リノベのコトバ(躯体現し)
2023年3月28日(火)
建築現場で使われる複合語「躯体現し」。意味は上記の通り「建築物の構造」を「見える状態で仕上げる」ことを指します。「木造建築で」とありますが、単に「現し」という場合は木造一戸建てなどで梁などを見せて仕上げることを、「躯体現し」という場合はマンションリノベーションでコンクリート肌を見せて仕上げることを指すのが主流となっています。
この写真の事例詳細はこちら:No.675 パパとボクとでCooking!
魅力はデザイン性と解放感!
マンションリノベの躯体現しでは、リビングなどの天井を現しにするケースが多いです。また、天井と一部の壁を現しにしたり、梁のみを現しにしてアクセントにするといった方法も。
コンクリート肌がキレイであればそのまま、状態によっては塗装して仕上げることも。
天井が高くなることで得られる解放感と、クロスにはない無骨な素材感が魅力です。
「見せる用」には作っていないため、デメリットも
躯体壁はクロスやボードで覆うことが前提でつくられているため、必ずそのまま見せられる状態とは限りません。現しにできるかどうか、は既存のクロスやボードを撤去してみて初めて明らかになります。
墨出しの線やパテ処理の跡が残っていることがあり、それが「味」となるかは物件次第。
また、躯体現しによって本来は天井裏を通る換気ダクトや電気配線が露出することになります。
ダウンライトも設置できないため、天井の配線がすっきり見えるような照明計画を立てる必要があります。
防塵や防音、断熱性にも配慮が必要
躯体現しにした天井には防塵塗装を施し、ホコリなどが落ちてくるのを防ぎます。二重天井を躯体現しにした場合は、防音性が劣ってしまう可能性があります。
また、外部に面する壁を躯体現しにしてしまうと、断熱性能が低下する原因に。
住み心地を犠牲にしないためにも、躯体現しは構造を確認しながら、場所を選んで行うようにしましょう。