まいが完成してから作ったのではないんです。

キッチン前のパイプスペースまで再現。

冷蔵庫の位置まで…!なんという空間認識能力!


こちらのベンチの背面には背もたれを造作しました。
付ける位置は、現場で「ここらへん?」「こんな感じ?」と話し合って決めたそう。
たしかにここに背もたれがあるのとないのでは、過ごし方が段違いな気がします。


リビングの小上がりは、①ゴロンとくつろげるリラックススペース、
②ダイニングのベンチ ③そして収納スペースも兼ねている、万能スペースですね。


約61㎡の中に家族5人が楽しく暮らせるアイディアと、
みんなの思いが詰まった快適なお住まいが誕生しました。

事例詳細はこちら:No.920 家族5人そろってゆったり
広報:長谷川基子
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【プランナー監修】お風呂をリノベーションするときのポイントは?場所を変えることはできる?

2024年5月28日(火)
老朽化や使い勝手が気になってきたお風呂をリノベーションしたい!そう思ったときにはまず何をするべき?お風呂を広くしたり、場所を移動することはできるの?お風呂リフォームで気をつけるべきポイントなどはある?プランナーに聞いてきました。

お話を伺ったのは・・・


チーフプランナー 渡辺ノリエ
二級建築士、スタイル工房チーフプランナー。
マンション、ツーバイや築古の戸建てなど、難易度の高いリノベーションにも数多く携わる。
お客様やメンバーと共に心地の良い暮らしを導き出す。



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目次

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お風呂リノベーションって、どこまでできるの?

場所を変えたり、新設することも可能

給排水が必要なこともあり、ユニットバスを交換する以上のイメージがなかなかつきづらいお風呂リフォーム。設備交換の他には、どんなことが可能なのでしょうか?

「お風呂リフォームの目的にもよりますが、間取り全体も含めたフルリノベーションであれば、お風呂を広くしたり、場所を変えることはよくあります!

そうでない場合は、洗面室のスペースを調節して広げたり、場所は変えなくてもバスタブの位置を反転させたり、入り口の位置を変えることで使い勝手をぐんと良くすることができますよ」。

入り口の向きを反転させた例:https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_k120.html

 
キッチンからも廊下からも入れる2WAY動線で使いやすく
 

実家をリノベーションして二世帯仕様にする場合、2階にお風呂の新設も可能でしょうか?

「もちろんできます!その場合は上下階(親子世帯)でお風呂の位置を揃えて、入浴の水音が気にならないように提案することが多いですね。場所が同じであれば給排水管も合理的な配置になります。

もしスペースが限られているのであれば、お風呂は共有にして、みんなで使いやすいように広くすることも。ご家族の関係性やライフスタイルによってご提案しています」。

 

使いやすいお風呂リノベーションのポイントは?

家事動線や生活動線を考慮した配置に

「お風呂の場所は、やはり寝室の近くという場合が多いですね。子育て世帯やシニアの方はLDKの側にして、ヒートショック防止に配慮することも。家事動線を中心に考えるのであれば、キッチンの近くに配置したり、回遊できるようにすると便利です。

あとは、三世代同居のおうちでは、脱衣室と洗面室を必ず分けるようにします。コロナ以降は洗面シンクを脱衣室から出して、廊下やリビングの入り口に設けるプランが人気ですよ。

いずれにしても、家族構成や、住む人のライフスタイルよってもお風呂の使い方は違うので、まずはしっかりお話を聞いてからプランニングさせていただきます」。

さらに、かけ湯や肩湯、マイクロバブル、自動清掃など、様々な機能付きのユニットバスが出ているため、好みに合わせて取り入れてみるのもいいですね、とのことでした。

 

事例紹介|ユニットでもこんなにステキに!

ユニットバスって画一的なデザインで自由度が低い?いいえ、とんでもありません!という例をご紹介します。

 

【戸建て|築24年|リフォーム面積 約105㎡】



お庭の緑を眺めながらお風呂に入りたい、という要望を叶えたのは、アメリカ・コーラー社のユニットバス。
バスタブ、水栓、タイルなどを自由に組み合わせてつくったオーダーメイドのお風呂です。



洗面室も床をつなげて統一された空間に。
このお風呂ができてから、家族みんなが長風呂になったそうです。

https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_f13.html

 

事例紹介|こだわり抜いて在来工法のお風呂に!

ユニットも様々なデザインや機能のものがでていますが、それでも……!と在来工法を選んだ例はこちら。

 

【戸建て|築40年|リフォーム面積 約87㎡】

 

 市松の床や真鍮の水栓が海外の邸宅のようなお風呂ですが、実はこちらは既存を再利用したもの。
猫足風のバスタブも雰囲気たっぷりの置き型ですが、追い焚きができる最新式に交換しました。

https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_k115.html

 

【マンション|築49年|リフォーム面積 約45㎡】

 

9割がユニットというお風呂リフォームの中でレアな在来工法の、さらにレアなマンションの例。
置き型バスタブと同じ空間に洗面カウンターとトイレもあり、ホテルライクな水まわり空間をつくりました。

https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_i56.html

 

お風呂のリフォームはまずショールームに行くべき?

お風呂も含めた空間づくりなら、まずはプランナーに相談を

「スタイル工房でリフォームしたことがあるリピーター様なら、先にショールームを見てきてもらって、ということもあるかもしれません。でも、初めての場合はまずいらっしゃって、お風呂リフォームで何がしたいかをお話してみてください」。

ケースバイケースではあるものの、お風呂と洗面空間のコーディネートや使いやすい動線づくりまで考えているなら、リフォームのプランナーに先に要望を伝えるのがオススメです。

プランナーはさまざまなメーカーを知っており、予算や実現したいリフォームに合わせたメーカーや商品の知識があるからです。多くの設備メーカーからある程度絞ったほうが、効率よくショールームを回ることがでる、という訳です。

海外のメーカーや、一般的には知られていないものの、住宅業界のプロの間ではメジャーなメーカーも多々あるため、それらも含めて提案してもらえます。

 

まとめ

リビングやキッチンほどの派手さはないものの「やってよかった!」と喜ばれる方が多いのがお風呂のリフォーム。オシャレで清潔、ゆったりとしたお風呂に入るたびに、QOLの向上を実感することができます。

気になる工期ですが、ユニットバスの交換だけでも10日前後かかります。その間はお風呂を使えないため、住みながらの場合は銭湯やスポーツジムのシャワーを利用するなど、あらかじめ方法を考えておきましょう。

「ハイサイドライト(高窓)」でプライバシーを守りつつ明るく風通しよく暮らす

2024年5月26日(日)
天井近くの高い位置に設ける窓のことをハイサイドライト(高窓)といいます。高い位置にあるので近隣の視線が届きにくく防犯面に優れ、広範囲まで光を届けて明るく開放的な空間をつくってくれます。住宅密集地に建つおうちや1階リビング、マンションの窓のない部屋にもハイサイドライトはとても有効。うまく取り入れたリノベ例を見てみましょう。

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絵を飾るように、外の緑を切り取るハイサイドライト

【戸建て|設置場所:ダイニングルーム】


築23年の戸建てのリノベーションです。
ダイニングまわりの間取りは大きくは変えておらず、ハイサイドライトも元々あったもの。


しかし、板張りの壁を白とベージュに変え、印象は一新。
インテリアはあえて個性を消して、ギャラリーのようにアートを飾って楽しめる空間をつくりました。


内装をシンプルにしたことで、ハイサイドライトで切り取られた木の梢がまるで絵のように際立ちます。
自然の光だけでなく、移り変わる四季の景色も堪能できる空間に生まれ変わりました。

この写真の事例詳細はこちら:No.789 ラクする。彩る。
 

住宅密集地に建つ50㎡未満の戸建てで開放的に暮らす

【戸建て|設置場所:LDK横洋室】

築33年、約48㎡のご実家を受け継がれたお客様のリノベーションです。

都心の住宅密集地にありスペースも限られているなか、快適に暮らすための様々な工夫が凝らされたおうちです。
2階LDK横の洋室もそのひとつで、リビングと室内窓でつなげて明るさをシェア。
さらに、奥まで視線が届くことで、面積以上の広がりと開放感がもたらされます。


壁側は窓の面積を小さくし、ハイサイドライトにして外の光を取り込みました。
高い位置から光が届くため明るく、閉塞感を感じることなく過ごすことができます。

この写真の事例詳細はこちら:No.748 狭さを克服!120%の思いを詰め込んで
 

暗くなりがちなマンションの廊下にLDKの光を届ける

【マンション|設置場所:キッチンと玄関の間】


16年間お住まいのマンションを、動線を整理して暮らしやすくリノベーションしたおうちです。
ペニンシュラ型キッチンはアイランド型に変えて、ダイニングの両側から回り込めるようにしました。
ハイサイドライトはどこに?と思ったら、冷蔵庫の上部に室内窓として設けています。



反対側から見るとこんな感じで、LDKの光と風を廊下側に通す役割を担っています。
マンションの玄関側や廊下側、内側のお部屋はどうしても暗くなりがち。
そんなときにオススメのアイデアです。

この写真の事例詳細はこちら:No.826 これからをもっと心地よく
 

ステンドグラスを再利用して透明感あるインテリアに

【戸建て|設置場所:LDKと個室の間】


お子様の独立やお仕事の変化に合わせて、もっとゆったり快適に暮らせるようリノベーションした例です。
ハイサイドライトはリビングの側面にふたつ並べました。


奥は個室で、おしゃれなステンドグラスがインテリアのポイントになっています。


このステンドグラスはもともと、廊下とリビングの間仕切り壁に縦向きに入っていたもの。
向きを変えて再利用することで、また違った表情を見せてくれました。

この写真の事例詳細はこちら:No.852  enjoy wine, enjoy coffee
 

開閉タイプでリビングと寝室を風通しよくつなげる

【戸建て|設置場所:LDKと寝室の間】


先ほどの例と同じリビングのテレビの上ですが、こちらは開閉できるタイプのハイサイドライト。


奥は主寝室です。
WICとの間の壁の天井部分も空いていて、お家全体に風が通るように配慮しています。

この写真の事例詳細はこちら:No.817  世代を超えて暮らしを楽しむ家
 

まとめ

もし、いまのおうちで窓について気になっていることがあれば、ハイサイドライトも選択肢のひとつです。「近隣からの視線が気になる」「窓が大きすぎて冬寒く、夏はなかなかエアコンが効かない」「部屋が暗い」「防犯面が心配」などのお悩みがあれば、ぜひご相談ください。採光や通風はもちろん、デザインも満足できるプランをご提案いたします。

撮影雑記~ 東京都世田谷区 マンションリノベーション K様邸 No.919

2024年5月25日(土)
2009年にスタイル工房で全面改修されたリピートのお客様です。
K様の前回のリノベーション施工事例はこちら
No.113 木のぬくもりを感じる家
(なんと 事例No.113!という事実に驚愕…!)

15年前撮影させていただいたお写真と並べて、今回のリノベの
Before after(?)を見ると…


2009年


2024年
2009年のリノベ時は、天井を茶色にしていたんですね。
今回は淡いピンクとモスグリーンに塗装。ご家族でDIYされました。
ピンクのお部屋にあるニッチ部分は、今も小物を飾る棚として大活躍していました。


2009年


2024年
ワークスペースとして使われているお部屋には、
壁面いっぱいにクローゼットを造作。机の前には
無印良品のスタッキングシェルフを設置して、空間をゆるーく仕切っています。

こちらは今回リノベしていませんが、15年が経過したK様邸のLDKです。

2009年


2024年
撮影した季節や時間帯も異なりますが、無垢のフローリングがきれいに
あめ色に変化していますね。それにしても15年経ったとは思えない…!

お子さんの成長や、時代の変化に伴って家での過ごし方は変わっていきます。
「ここを仕切りたい」「ここに収納スペースが欲しい」
そんな時、ぜひお声がけください!

事例詳細はこちら:No.919 子ども部屋を楽しくシェア
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【プランナー監修】現地調査ってどんなことをするの?何のために、何を見るの?

2024年5月21日(火)
リフォームやリノベーションの前に必ずおこなう「現地調査」。「現調」と略すこともありますが、具体的には何をしているのでしょうか?また、現地調査で気をつけるべきポイントはあるのでしょうか?プランナーに聞いてきました!

お話を伺ったのは・・・


チーフプランナー 渡辺ノリエ
二級建築士、スタイル工房チーフプランナー。
マンション、ツーバイや築古の戸建てなど、難易度の高いリノベーションにも数多く携わる。
お客様やメンバーと共に心地の良い暮らしを導き出す。




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目次

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Q1. 現地調査をするタイミングはいつ?誰がするの?

A1. 最初の現地調査は、プランニングの前におこないます


「第1回目の打ち合せで、いま困っていることやご要望などをしっかりお聞きし、その上でプランや見積もりを作成するために現地にお伺いします。プラン作成前に、もととなる既存図作成も必要ですし、床や壁の構成や設備配管のルートなども調査します。

最初の現地調査はプランナーと設計担当、工事にかかる費用や見積もりをつくる積算担当者など3~4人で訪問することが多いですね。最初の要望をもとに、現調で調べるポイントなどもあらかじめ打合せしておき、場所ごとにレーザー計測器による計測や、写真撮影をします」。

 

「計測データをもとに既存の図面をつくり、プランの提案と見積りを作成。プランや予算がマッチしたら、プラン契約へとすすんでいきます。その後着工に向けて、具体的な設計もスタートします。
設計の段階で工事の内容や建物の状況に応じて再度現地調査をする場合もありますが、工事の請負契約の前には必ず現場監理の監督と工事の業者さんも参加しての業者現調も行っています」。

戸建ての場合はまた別に耐震診断調査などをおこなうことも。
現地調査って、何度もするんですね!

 

Q2. 現地調査では、家のどこをチェックするの?

A2. 図面通りかをチェックしたのち、図面にない情報も把握します


「図面がある場合はその通りになっているかどうかをまず計測。改めて既存図面を作成します。平面図では分からない窓や天井の高さなど、縦空間も測って把握をします。あとは建物の傷み具合や、要望に合わせて床や排水の位置などを実際に見て、確認・記録しています」。

現地調査では、主には次のような点を確認しています。

・撤去できる壁、できない壁(図面からある程度判断できるものの、改めて現地で確認)
・排水や換気扇の位置(レンジフードはどこに抜けているかなど、外に開けた穴の位置と状態)
・建物はどれくらい老朽化しているか(戸建ての場合は基礎や外壁のクラックなど)
・マンションでは床の下地の状況(置床か直床かどうか) 戸建の場合も床下の状況や断熱材の有無
・設備の配管ルートや給湯器の位置、換気環境など
・窓からの採光や風の抜け方、眺望や近隣環境など(戸建ての場合はご近所の窓との位置関係なども)

「マンションの場合、直床式であればキッチンなどを動かすときに配管のために床を上げる必要があります。プランに大きく関わる部分なので、床の状態は必ずチェックしています。お風呂などを移動する場合も同じです。

その他には、置きたい家具が決まっていればそのサイズも測っておき、暮らしのイメージを感じられるよう家具を配置したプランを提案していますよ」。



 

Q3. 現地調査って、どれくらいの時間がかかるの?

A3. だいたい1.5時間ほどで、戸建ての方が長めの傾向が


「建物の規模にもよりますが、かかる時間は平均で1時間半ほどです。階段があったり、外壁や基礎なども確認する必要のある戸建ての方が、マンションよりも少し長くなるかもしれませんね」。

住んでいる家のリノベーションではなく、中古購入の場合は現地調査に立ち会った方が良いのでしょうか?

「必須ではありません。でも、もしいらっしゃっていただけるならプランナーとしては嬉しいです。現場で暮らしのイメージもしやすいし、ヒアリングでは出てこなかったご要望が聞けることもあるので。もちろん、その場で気になることなども質問していただけます」。

 

Q4. 中古購入リノベの場合、購入前に調査できる?

A4. スケジュール調整が難しい場合も。事前に、見るポイントのアドバイスを


気になるのが、購入前の中古物件の場合。内見に付き合ってもらって現地調査って可能なのでしょうか?

「内見の同行は、購入意思決定のタイミングのことを考えると、スケジュール調整が難しい場合が多くあります。
図面や写真などの資料をできるだけ集めて、リフォーム会社に提供し、アドバイスを受けるのがよいでしょう。物件の内見時に見るべきポイントについて、事前にリフォーム会社にアドバイスを受けておくのもよい方法です。

物件購入申し込みの後であれば詳細な図面を入手することが可能な場合が多く、その図面をもとに、現地調査ができれば、具体的なプランの検討や、お見積が可能になります」。

 

Q5. 住んでいる家の現地調査で、片付けは必要?

A5. いいえ、普段の暮らしのままでお願いします


「住みながらのリフォームだと、私たちが伺うということでお掃除したり片付けたりしてくださるお客様も多いのですが、なるべく普段通りの状態を拝見したいです。モノが床に出しっぱなしになっているのであれば『収納が足りていないんだな』など、現状の課題がはっきりして、プランに反映しやすくなるので」。

おうちの現在の状態を見ながら、場所ごとに叶えたい過ごし方や、「片付かない」「家事がしづらい」「暗い」「寒い」などの困りごともお聞きします。

使いたい家具や調理家電、新調しようと思っているアイテムなどもヒアリング。お客様と話し合いながら『ココはこういう風に使っても面白いかも』など、その場でもアイデアを出したり、提案して反応を見ながらプランを固めていくこともよくあるそうです。



 

まとめ

「何人も来てくれて、こんな細かいところまで測るの⁉ってびっくりしました」。リフォーム後にお話を聞くと、こうおっしゃるお客様も多い現地調査。派手さはありませんが、リフォームに欠かせない大切な基本工程です。

また、現地調査では、既存の設備や建具が再利用できるかどうかの判断もしてもらえます。もし残したいものがある場合は早めに伝えましょう。「処分するしかないかな」とあきらめていたけど、プランナーと話すうちに愛着や思い出がよみがえって……なんてこともあるかもしれません。

リノベりす掲載事例のご紹介(No.894)

2024年5月20日(月)
今月リノベーション専門サイト「リノベりす」さんに掲載いただいたのは、
築24年の地下1階・地上2階建ての木造の中古戸建をリノベーションされたM様邸。

No.894 子どもたちへの贈り物は、思い出紡ぐ新たなわが家

家族構成の変化やお子さまの成長をきっかけにリノベーション。
家族の気配を感じられる空間や無駄な動線・スペースをなくして機能的な空間がテーマ。

2階にあったLDKを1階に移し、廊下や階段を取り込んでより広い空間を確保しました。


キッチンは十分な広さを確保した壁付けのI型を採用。
既存のトップライトを活用して明るいダイニング・キッチンスペースになりました。


リビングの一角にはヌックスペースを設置して、お子さんたちと一緒に寛げる場所に。
天井は根太あらわしにすることで高さを上げて広く感じられます。


階段は完全には仕切らず、壁に開口を設け、ストリップ階段とすることで上下階へ風と光が行き届くようにしました。
また、どのフロアにいても家族の声が届くのでいつでも気配を感じることができます。


地階の廊下に洗面台を設置してスペースを有効活用。
また家族で並んで使用できるので、朝の忙しい時間でも身支度がスムーズに。


2階はワークスペースと子ども部屋。
子ども部屋の床は掃除がしやすいリノリウムに。
将来は仕切って2部屋にすることもできます。

断熱性・耐震性の向上や細部の補修も丁寧に行い、安心・快適に暮らせるように、家族のつながりを感じられるあたたかいお住まいを実現しました。

リノベりすさんの記事では、快適なお住まいのアイディアをたくさんご紹介いただいています。
ぜひご覧ください!
 

家具職人がつくったから、デザインもおさまりも妥協ナシ!美しい造作収納特集

2024年5月19日(日)
リノベーションでは造作家具にもこだわりたい!そんなリクエストをいただいたとき、スタイル工房では、家具職人さんにリノベに参加してもらうことがあります。すっきりと隙間なくおさまった造作家具は空間に美しく調和し、さすがはオーダーメイドという仕上がり。今回は、そんな造作の事例を集めてみました。

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目次

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デスク付きカウンターは、高さを合わせることでより洗練

【造作箇所:ダイニングのカウンター収納】


最初にご紹介するのは築35年の戸建てリノベ。
ペニンシュラキッチンをⅡ型に変えて、カウンターがコンパクトになった分ダイニングが広がりました。
ダイニングテーブルを横並びにしたレイアウトは、配膳しやすく大人気です。


一部をデスクとして使えるダイニングの背面カウンターが家具職人による造作。
横幅はもちろんキッチンのコンロとも高さがぴったりで、見ていて気持ちがいい!
窓枠やオープン棚とも素材感を合わせて、LDKの特別なコーナーになりました。

この写真の事例詳細はこちら:No.642 「ほっこり」陽だまりの家。
 

和モダンや手持ちの家具にも美しく馴染むブラックが基調

【造作箇所:キッチン作業台、家電収納棚、ベンチ収納】


こちらは、長年お住まいだったおうちをリノベーションした例。
壁付けのまま新しく入れ替えたキッチンに、広々とした作業用カウンターを造作しました。
カウンター下には収納もたっぷり。


壁側には収納棚を造作し、調理家電などはこちらに。
もともとお持ちだった食器棚(右側)とも馴染むようにデザインされています。


もとは8帖の和室だったスペースもリビングに取り込み、窓際に小上がりのベンチを造作しました。
ベンチの下は大きなものもしまえる引き出し収納になっているのもポイントです。
愛着あるおうちの雰囲気を残しつつも、暮らしやすい和モダン空間をつくりあげました。

この写真の事例詳細はこちら:No.908 懐かしさも残して…安心安全な住まいへ
 

神は細部に宿る。木目を揃えて隅々まで端正な印象に

【造作箇所:キッチン背面収納、洗面カウンター】


お次はマンションです。
6年ほど前に一度リノベーションしており、今回は水まわりのみの部分リノベです。
背面収納を見直したいとのご希望に合わせて、カウンターと吊戸棚を造作しました。


冷蔵庫とも高さを合わせて、ぴったりに納めた収納の面材はブラックチェリー。
ダストボックスや家電も置くものを想定してデザインされているため、この美しさ。
よく見ると木目まできっちりそろっているのは、やはり家具職人による造作ならでは。


洗面室はまたテイストを変えて、タイルと組み合わせたかわいい空間に。
こちらもサイズの納まりはもちろん、木目が揃って美しい仕上がりです。

この写真の事例詳細はこちら:No.887 プチリノベでこんなに変わる!水廻り空間
 

タイルと組み合わせて、リビングからの景色も楽しく

【造作箇所:ダイニングキッチン壁側収納】


キッチンの向きを変え、オープンな対面型にリノベーションしたマンションです。
ダイニングの壁側収納は、天井までの全面扉タイプとカウンター+吊戸棚を組み合わせて造作しました。


オーク板張りの天井に合わせて、収納扉もオーク材に。
木の分量が多めでも、シックな色合いなのでナチュラルすぎず、落ち着いた空間です。


キッチンの背面収納も造作で、一部ガラスを組み合わせた吊戸棚の木目がキレイ。
ニュアンスカラーのタイルに合わせて、コンセントの色もグレーを選んで馴染ませました。
造作ならではの納まりで、リビングから見た風景も絵になるキッチンです。

この写真の事例詳細はこちら:No.873 穏やかな時間が流れる 大人ナチュラル
 

空間の主役はバーチ材であつらえたカウンターと背面収納

【造作箇所:キッチンカウンター、ダイニングキッチン壁側収納、玄関収納】


最後にご紹介するのは築17年のマンションリノベーション。
LDKに和室を取り込み、閉塞感のあったキッチンは向きを変えてリビングと一体化しました。


バーチ材で造作されたカウンターと壁一面の収納カウンター・吊戸棚がダイニングキッチンの主役。
カバザクラとも呼ばれるバーチ材は、木目にクセがなく木肌のなめらかな質感が特徴です。


カウンターは側面を立ち上げてニッチに。
ダイニングまわりのちょっとしたものを置いたり、飾り棚として使うのも楽しそうです。


同じバーチ材で玄関収納も造作しました。
素材を揃えることでおうち全体に統一感が生まれて、スッキリと暮らすことができますね。

この写真の事例詳細はこちら:No.314 大人二人でシンプルに暮らす家
 

まとめ

造作家具はオーダーメイドとなるため、素材や仕様によって費用はかなり幅があります。気になる方は早めにご相談ください。全体の予算のバランスをとりながらご提案させていただきます。また、造作に組み合わせたい家具などがある場合は、それらも含めたプランニングが可能です。オンリーワンの収納で美しく、片付く家を目指しましょう。

撮影雑記~ 東京都文京区 マンションリノベーション K様邸 No.918

2024年5月18日(土)
以前もスタイル工房でヴィンテージマンションのリノベーションをされたK様。
数年後、転勤のためそのお住まいは賃貸に出されましたが、
今回東京に戻ることになって再び“中古を買ってリノベーション”されました。


数年前リノベーションされたヴィンテージマンション。
いまは賃貸にだしている。

前回のお住まいもとってもかっこよかったので、今回の撮影も楽しみでした。

リビングには雑誌「男の隠れ家」に載りそうな書斎!
前回のリノベーションで気に入った木毛セメント板やOSB合板などを
今回も採用されたそう。ざっくりとした素材感がかっこいいです。

書斎は、LDKからスキップフロアで高めにつくられていて、
実況席のような、指令席のようないい感じの雰囲気!

リビングに飾られた赤いサイン入りユニフォームも空間に映えますね。


書斎につながる階段は収納スペースも兼ねて、
47㎡という限られたスペースを無駄なく活用しました。

職場の近くやお気に入りの街で中古マンションを買って
自分の好きなようにリノベーションして一人暮らしたい!でも…と不安になる事もありますよね。
そんな方にK様から経験者のアドバイスを記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧下さい。
>>>【一人暮らし】マンション購入+リノベ―ションのポイントを経験者に聞く!

事例詳細はこちら:No.918 シンプルにカッコよく暮らす
広報:長谷川基子
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実際の住み心地や暮らしのアイディア、現場のリアルをお届け中。

【キッチンリフォーム】マンションならではの制約を解決しつつ、こだわりを実現!

2024年5月14日(火)
マンションでは、梁やパイプスペース(PS)があることで間取りやレイアウトに制約ができることがよくあります。T様のおうちもそのひとつで、約61㎡に5人家族が快適に暮らすために、スペースの有効活用や緻密な動線設計が必要でした。特にこだわったキッチンまわりを中心に、リフォームの体験談をお聞きしてきました。



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目次

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住み替え?それならリフォームしよう!と決意

エリアを変えたくなかったから、今の家を住みやすく

「もともとこのマンションは、夫が独身の頃から住んでいたんです。結婚して3人の子どもたちに恵まれ、上の子ももうすぐ中学校に入学するので、子ども部屋をつくってあげたくて」。
そう話すT様(妻)。18年前に新築で購入されたマンションは、一人暮らしには広すぎるくらいでしたが、5人家族となると少し不自由も。特に、キッチンの使い勝手や家事動線が気になっていたそうです。
また、子どもたちも大きくなり、女の子と男の子で部屋を分ける年齢に。ちょうど同じマンションで広めの部屋が売りに出されたことで、住み替えも含めて検討し始めました。
「ところが、マンションの値段が思った以上に高騰していて。このエリアでは、購入時のほぼ倍くらいになっていて、これじゃちょっと手が出ないねと話していたところ、仲介の不動産会社に『今の家をリフォームするという手もありますよ』と言われたんです」。
リフォームも手がけるというその不動産会社からプランを出してもらったものの、あまりピンと来なかったT様夫妻。しかしリフォームという手段自体には可能性を感じ、SNSなどでリフォーム・リノベーション会社を調べ始めました。


プラン確定前に子どもたちがレゴでつくった「理想の間取り」。勉強机を並べて勉強しているお人形も!

 

「これなら任せられるかも」リフォーム打合せで築いた信頼関係

要望は子ども部屋と家事動線、自然素材を取り入れること

「会社選びで重視したのは、㎡数以上の広がりのあるプランが提案できるかどうかということ。あとは私の好みで木や珪藻土など自然素材を使ったリフォームが得意な会社がいいなって」(妻)。

数社と打合せを重ねるうち、「私たちの話をいちばんよく聞いてくれている」と感じたスタイル工房に依頼することに。

「打合せでは、私たちの話をすごくメモしてくれて、それが次の打合せでプランに反映されてるんです。それが他の会社とは全然違うと感じましたね」と当時を振り返ります。しかも、スタイル工房のなかでもT様が「こんな感じがイイな」と選ぶ事例がほぼ全て阿部プランナーによるものだと判明。

「本当にたまたまだったんですけど『これも、あれも実は僕の担当です』って。指名したとかではないんですが、私たちも阿部さんに担当してもらえたら、良いものができるんじゃないかって」。



 

L型キッチンから対面キッチンへリフォーム。カウンターにかかるPSが課題に

複雑な形状に加え、ディスポーザー対応である必要も

家事動線について、最も気になっていたのがやはりキッチンで、もともとはL型の壁付けレイアウトでした。

「壁付けの方がスペースを広く使えるとは思うのですが、家族のコミュニケーションがとりやすい対面式を希望していました。また、L型は角のところの収納が使いにくくて・・・」。

対面にするにあたり、一番の問題はパイプスペース(PS)。T様のマンションは構造壁沿いではなく専有部分の中央に柱のようにパイプスペースが存在し、ちょうど対面にしたときにカウンターの位置にかかっていたのです。

パイプスペースに合わせるとなると、キッチンの奥行きを途中で切り替えるか、凹ませるなどの加工が必要になります。システムキッチンは横幅のサイズ調整は比較的しやすいのですが、奥行きの切り替えなどには対応していないことがほとんど。

このパイプスペースをどうするか、という観点でキッチン選びを始めたT様。また、マンションにディスポーザー(生ごみ処理機)が付いていたので、ディスポーザー対応のキッチンである必要も。国内メーカーを中心に、いくつかのショールームを家族で訪れました。


キッチンのPSも再現されています!

 

ショールーム巡りでは、ステンレスキッチンの美しさに感動     

難しい条件を満たすならば、やはりオーダーメイド

パイプスペースの奥行とディスポーザー対応を満たすキッチンとなると、そこまで多くはありません。そのため、ショールームを巡るうち、徐々に選択肢も絞られてきました。

「ほぼこれで決まりかなぁと決めかけたところで、特注でキッチンを作る事も検討出来ますよ、といわれて」。

オーダーキッチンとして提案されたメーカーは「トヨウラ」。戦後すぐに鋳物の生産からはじまった老舗メーカーで、特にステンレスキッチンの技術力とデザインに定評があります。これは、T様(妻)がステンレスにしたいと話していたことによるもので、さっそく渋谷にある完全予約制のショールームへ。

「僕は最初、ステンレスってどうかな?って思っていたんです。食堂とか給食室みたいなイメージで、家では浮いちゃうんじゃないかって。でも、ショールームに行ったらかっこよさにびっくりしました」とT様(夫)。

「私、実はキッチンの『つなぎ目』の違和感がどうしても気になってしまうんです。今回のリフォームでも、天板のつなぎ目やパイプスペースとのつなぎ目がどうなるかを心配していました。でも、トヨウラのショールームでなめらかで美しいキッチンを見たら、これならキレイに納まりそう、と思ったんです」(妻)。



 

ビフォーアフターを拝見!親子でキッチンに立つのが楽しみに

「前よりもお手伝いをしてくれるようになりました」

完成したのは、パイプスペースを境に奥にコンロ、手前にシンクを配したペニンシュラキッチン。上から見ると、太字のLのようなかたちで、シンクもL字型になっている点が特徴的です。

「水切りカゴを、縦にも横にも取り付けられるようになっているんです。作業スペースも十分にあるため、子どもたちが進んでキッチンに立つようになってくれました」(妻)。

天板とシンクの折れ込みなど、ステンレスのシームレスな納まりはやはりトヨウラならでは。パイプスペースは奥の3面にはキッチンパネルを貼り、T様の希望でマグネットが使える仕様になっています。

コンロ前には壁を立てることも検討しましたが、開放感と使い勝手を重視してオープンに。視線が抜けるため、LDK空間がつながり広がりを感じさせます。

上の女の子2人にはクローゼット付きの子ども部屋を、下の男の子はリビングの一部を仕切れるように建具を設置。洗面室からは寝室を通り抜けてバルコニーに出ることもできるため、家事動線も大幅に短縮されました。

下部を収納にした小上がりの畳コーナーや、カウンター下ニッチなど収納も大活躍。ほかにも見どころがあり過ぎて、紹介しきれないほど。約61㎡の中に家族5人が快適に、楽しく暮らせる住まいが誕生しました。

【Before】

5人分の食事を同時に調理するには不便を感じていた以前のキッチン。


【After】
 
左:どこから見てもキレイな納まり!カウンター下は子どもたちのミニライブラリーとして活用。
右:床の切り替え部分に入れた真鍮は妻の『つなぎ目』へのこだわり。これによって、さりげない高級感がプラス。
 

【4号特例】2025年4月からリノベに建築確認が必要に⁉費用や工期はどうなる?

2024年5月12日(日)
2025年4月から建築基準法が改正され、住宅のリノベーションやリフォームが確認申請の対象になるといわれています。それによってリノベの方法や費用、工期はどのように変わるのでしょうか?リノベ検討者は、それまでに工事した方がいいのでしょうか?スタイル工房のプランナーに聞いてきました。


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Q1.「4号特例」って?なにが変わるの?

A1. 確認申請が省略できる戸建て(4号建築物)の対象が変わります


建築基準法では、木造2階建てや木造平屋は「4号建築物」と定義されています。これまでは建築士が設計を行った4号建造物は構造関係規定等の審査が省略できる、とされていました。これが「4号特例」です。

2022(令和4)年6月に公布された『脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律』によって、「4号建築物」が木造2階建てと延床面積200㎡を超える平屋からなる「新2号建築物」と、延床面積200㎡以下の「新3号建築物」に分けられることに。

「新2号建築物」については、これまで省略されていた「建築確認・検査」「構造関係規定等の審査」が必要になることになったのです。


出典:2024年4月(予定)から4号特例が変わります(国土交通省)

そのため、木造2階建て住宅の大規模な修繕・模様替えに対して建築確認申請が必要になるといわれています。
具体的には、リノベーション会社が構造関係規定等の図書(図面や仕様書のこと)と省エネ関連の図書を作成し、役所に提出することになります。

Q2. どのようなリノベーションが対象になるの?

A2. 壁や柱などの主要構造物を半分以上変えると対象になります


いま発表されている国交省の資料には「大規模な修繕・模様替え」が対象、とあります。それぞれ建築基準法では次のように定義されています。

大規模な修繕・・・・・
建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。
修繕とは、経年劣化した建築物の部分を、既存のものと概ね同じ位置に概ね同じ材料、形状、寸法のも のを用いて原状回復を図ることをいう。

大規模な模様替え・・・
建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替えをいう。
模様替えとは、建築物の構造・規模・機能の同一性を損なわない範囲で改造すること、一般的に改修工事などで原状回復を目的とせずに性能の向上を図ることをいう。

カーテンや家具の配置を変える一般的な「部屋の模様替え」と違い、建築用語では修繕より模様替えの方が大規模な工事となります。同じクロスでの貼り替えや設備の交換は修繕、フローリングを無垢材やフロアタイルに張り替えるのは模様替えにあたります。
 
主要構造部には、次のようなものが含まれます。

主要構造部・・・壁、柱、床、はり、屋根又は階段

参照:参考 法律上の手続きと補助・融資等の制度(国土交通省)

主要構造部、過半、模様替と難しい用語が続きますが、大まかにいうと「壁、柱、床、はり、屋根か階段のうちひとつ以上を半分以上リフォームすると確認申請が必要」ということです。

そのため「老朽化していたキッチンやお風呂の位置を変えつつ交換した」「リビングを1階から2階に移動、その際に2階の内壁を撤去して空間をつなげた」などは、ある程度の規模の工事であっても、これまでと同様に申請なしでおこなうことができます。

屋根や外壁については2024年の2月に通達が出され、「屋根ふき材のみの改修は該当しない」「壁の内側からの断熱改修は該当しない」とされました。このように、今後もさらに具体的な内容が追加される可能性があります。

参照:屋根及び外壁の改修に関する建築基準法上の取扱いについて(国土交通省)
 

Q3. リノベーション、中古購入+リノベでの注意点は?

A3. 新築時に交付された「検査済証」があるかどうかの確認を


もしリノベーションで確認申請をおこなうことになったら、既存の建物が建築基準法を満たしていることを証明するための「検査済証」が必要になります。

検査済証は、工事後の完了検査に合格すると建築主に交付されるものです。昔は建築確認は受けていても「検査済証がなくても特にデメリットはない」という風潮だったため、1998(平成10)年度は完了検査率が38%という低さでした。2024年現在で築26年以上の建物が当てはまります。


出典:検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン(国土交通省)

その後、国や自治体による違法建築の取り締まりが強化されたり、住宅ローン審査時に検査済証の提出を求める金融機関が増えたことから検査率が上がりました。築10年未満の建物であれば、ほぼ完了検査を受けています。

中古戸建てを購入する場合は、不動産会社に検査済証があるかどうかを必ず確認しましょう。実家を受け継いでリフォームする場合や、実家を二世帯住宅にリノベーションして親と同居する場合なども同様です。

ただし検査済証を紛失してしまった場合でも、(完了検査を受けていれば)役所で「台帳記載事項証明書」を発行してもらい、代わりとすることができます。

Q4. 改正でリノベーション費用は高くなる?

A4. 確認申請が必要な工事であれば、プラス数十万円かかります


Q2で触れたような「壁、柱、床、はり、屋根か階段のうちひとつ以上を半分以上」の工事をおこなうとなったら、建築申請にいくら必要になるのでしょうか。

これは建物の規模や自治体によっても異なりますが、建築申請自体で10~20万円、そのための調書作成に40~50万円程度がプラスになります

建築申請をする以上、窓の防火性能や耐震基準なども現行法に合わせなくてはいけないため、工事が追加になる可能性も。その分の費用もかかってきます。

Q5. もしかしてリノベーション工期も延びる?

A5. 確認申請する場合は着工までの期間が1.5カ月ほど延びます


建築申請のための書類作成と、申請してから受理されるまでの期間として、1.5カ月ほどがかかります。これは着工前なので、仮住まいの期間等は変わりません。
 

Q6. 検討者はリノベを急いだほういいの?

A6. ムリに急ぐ必要はありません!気になるならご相談を


改正法の施行は2025年4月。「色々と制約が厳しくなったり、費用もかかるかもしれないなら今のうちに検討した方がいいかな?」とあせってしまうかもしれません。

でも、すでに触れたとおり、今後、施行までに曖昧だった点が定義されたり、緩和される可能性も。まだはっきりしていない部分があるうちから急ぎすぎて無理をするよりは、今後の発表を注視しつつ、自分が最も動きやすいタイミングでおこなうのがオススメです。

そもそも確認申請が必要なプランに当てはまるかどうかも、住む人の要望や建物によってケースバイケースです。予算や建物の状況に応じて、確認申請が必要になるような大規模工事を避けつつ、住みやすいプランをつくることもできます。もし気になる方は、一度ご相談ください。
 
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