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リノベーションで床は無垢フローリングにしたい!合板との違いやメリット、種類やお手入れの方法は?

2022年11月20日(日)
リノベーションで床は無垢フローリングにしたい!合板との違いやメリット、種類やお手入れの方法は?
リフォームやリノベーションの内装を決めるときに、悩みがちなのが壁と床ではないでしょうか。なかでも床は、直接足に触れる部分でもあるので、お部屋の居心地に大きく関わってきます。「無垢材のフローリングが気になっているけど、メンテナンスが大変そう…」こんな声もよく聞かれる無垢フローリングを中心に、特徴や種類をまとめてみました。

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目次 ――――――――――――――――――――
 

床材にはどんな種類があるの?

それぞれの特徴でおすすめの場所が違う

床に貼る素材は、どんなものがあるのでしょうか?
昔ながらの畳やフローリングのほか、じゅうたんやビニールでできたクッションフロア、フロアタイルなどがあります。

畳はい草が原料ですが、紙や樹脂を使ったものもあります。ゴロンと横になれる柔らかさや、い草の香りが好き!という方も多くいらっしゃいます。お布団をそのまま敷けるため、お布団派の方や、着物やお茶など和の趣味をお持ちの方からも支持されています。

じゅうたんもクッション性があるため、マンションの規約で床はじゅうたんにすること、と決められている場合も。
柔らかくクッション性のある素材にはほかに、クッションフロアやコルクタイルなどがあります。クッションフロアは水に強いため水まわりに、自然素材であるコルクタイルは子ども部屋によく採用されています。

また、フロアタイルも水に強く、水まわりに人気の床材。形や色など、デザイン豊富なところも魅力です。
リノベのネタ帳|床材の種類 畳リノベのネタ帳|床材の種類 カーペットリノベのネタ帳|床材の種類 フロアタイル
 

無垢材と合板はどう違うの?

木が原料のフローリングは、大きく合板フローリングと無垢フローリングに分かれます。
合板フローリングは、複数の板を接着剤で貼り合わせて作ったもの。重ねた合板の表面には、プリントシートなどの化粧材や天然木をスライスした突板を貼り付けます。表面が突板のほうが、質感や見た目が無垢フローリングに近くなります。温度による変化が少ないため、床暖房に対応しているものが多いというメリットがあります。

無垢材とは、切り出した木材を1枚の板に加工した自然素材です。木の種類や表面の塗装によっても特徴が異なり、費用もさまざま。無垢材については、ここから詳しく触れていきます。
 

無垢フローリングの特徴や耐久性は?

特徴は、なんといっても風合いと足触りのよさ

自然素材の代表でもある無垢材のフローリング。
合板や集成材とは違い、そのまま丸太から切り出した木材である無垢材は、木の風合いそのままに、足に柔らかく心地よいのが特徴です。

一般的な合板フローリングは、冬はひやりと冷たくスリッパが欠かせませんが、無垢フローリングへのリノベーション後は「素足で過ごしています」という声をよくいただきます。

さらに、無垢材は年月が経つごとに艶を増し、色合いを深めていきます。キズがついても味わいとして愛着を深めていけるのも、無垢材の魅力のひとつです。
リノベのネタ帳|床材の種類 無垢フローリング
 

無垢フローリングの耐久性は?

「そのままの木だから、寿命は短そう」…そう思われるかもしれません。しかし、一般的な合板フローリングの寿命が10~20年であるのに対し、無垢フローリングは30年以上といわれています。

理由は、合板フローリングで板を張り合わせるのに使っている接着剤。経年によってこの接着剤が劣化し、はがれやすくなっていきます。

しかし無垢フローリングは単層なので、表面が傷付いても、そこを削り落とせば美しい姿がよみがえります。築100年以上にもなる古民家やお寺で、美しく飴色に変化した無垢の床が残っている建物も多くあります。そのため、寿命はメンテナンスや環境によって30~100年以上といえるでしょう。

他の床材を圧倒する耐久性をもち、経年変化を楽しめる無垢材。一生をともにできる床、といっても過言ではありません。
 

木によって変わる硬さや見た目!樹種別事例ご紹介

無垢材は木が原料だけに、木の種類(樹種といいます)によって見た目や硬さ(感触)が変わります。樹種により、費用に幅もあります。同じ樹種でも、間伐材や節のあるものはお手頃価格だったりします。
ここからは、樹種別にリノベーション例をご紹介します。好みの樹種を見つけてみてください。
 

パイン|柔らかく、親しみやすい人気No.1無垢材

リノベのネタ帳|無垢床 パイン 戸建リノベーション LDK
築1年半の新古物件をリフォーム前提で購入されたおうちです。
まだきれいな建物でしたが仕切りの多い間取りと、新建材のピカピカした感じを変えたいというご希望でした。


床に使ったのはレッドパイン。
濃い茶系のテラオイルで仕上げました。


木目と所々にある節の表情が素朴な風合いのレッドパインは、マツ科の針葉樹。
塗装によって様々な表情を見せるので、多くのインテリアに使われます。

この写真の事例詳細はこちら:No.502 壁はいらない…開放感とゆとりをつくる技


ちなみにこちら、リビングダイニングの床は無垢材ですが、キッチンの床にはフロアタイルを貼っています。
「床の種類」の項でも触れたとおり、水に強いフロアタイル。その特徴をいかして、とくに水がかかりやすい場所にだけフロアタイルを貼り分けることも可能です。無垢材との組み合わせを楽しむのもいいですね。
他にどんなフロアタイルがあるの?と気になった方はこちらをどうぞ。

進化してます「フロアタイル」!水まわりの床はこれでメンテナンス楽々♪
 

カラマツ|はっきりした木目とぬくもりが魅力


続いては、お子様の独立を機に、夫婦おふたりでゆっくり過ごすためのリノベーション。
築31年が経過していたお家の間取りや水まわりも刷新しました。


床材は足触りのよさとぬくもりのある質感にこだわり、カラマツの無垢材を選びました。
ラーチとも呼ばれるカラマツは、パインと同じマツ科の針葉樹です。


これまで大事に使ってきたお気に入りのダイニングテーブルに合わせ、収納カウンターやテーブルも造作。
こちらには、ほんのりと赤みのあるチェリー材を使いました。
それぞれの木の持つ特性を組み合わせるのも、リノベーションの面白さですね。

この写真の事例詳細はこちら:No.469 セカンドライフをゆったりと。木の温もりと風光あふれる上質な住まい
 

アカシア|独特の濃淡が味わい深いマメ科の樹


中古マンションをリノベ前提で購入したこちらのお家。
リノベーション事例でアカシアの無垢材を使った床がとてもステキだったということで、樹種をご指名されました。


アカシアは心材(丸太の中心部)と辺材(丸太の外側)で色にはっきりと差があるのが特徴。
そのため、木材に濃淡が出て独特の味わいを生み出します。
見た目だけでなく、硬くて丈夫な木質で優秀な床材でもあります。

この写真の事例詳細はこちら:No.542 床は大好きなアカシアの無垢材で!
 

チーク|古くから船にも使われた世界三大銘木のひとつ


お子さんが小さいので、足音などが響くのを気にされていたマンションのお部屋。
防音をしっかり行いながら、大好きな自然素材を使いたい、とリノベーションされました。


床には防音対策を施してから、チーク無垢材を貼りました。


水や害虫に強く、古くから船の甲板や家具などに使われてきたチーク。
木がゆっくり成長することで、強靭な木質をつくる高級銘木でもあります。

この写真の事例詳細はこちら:No. 484 マンションの防音対策もしっかり。子どもがのびのび育つ住まい
 

ウォルナット|黒っぽい木肌が人気のクルミの木


娘さんの入学を機に転勤から戻り、入居に合わせてリノベーションすることになったお家です。
お客様が気に入って床材に選んだのは、ウォルナット。
チーク、マホガニーと並んで世界三大銘木のひとつです。


カウンターキッチンや食品庫の扉もウォルナットで造作し、雰囲気を統一しました。
褐色がかった色と美しい木目が、シンプルなインテリアに奥行きを加えます。

この写真の事例詳細はこちら:No.275 家族と囲む、明るいキッチン
 

クリ|腐りにくく枕木などにも使用された高級木材


お祖母さまから譲り受けた築60年の木造住宅にお住まいだったご夫妻。
耐震面の補強をしっかりと実施したうえで、お祖母さまとの想い出を守りながらリノベーションされました。


床材には、はっきりとした木目で力強い印象のクリ(チェスナット)をセレクト。
硬く耐湿性に優れているクリは、水まわりに使うこともできます。
年月を経た家の味わいを、しっかりと受け止めるフローリングですね。

この写真の事例詳細はこちら:No.220 築60年の風合を新しい型で受け継ぐ
 

オーク|ウイスキーの熟成樽としてもおなじみ


築60年の住まいにひとり暮らしされていたお父さまと同居することにしたご一家。
思い出たっぷりの住まいの良さを残しながら、二世帯が快適に暮らせるおうちがご希望でした。


和風の佇まいを残したレトロな雰囲気にしたいということから、柱や建具などはそのままに。
床には波線形の優美な木目のオークを選ぶことで、和の雰囲気にもなじませています。
もともとの色合いは淡いため、濃いめの塗装で既存の味わいに近づけています。


広葉樹であるオークは硬く丈夫なことから、お子さまのいるお家にぴったり。
耐久性があり塗装によってコーディネートがしやすいため、パインと並んで定番の無垢材です。

この写真の事例詳細はこちら:No.522 思い出をつなぐ家
 

オーク+床暖房|無垢でも、床暖房をあきらめなくていい!


無垢材には設置が難しいとされてきた床暖房ですが、設置できるものが増えてきました。


こちらのお家は、オーク3層無垢材を使用。
オークを3層構造にすることで、反りや曲りを軽減し、床暖房にも対応しています。
無垢材の足ざわりと、床暖房のぬくもりのイイとこどりなんてうらやましいですね。

この写真の事例詳細はこちら:No.485 無垢材と珪藻土の質感が心地よい。光と風がたっぷり届く引戸の暮らし
 

貼り方でデザインバリエーション色々

雰囲気がガラリとかわるから、部屋ごとに分けるのもステキ


リノベーションするにあたり、構造的に大きい間取り変更が難しかったこちらのおうち。
住み心地とインテリアは自分たち仕様にしたい!と素材やデザインにこだわりました。
リビングは3層オーク材で、床暖房に対応した無垢材です。


寝室の床はチーク材をヘリンボーン張りにしました。
リビングとはガラリと変わり、シンプルなインテリアでも凝った印象になりますね。


こちらは、ナラ材をパーケット張りにした子ども部屋。
ややイエロー寄りの明るい色合いで、どこかレトロで懐かしい雰囲気があります。

この写真の事例詳細はこちら:No.279 間取りを変えず、自然素材でイメージ一新

自然のものだからこそ、貼り方で豊かに表情が変わることが分かりますね。他のバリエーションも見てみたい!という方はぜひこちらをどうぞ。
貼り方、素材でガラッと変わる空気感 表情のある「床」の作り方レッスン
 

まとめ

無垢材は長く付き合っていける素材である反面、自然素材ゆえに湿度や温度によって状態が変わります。そのため季節によっては反りがでたり、冬は隙間がひらいたりすることも。水分には弱いため、メンテナンスにはコツがいります。お掃除やお手入れ方法が気になる方は、ぜひこちらをお読みください。
生きている無垢フローリング 大掃除や日々のお手入れQ&A


また、DIYで無垢フローリングを貼ることもできますが、かなり難易度は高め。やはりプロに任せたものとは仕上がりが違います。一生ものである無垢床とのお付き合いは、熟練の職人技で安心して始めるのが良いでしょう。
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