リノベのコトバ(鴨居)
2022年11月29日(火)
前回は「敷居」についてお話したので、今回のコトバはそのペアとなる存在「鴨居」です。
建具の上部をはめ込むための部材で、敷居の対として扱われます。
「敷居」と「鴨居」と「行ってこい」
鴨居の溝は、敷居の溝より深く、12 mmほど。敷居の溝の深さは3 mmほどなので、障子や襖などをまず鴨居に差し込んでから敷居にはめれば、簡単に取り付けることができます。
取り外す際は、戸を少し持ち上げて、敷居から外します。
このような着脱の仕組みを、建築業界では「行ってこい」といいます。
「鴨居」の種類
床の間など建具のない場所につくられた、溝のない鴨居を「無目(むめ)鴨居」といいます。また、開口していない壁面に鴨居と同じ高さに飾りで付ける「付け鴨居」、普通の鴨居より幅が高く構造材としての役目ももつ「差鴨居」、欄間などに使われる「薄鴨居」などもあります。
どうして「鴨」なの?
家の部材に鳥のカモ?その理由はやはり諸説あるようです。建具の上の方にあるから…という「上居(かみい)」がなまってできたという説。
溝に建具をかませて支えるから「噛む居(かむい)」だったものが変化したという説。
上記はどちらもなかなか説得力がありますが、家が火事にあわないように水鳥である鴨の名をつけたという説も。
昔の人の、住まいの安全を願う気持ちが伝わってきますね。