【プランナー監修】リノベのトレンドは?リクエスト増加中のアイテムをプロに聞いた!
2024年6月18日(火)
10年前の事例集といまの事例集を見比べると、リノベーションにもトレンドがあることが分かります。いま注目を集めているアイテムは?キッチンの形は?内装の色は?リノベの最前線にいるプランナーに、お客様からのリクエストが最近、特に増えたものを聞いてきました。
お話を伺ったのは・・・
チーフプランナー 於保 誠之
一級建築士、スタイル工房チーフプランナー。マンション・戸建て共に数多くのリノベーションに携わってきた。機能美、住まう人の日々の暮らしやすさ、そして将来も踏まえた心地よさを追求。
「ヌックという言葉が登場する前から、窓際にちょっとしたベンチをつくったり、独立した隠れ家のような場所に本棚などを設置してくつろぎたいというオーダーはたまにありました。
小上がりよりもコンパクトで、空間にちょっとした変化を付けられる場所、個室ではなくて、みんなといるけどこもれる場所として、コロナ禍でおうち時間が長くなったこともあって一気に定着しましたね」
例えばこちらは、もともと和室だったスペースの一部を取り込んでつくったヌック。
打ち合わせ中に出てきた「ホテルなどの造り付けの椅子に弱い」というお話からの着想です。
このヌック実は、白い枠が庇のように出ていて、猫ちゃんが歩ける仕様になっています!
テレビボードと一体化した壁面(写真左側)のキャットウォークから、ここに飛び移ることができますね。
ヌックでくつろいでいると、上からしっぽがブラブラ……さらに癒し効果倍増のスペースとなっています。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_t75.html
ヌックの他の事例は、こちらからどうぞ!
https://www.stylekoubou.com/blog/?contentCode=2081
「常に片付けておかないといけないので大変ですよ、というお話はするのですが『それでもフルフラットがいい』というリクエストをよくいただきます。子育てが一段落したご夫婦からの、セカンドライフのためのリノベーションが増えたことも関連しているかもしれません。
フルフラットの弱点は、モノが出てしまうと空間全体が散らかって見えてしまうこと。なので、フルフラットにする場合は十分な収納量を確保するようにしています。背面収納と、できればパントリーがあれば万全です。
確かにデザインはすごくカッコいいですよね……惹かれる気持ちは分かります!」
まるでモデルハウスのような、生活感を感じさせない美しいキッチンが実現するフルフラット。リノベーションを機に挑戦したい!という人が増えているようです。
20年以上暮らしてきたご自宅の独立型キッチンを、オープンなペニンシュラ型にリノベーションした例です。
こちらはキッチンからのアングル。
和室を取り込んで拡げたリビングの奥まで見渡すことができます。
ノイズなく視線が抜ける気持ちよさは、やはりフルフラットならではですね。
カウンター下のほか、背面収納に吊戸棚、奥にはパントリーと、万全の収納量を備えました。
冷蔵庫もパントリー内に収めているため、リビングからの風景はさらにスッキリしています。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_f19.html
フルフラットの他の事例は、こちらからどうぞ!
https://www.stylekoubou.com/blog/?contentCode=1831
「窓サッシや金物の色にブラックが増えたことで、真っ白い壁だとコントラストが強すぎるため、中間色であるグレーのクロスをご提案しています。広い面に用いる場合は、遠目にはほぼホワイトに見える薄いグレーを選んで、落ち着きのある白として使っていますね。少しだけグレーが入ることで、目が疲れにくいんです。
床も、キッチンなどの水まわりはお掃除しやすいフロアタイルを貼ることが多いのですが、グレーが最も人気があります。同じく、タイルの目地も汚れが目立たないグレーを選ぶ人が増えています。
デザイン面では、空間に奥行きや立体感を出したいときに、一番奥にグレーを配することが多いです」
こだわって選んだイケアのキッチンに合わせて、壁や床にもグレーを採用したおうちです。
ダイニングの壁もグレーで、換気扇や照明のブラックともよく馴染んでいますね。
こちらはリビング側で、梁より上の天井も薄いグレー。
内装の彩度を絞ったことで、モノの形や存在感が際立つ空間になっています。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_k112.html
お話を伺ったのは・・・
チーフプランナー 於保 誠之
一級建築士、スタイル工房チーフプランナー。マンション・戸建て共に数多くのリノベーションに携わってきた。機能美、住まう人の日々の暮らしやすさ、そして将来も踏まえた心地よさを追求。
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目次
- トレンド① ヌック|大人もワクワク♪わが家の秘密基地へようこそ
- ヌック事例|キャットウォーク&トルコの味付けでさらに楽しく!
- トレンド② フルフラットキッチン|収納量の確保がポイントに
- フルフラット実例|独立型からパントリー付きのペニンシュラへ
- トレンド③ グレー|目にも優しく、空間に奥行きをプラスしてくれる
- グレー実例|キッチンや照明のブラックと組み合わせてカッコよく
- まとめ
トレンド① ヌック|大人もワクワク♪わが家の秘密基地へようこそ
「おうち時間が長い人には、特にオススメです!」
おうちの中の、居心地の良い小さなスペースを意味するヌック。子どもの遊び場所やライブラリースペースとしてリクエストする人が増えたそうです。「ヌックという言葉が登場する前から、窓際にちょっとしたベンチをつくったり、独立した隠れ家のような場所に本棚などを設置してくつろぎたいというオーダーはたまにありました。
小上がりよりもコンパクトで、空間にちょっとした変化を付けられる場所、個室ではなくて、みんなといるけどこもれる場所として、コロナ禍でおうち時間が長くなったこともあって一気に定着しましたね」
ヌック事例|キャットウォーク&トルコの味付けでさらに楽しく!
【マンション|築14年|リノベーション面積 約80㎡】
例えばこちらは、もともと和室だったスペースの一部を取り込んでつくったヌック。
打ち合わせ中に出てきた「ホテルなどの造り付けの椅子に弱い」というお話からの着想です。
このヌック実は、白い枠が庇のように出ていて、猫ちゃんが歩ける仕様になっています!
テレビボードと一体化した壁面(写真左側)のキャットウォークから、ここに飛び移ることができますね。
ヌックでくつろいでいると、上からしっぽがブラブラ……さらに癒し効果倍増のスペースとなっています。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_t75.html
ヌックの他の事例は、こちらからどうぞ!
https://www.stylekoubou.com/blog/?contentCode=2081
トレンド② フルフラットキッチン|収納量の確保がポイントに
「勇気がいるけど、やっぱりカッコいいキッチンになります」
キッチンについては、最近フルフラットのリクエストが多いのだとか。手元が丸見えになるフルフラットは、生活感が出やすくハードルが高そうですが……?「常に片付けておかないといけないので大変ですよ、というお話はするのですが『それでもフルフラットがいい』というリクエストをよくいただきます。子育てが一段落したご夫婦からの、セカンドライフのためのリノベーションが増えたことも関連しているかもしれません。
フルフラットの弱点は、モノが出てしまうと空間全体が散らかって見えてしまうこと。なので、フルフラットにする場合は十分な収納量を確保するようにしています。背面収納と、できればパントリーがあれば万全です。
確かにデザインはすごくカッコいいですよね……惹かれる気持ちは分かります!」
まるでモデルハウスのような、生活感を感じさせない美しいキッチンが実現するフルフラット。リノベーションを機に挑戦したい!という人が増えているようです。
フルフラット実例|独立型からパントリー付きのペニンシュラへ
【戸建て|築22年|リノベーション面積 約54㎡】
20年以上暮らしてきたご自宅の独立型キッチンを、オープンなペニンシュラ型にリノベーションした例です。
こちらはキッチンからのアングル。
和室を取り込んで拡げたリビングの奥まで見渡すことができます。
ノイズなく視線が抜ける気持ちよさは、やはりフルフラットならではですね。
カウンター下のほか、背面収納に吊戸棚、奥にはパントリーと、万全の収納量を備えました。
冷蔵庫もパントリー内に収めているため、リビングからの風景はさらにスッキリしています。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_f19.html
フルフラットの他の事例は、こちらからどうぞ!
https://www.stylekoubou.com/blog/?contentCode=1831
トレンド③ グレー|目にも優しく、空間に奥行きをプラスしてくれる
「落ち着きのある白のようにも用いることができる万能色」
最後に内装全体のトレンドについても聞いてみました。クロスや床などの色は、ホワイトではなく、グレーが主流になっているのだそうです。「窓サッシや金物の色にブラックが増えたことで、真っ白い壁だとコントラストが強すぎるため、中間色であるグレーのクロスをご提案しています。広い面に用いる場合は、遠目にはほぼホワイトに見える薄いグレーを選んで、落ち着きのある白として使っていますね。少しだけグレーが入ることで、目が疲れにくいんです。
床も、キッチンなどの水まわりはお掃除しやすいフロアタイルを貼ることが多いのですが、グレーが最も人気があります。同じく、タイルの目地も汚れが目立たないグレーを選ぶ人が増えています。
デザイン面では、空間に奥行きや立体感を出したいときに、一番奥にグレーを配することが多いです」
グレー実例|キッチンや照明のブラックと組み合わせてカッコよく
【マンション|築23年|リノベーション面積 約74㎡】
こだわって選んだイケアのキッチンに合わせて、壁や床にもグレーを採用したおうちです。
ダイニングの壁もグレーで、換気扇や照明のブラックともよく馴染んでいますね。
こちらはリビング側で、梁より上の天井も薄いグレー。
内装の彩度を絞ったことで、モノの形や存在感が際立つ空間になっています。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_k112.html