リノベのコトバ(グレーチング)
2023年3月7日(火)
少し前までは外装用だったり、住宅には使われていなかった建材がリノベーションに取り入れられるようになってきました。今回はそのうちのひとつ「グレーチング」をご紹介します。
この写真の事例詳細はこちら:No.698 やさしい光が注ぐ 和やかな時間
ポピュラーなものは道路脇にある側溝の蓋
グレーチングは、もとは道路上の雨水を排水するための蓋として使用されていたものを指します。道路脇にはめられた、金属製の格子を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
「Grating=格子」という名前のとおりの形状で、空気や水、光は通しつつ仕切る(塞ぐ)ことがその役目です。
住宅では、上階から下階に光をとどけるための床材として利用されるようになりました。
住宅では軽くて強いFRP製が主流
グレーチングは、内装では「FRP」製のものが多く用いられています。「FRP」とは「繊維強化プラスチック (Fiber Reinforced Plastics)」のこと。
つまり、ガラス長繊維 (=グラスファイバー)をプラスチックで固めた建材です。
特長は軽さと強度で、耐熱性、耐寒性があり腐食にも強いため、屋内でも屋外でも使うことができます。
また、金属と違い電気に対する絶縁性があるため、電気設備の周囲の建材としても適しています。
やわらかく光を通すFRPグレーチング
機能性に優れたFRPグレーチングですが、デザイン面でも高く評価されています。薄いグリーンを帯びたような色味で光を通し、空間に優しい陰影をもたらします。
日当たりの悪い1階リビングの天井(2階の床)をFRPグレーチングにしたり、渡り廊下や階段の踏み板に用いたりと、様々な場所で活用できる優等生建材といえるでしょう。